基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

テクノロジー信仰への解毒剤──『テクノロジーは貧困を救わない』

テクノロジーは貧困を救わない作者: 外山健太郎,松本裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る外山健太郎さんという、日本人名の方が著者だったので最初日本語の本と思い読み始めたのだが、文章に…

なぜ薬物依存は減らないのか──『ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造』

ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造作者: カールハート,Carl Hart,寺町朋子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/01/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る薬物には大変恐ろしいイメージがある。一度でも手を出せば最後、…

SFが読みたい! 2017年版 出てます

SFが読みたい! 2017年版作者: S‐Fマガジン編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/09メディア: ムックこの商品を含むブログ (1件) を見るSFが読みたい! 2017年版 出てます! 僕は海外SFランキング上位30作品のガイド、2016年の海外SF総括、ラン…

完璧な短編小説──『J・G・バラード短編全集』

SF

J・G・バラード短編全集1 (時の声)作者: J・G・バラード,柳下毅一郎,浅倉久志他出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/09/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見るJ・G・バラード短編全集2 (歌う彫刻)作者: J・G・バラード,柳下毅一郎,浅倉…

月までのプログラミング──『デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―』

デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―作者: デビッド・ミンデル,岩澤ありあ出版社/メーカー: 東京電機大学出版局発売日: 2017/01/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る本書は「人と機械がアポロ計画においてどう役割分担を…

信仰に基づくハードSF──『エコープラクシア 反響動作』

エコープラクシア 反響動作〈上〉 (創元SF文庫)作者: ピーター・ワッツ,加藤直之,渡邊利道,嶋田洋一出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/01/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見るエコープラクシア 反響動作〈下〉 (創元SF文庫)作者: ピー…

飛浩隆、十年ぶりの短篇集──『自生の夢』

自生の夢作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/11/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る『ラギッド・ガール』から10年ぶりに飛浩隆さんの短篇が本になった(文庫化除く)。一言でいえば極上のSF短篇集である。身体へとダ…

本を読んで変わる人生

人を動かす 文庫版作者: D・カーネギー,山口博出版社/メーカー: 創元社発売日: 2016/01/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る大学生で暇で暇でしょうがなかった時、学内新聞をつくろうと思ったことがある。*1立派な大学なら学内新聞の二つや三…

『ユリシーズ』から『これはペンです』まで──『実験する小説たち: 物語るとは別の仕方で』

実験する小説たち: 物語るとは別の仕方で作者: 木原善彦出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2017/01/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの世には実験小説と呼ばれるたぐいの作品がある。実験=experimental というぐらいだから、要するに普通の小…

東京創元社編集者の本語り──『ぼくのミステリ・クロニクル』

ぼくのミステリ・クロニクル作者: 戸川安宣,空犬太郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/11/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る北村薫、有栖川有栖、宮部みゆきなどそうそうたる面々をデビューさせ、東京創元社で編集から社長、会長…

ニューヨークの魔物の生態を描き出すお仕事物──『魔物のためのニューヨーク案内』

魔物のためのニューヨーク案内 (創元推理文庫)作者: ムア・ラファティ,杉田七重出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/01/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る『魔物のためのニューヨーク案内』という書名からは最初どんな話なのかよくわ…

古典ディストピアSF三冊+SFマガジン最新号を紹介する

SF

最近『動物農場』、『すばらしい新世界』がそれぞれ山形浩生訳、大森望訳で新訳、『破壊された男』は伊藤典夫訳そのままに文庫化され、この機会に一気に読んだ。この三冊の刊行は虐殺器官の映画公開に合わせたディストピアSF企画の一環だが、どれも今読ん…