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基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

文系の壁 (PHP新書) by 養老孟司

久々に新書。なんか五年ぐらい前と比べると今の新書はどれも大変うすっぺらくつまらない上に対談本含有率が高くなって(主観的な割合だが)げんなりなのだが、本書もまた対談本である。それでも何故買ったのかといえば対談相手の一人が森博嗣さんだったからだ…

マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル by 小川孔輔

マクドナルドの失敗が告げる「戦後モデル」の終わり(前篇)wedge.ismedia.jp ↑の対談記事がなかなか面白かったので、話題にあがっている本書を読んでみたのだが、なるほどなあという感じ。マクドナルドの経営が悪化しているのは周知の事実だが、それはなぜ…

漫画編集者 by 木村俊介

つい最近戦後のミステリ史を追うことを目的に行われた名編集者へのインタビュー集が刊行されてそっちについても書いたばかりだが、今度は漫画編集者へのインタビュー集だ。僕はそもそも編集者が書いた本や、編集者が受けているインタビューが好きだ。漫画編…

江口寿史の正直日記 (河出文庫) by 江口寿史

あー面白かった。江口寿史の正直日記 (河出文庫)作者: 江口寿史出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/06/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る書いている人が誰かによらずに僕はけっこう日記が好きだ。読んだ本のことも音楽のことも映画…

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない by pha

このような人生論的な本は、自分としてはほぼそのコアの部分について考えを決めていることもあってあまり読むことはない。結局のところ自分の幸せは自分の幸せであって、人が語る人生論をそのまま受け入れられるわけではないから、うまいこと自分に適合しそ…

S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ by レム・コールハース

普段、線をぐりぐりと引きながら本を読む。あとで引用しようと思うぐっときた部分に、結論部分に、問題提起の部分に。概ねあとから読み返した時に、そこを起点として他の細部をずるずると思い出せるように引いている。というわけで、本書もいつもと同じよう…

3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫) by 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎のエッセイ集。五年前に出た単行本の文庫落ちで、その五年の間に書かれたものも収録されているからこっちが完全版ということになる。あと伊坂幸太郎さんへのインタビューを注として入れたものがけっこうたくさん入っているので、それをちまちまと…

ミステリ編集道 by 新保博久

タイトル買い。『戦後のミステリ出版史のアウトラインが辿れるものに、結果的になったように自負する。』と語る内容そのままに、殆どは既に定年などで退職した名編集者らへのインタビューを丁寧にまとめた一冊になっている。人選もさることながら、注釈が充…

Uncreative Writing: Managing Language in the Digital Age by Kenneth Goldsmith

Uncreative Writingと書名がついているように、一般的にはクリエイティブじゃないよね、クールじゃないよねみたいなやり方で生まれてくるcreativeな側面もあるんじゃない? むしろuncreativeだと思われて手をつけられていないところにこそ、今後重要になるん…

24人のビリー・ミリガン〔新版〕 by ダニエル・キイス

ダニエル・キイスといえば有名作の『アルジャーノンに花束を』と本書『24人のビリー・ミリガン』を思い浮かべる人が多いのではないか。24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ダニエル・キイス,堀内静子出版社/メーカー: …

「衝動」に支配される世界---我慢しない消費者が社会を食いつくす by ポール・ロバーツ

「衝動」に支配される世界---我慢しない消費者が社会を食いつくす作者: ポール・ロバーツ/神保哲生解説出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2015/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るTwitterやFacebookは常に何らかの更新が発生し続けてい…

友だちはいらない。 by 押井守

友だちはいらない。(TV Bros.新書) (TOKYO NEWS MOOK 481号)作者: 押井守出版社/メーカー: 東京ニュース通信社発売日: 2015/04/30メディア: ムックこの商品を含むブログを見るぱらっとめくってみて「げ、聞き書きかよお」と思ってしまったけどめっぽう面白…

黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実 by リチャード ロイド パリー

黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実 (ハヤカワ・ノンフィクション)作者: リチャードロイドパリー,Richard Lloyd Parry,濱野大道出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る5月…

撤退するアメリカと「無秩序」の世紀ーーーそして世界の警察はいなくなった by ブレット・スティーブンズ

撤退するアメリカと「無秩序」の世紀ーーそして世界の警察はいなくなった作者: ブレット・スティーブンズ,藤原朝子出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2015/04/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る著者の立場があらかじめゴリゴリに決まって…

能・文楽・歌舞伎 (講談社学術文庫) by ドナルド・キーン

能・文楽・歌舞伎 (講談社学術文庫)作者: ドナルド・キーン,吉田健一,松宮史朗出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/05/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (15件) を見る森博嗣さんの小説『マインド・クァンチャ』の引用本。この…

コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと by 川上量生

川上量生さん。着メロのサービスとニコニコ動画をつくってみせた。ニコニコ動画は最初は違法アニメ動画ばかりの状況から健全化させる、きちんとしたアップロード環境を整えると宣言し殆ど信じている人もいなかったのにいつのまにやらニコニコ動画は公式配信…

Alone Together: Why We Expect More from Technology and Less from Each Other by Sherry Turkle

本書『Alone Together: Why We Expect More from Technology and Less from Each Other』は2011年発刊の物。出版された本国ではどの程度の評判でもって受け入れられたのかは知らないが日本じゃまだ未訳なんだよね。『衝動に支配される世界』という本で引用さ…

ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術

基本特撮系の脚本家同士の対談集だけれども、ほとんどの人はアニメ脚本もやっている人達だ。「物凄いオススメ! コレは凄い本だ!!」という物ではないけれども、実写なりアニメなりの脚本家同士の生の会話が読みたい人にはこれ以上ない本だろう。実写とアニ…

監督稼業めった斬り―勝つために戦え! (徳間文庫カレッジ) by 押井守

この本については五年前に単行本を読んで記事を書いているんだけど、文庫化して改めて読んでみるとやっぱり面白い本だ。しかし五年前の記事って読み返すの恥ずかしいな。念のためちょっと開いてみたけど何かバカなこといってやしないかと怖くて読めなかった…

天才を生んだ孤独な少年期 ―― ダ・ヴィンチからジョブズまで by 熊谷高幸

恐らく今までで僕が受けたことのある質問の中で一番多いのが「どうしたらそんなに本を読めるんですか」だが、これにはいつもシンプルな回答しか返すことができない。本を読む以外のことを一切やめてしまえばいい。テレビを見るのもやめて人と会うのも辞めて…

本で床は抜けるのか by 西牟田靖

僕は本屋でバイトしていたこともあるのでよくわかるのだが何しろ本は重い。毎日毎日凄い量の本が運び込まれてきて毎日毎日凄い量を返品してなんでこんな無駄な大量輸送を日々往復させてんだろうなあと思いながら毎日返品作業をこなしていたが、とにかく重た…

ファンタジーと言葉 (岩波現代文庫) by アーシュラ・K.ル=グウィン

ル・グインが創作についてや図書館のこと、自己紹介から今まで読んできた本などいろいろと語っているエッセイの文庫化。元は2006年に出た単行本だから、ファンは既に読んでいるものと思うが僕は今回文庫化にあたってはじめて読んだ。ル・グインは代表作ゲド…

帰還兵はなぜ自殺するのか by デイヴィッド・フィンケル

二百万人のアメリカ人がイラクとアフガニスタンの戦争に派遣された。そしてそのうちの二十パーセントから三十パーセントにあたる人々が心的外傷後ストレス障害(PTSD)や外傷性脳損傷をおっている。戦争が起これば当然ながらそこでは戦闘行為が起こるわけで…

なぜ、この人と話をすると楽になるのか by 吉田尚記

先日みならいディーバというアニメ作品について記事を書いた⇒みならいディーバという奇跡 - 基本読書 この作品の製作総指揮兼演者としても出演しているのがこの吉田尚記さんである。ニッポン放送のアナウンサーでありながらその仕事は(アニメの製作総指揮な…

恋するソマリア by 高野秀行

あの衝撃的な謎の独立国家ソマリランド by 高野秀行 - 基本読書を出してからおよそ2年、高野秀行さんによる続編が出版された。前作は独立国家ソマリランドという「場所」「歴史」「人間」の面白さに相乗効果的に高野秀行さんの視点と行動力、そして文章力の…

イスラーム国の衝撃 (文春新書) by 池内恵

イスラム国関連の書籍をざっと4,5冊読んだが1冊選ぶとしたらこれだな。次点としてロレッタ・ナポリオーニの『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』はイスラム国のメディア戦略とテクノロジー、あとは世界政治の中での立位置にページを割いていてまと…

石油の帝国---エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー by スティーブ コール

本書『石油の帝国』はアメリカのテキサス州を本拠地とするエネルギー企業であるエクソン・モービルの1990年代から2010年代に至るまでにどのような動きをとってきたのかの著作である。一言で「こういう本です」というのがなかなか難しい本で、俗にいうところ…

翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり by 片岡 義男,鴻巣 友季子

翻訳とは原語があるといってもそれぞれの単語がすべて一対一で対応しているわけではない以上、十人訳せば十通りの訳がぽこんと出てくるものだ。誤訳はあっても正訳はないというところか。しかしだからこそ、揺らぎの世界で第一線を張っている翻訳者の言葉は…

文体の科学 by 山本貴光

ほとんどの場合文体を論じるといえば小説かもしくは詩についてだが、本書は法律文から科学における文章、批評から小説、辞書まで幅広い分野の文体を視野に入れ、一つ一つ文章上の特性を確認していく内容になっている。さらには単に書かれた文章それ自体を見…

セラピスト by 最相葉月

記事を書くかどうか結構悩んだ本(内的なブログに載せる基準に達しているか否かの判断)だったけれども、やっぱり面白かったから書くことにした。内容としては河合隼雄と中井久夫のカウンセリング界隈では有名な二人を主軸にして、箱庭療法やカウンセリング…

偏愛蔵書室 by 諏訪哲史

普段本についてあれこれ書いているせいか、あまり人が本についてあれこれ書いた文章を読みたくないと意識的に避けてしまう。出来が悪ければイライラするし、出来が良ければ自分が書こうと思えなくなってしまうからだけど、それ以前に好みの問題もある。僕は…

本は死なない Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」 by ジェイソン・マーコスキー

Amazon本社でKindle開発の現場責任者として携わり、プロダクト、エンジニアリング、プログラムマネージャーをそれぞれ担当しKindleのエバンジェリスト(伝導者)として任命され、Amazon退社後Googleへ、そして今は読書関連のサービス会社を設立しているとま…

恐怖の作法: ホラー映画の技術 by 小中千昭

ホラー映画を記憶にあるかぎり見たことがない。あのリングも見たことがないし呪怨も見たことがない。学校の階段も見たことがないしそれに類するドキュメンタリー系の心霊現象番組も見たことがない。それに関連してお化け屋敷に入ったこともなければジェット…

あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生 by 佐々木敦

あんまり評論家の人の文章は読まないんだけれども、佐々木敦さんは例外的にちゃんと読んでいる人だと思う。それは何も評論家の書くものはつまらないだとか言っているわけではなくて、ただ個人的に言ってることの意味がよくわからないことが続いたから避ける…

医療の選択 (岩波新書) by 桐野高明

国家を考える時にそこに問題がないことはありえないが、とりあえずおおまかな分類としてエネルギーや教育、政治、地方自治に加え医療含む福祉をどう分配するのかなどは重要な論点となるだろう。本書はその中でも特に医療について我々はどのような選択肢をと…

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) by 増田寛也

人口減少への各種統計数値をベースにした危機の解説とその対策案が主な内容で、危機に関しても対策に関してもそれぞれまったくその通りだと頷く内容。一方で疑問点としては、人口減少速度を低下させるための対策が必要なことは確かだけど、仮定として今後1…

柴野拓美SF評論集 (理性と自走性――黎明より) (キイ・ライブラリー) by 柴野拓美

『宇宙塵』なる日本SF界屈指の同人誌を主宰者として発行、長年編集長として活躍し、同人誌でありながら多数のプロ作家を見出し、自身も翻訳活動、解説など様々な文章を書いてきた柴野拓美氏の評論集になる(2010年没)。いやあ、これは良い本だった。「…

あのひととここだけのおしゃべり―よしながふみ対談集 (白泉社文庫) by よしながふみ

漫画家・よしながふみさんが女性漫画家・小説家(やまだないと、福田里香、三浦しをん、こだか和麻、羽海野チカ、志村貴子、萩尾望都)と少女マンガについて語ったりフェミニズムについて語ったりボーイズラブについて語ったり表現について語ったりする対談…

問題をどう解くか: 問題解決の理論 (ちくま学芸文庫 ウ 22-1) by ウェイン・ウィケルグレン

1980年に出ていたものがちくま学芸文庫にて最近文庫化されたので初読み。これは名著だ。たくさん「この人は頭の回転が速いなあ」と思う人にあってきたが、頭の良さにもいくつかのパターンがある。純粋に計算能力や記憶能力が良いといった地力が強いタイプ。…

チャイナ・ハッカーズ by ウラジミール

昨年春に米セキュリティ会社・マンディアントが発表したレポートを読んでから初めてサイバー戦争関連の情報に興味を持つようになった。同レポートによれば、中国人民解放軍直下の大規模なサイバー攻撃部隊が米軍や関連企業にサイバー攻撃をしかけてきている…

ミッキーマウスのストライキ!: 米国・アニメ労働運動100年史 by トム・シート

元ディズニー・スタジオのアニメーターでもある著者の書いた、労働組合運動史。そもそも労働組合運動の歴史なんてものをあまり読んだことがなく、アニメーターのともなれば皆無だ。日本でもアニメ制作業者たちの労働環境の劣悪さなどはたびたび問題にあがる…

素直に生きる100の講義 by 森博嗣

100の様々な発想を元に、1発想につき見開き2ページで簡単なエッセイが書かれている本。100の講義シリーズの第三弾だ。ただ、内容につながりがあるわけでもないので別にこれから読んでも問題ない。定期的に出るので森博嗣さんの日記のように読んでしまう。内…

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

国家には法律がある。破ったらこういう罰を与えるぞ! というルールブックである。基本的に国民はそうした法律を守ったり、時にはバレないようにちょっぴり破ったりして生活している。たまに免許証を忘れてクルマを運転したところで捕まることはめったにない…

SF奇書コレクション (キー・ライブラリー) by 北原尚彦

世の中にはどうにも理解できない衝動に突き動かされている人がいて、そういう人達の行動は自分にはよく理解できないだけに別の生態系をみているように面白かったりする。本書の著者である北原尚彦さんはSF古書コレクターという点で僕には理解できない情熱を…

あなたの見ている多くの試合に台本が存在する by デクラン・ヒル

邦題だけみるとすべての競技についての話かな? と思うが原題は『The insiders Guide to Match Fixing in Football』なのでサッカーで行われる八百長の話だ。あんまりいい邦題じゃないね。人間、別に堕落でもなんでもなく合理的な理由によって八百長をするも…

滅亡へのカウントダウン: 人口大爆発とわれわれの未来 by アラン・ワイズマン

本書は『滅亡へのカウントダウン』という書名だが、そのメインテーマになっているのは人口増加とそれによる地球環境の悪化に人類は耐えられるのかというテーマだ。もちろん人口問題の中には日本のようにどんどん進行する少子化が問題になっている国もある。…

音楽の進化史 by ハワードグッドール

音楽というのは我々の身近にあるものであって、なんだかずっと前から音楽は音楽として存在していたかのようにすら思ってしまう。ゆえに音楽がいったいいつから、どのように変化をしてきたのだろうと考えすらしない人がほとんどであろう。音楽技法がまだほと…

Speculative Fiction 2013: The Year's Best Online Reviews, Essays and Commentary

WebのSF系レビュー(映画、小説、ドラマ問わず)にエッセイを集めた2013年傑作選版。特筆すべきはジェンダーの平等とは何かを論じたエッセイ、視点を多く盛り込んでいるところだろうか。フィクションの中での女性の役割、女性主人公のジュブナイルFの少なさ…

フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方 by 伊藤 洋志,pha

うん、これは面白かった。車にしろパソコンにしろ、普及が進んでいくと一家に一台から一人に一台になり、一人が何台も所有する、といったように一人が多様性を抱え込むように成るものだが、家もその流れをたどるんじゃないかな。つまり家族か、一人でも家を…

ゲーム・レジスタンス (GAMESIDE BOOKS) by 原田勝彦

良いレビュー、レビュー自体に価値がある文章というのは、レビュー対象に興味がない人間にとっても面白いものだ。僕はゲームはほとんどやらないし、やってこなかった上に、ゲームレビューの対象が大半は2000年代のものなので、「遊ぶゲームを探す」為には本…