科学ノンフィクション
魚にも自分がわかる ──動物認知研究の最先端 (ちくま新書)作者:幸田正典筑摩書房Amazonこの『魚にも自分がわかる』は、「魚の自己認識」、はてはその先の問いかけとして魚の知性について書かれた一冊である。魚は脳も小さいし、餌に飛びつくような本能的な動…
WHY TIME FLIES:なぜ時間は飛ぶように過ぎるのか作者:アランバーディック東洋館出版社Amazonこれを書いているのは11月22日だが、あと一週間ちょっとしたら12月、すぐに2022年がやってくる。この1年をあっという間に感じた人もいるだろうし、長かったなあと振…
ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか作者:ハイジ・J・ラーソンみすず書房Amazonこの『ワクチンの噂』は、ワクチンの信頼性をめぐる国際的な研究プロジェクトなどに関わってきた人類学者のハイジ・J・ラーソンが「ワクチンにまつわる嘘・デ…
2084年報告書: 地球温暖化の口述記録作者:ジェームズ・ローレンス・パウエル国書刊行会Amazonここ数年は毎日のようにSDGsや地球温暖化が話題になる昨今だが、この『2084年報告書: 地球温暖化の口述記録』はまさにそうした地球の気候変動をテーマにしたディス…
進化の技法――転用と盗用と争いの40億年作者:ニール・シュービンみすず書房Amazonこの『進化の技法』は、『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト: 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅』や『あなたのなかの宇宙』で知られる古生物学者・サイエンスライターの…
宇宙の終わりに何が起こるのか作者:ケイティ・マック講談社Amazon始まりあるものにはすべて終わりがあるというが、宇宙にもまた終わりはあるのだろうか。宇宙にもビッグバンという起点があるから、ないということはないだろう。著者はノースカロライナ州立大…
元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち作者:キット・チャップマン白揚社Amazonこの『元素創造』は、元素周期表の末尾に並ぶ26元素がどのようにして作られ・発見されてきたのか、科学者らの挑戦をまとめた一冊である。現在元素は118種に名前がついていて…
ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性作者:ダフナ・ジョエル,ルバ・ヴィハンスキ紀伊國屋書店Amazonこの『ジェンダーと脳』は、よく言われる「男女で脳に性差はあるのか?」というテーマに、神経科学者であるダフナ・ジョエルが向き合った一冊である。先…
夢を見るとき脳は――睡眠と夢の謎に迫る科学作者:アントニオ・ザドラ,ロバート・スティックゴールド紀伊國屋書店Amazonこの『夢を見るとき脳は』は、夢を見ている時脳内で何が起こっているのかに注目した一冊である。夢を見たことがないという人は、ほとんど…
アルゴリズムの時代 機械が決定する世界をどう生きるか (文春e-book)作者:ハンナ・フライ文藝春秋Amazonグーグル検索をした時、Facebookをみたとき、ECサイトで「おすすめ」商品が表示される時──我々はいま、日常のあらゆる側面でアルゴリズムと接している。…
においが心を動かす; ヒトは嗅覚の動物である作者:A・S・バーウィッチ河出書房新社Amazonにおい、嗅覚というのは五感の中でもわりと軽視されがちというか、仮に何か一つ感覚を消滅させられるとしても、視覚、聴覚と比べたらなくなっても構わないかな……飯を食…
最悪の予感 パンデミックとの戦い作者:マイケル ルイス早川書房Amazonこの『最悪の予感』は、統計データを用いることで、従来誰もやってこなかった手法で選手を採用し、戦術を組み立てていった野球チームについて書かれた『マネー・ボール』などで知られるマ…
ロボット学者、植物に学ぶ―自然に秘められた未来のテクノロジー作者:バルバラ・マッツォライ白揚社Amazon通常、ロボットといえば鋭角や四角でゴテゴテしているイメージで、それとは正反対の植物とは結びつかない。しかし、ロボット研究・開発は昆虫や動物か…
超耐性菌 現代医療が生んだ「死の変異」作者:マット・マッカーシー光文社Amazon近年、体内の腸内細菌の存在が我々の健康に大きく関与していることなどが明らかになってきて、細菌を死滅させる抗生物質を無闇矢鱈に乱用するべきではないという潮流が生まれて…
NEO HUMAN ネオ・ヒューマン―究極の自由を得る未来作者:ピーター・スコット・モーガン東洋経済新報社Amazon ALSという病 筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気がある。体が徐々に動かなくなっていき、最終的には自発的な呼吸も行うことができず、意…
スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法 (ブルーバックス)作者:向井千秋,東京理科大学スペース・コロニー研究センター講談社Amazon近年、イーロン・マスク率いるスペースXや、アマゾンのジェフ・ベゾスのブルー・オリジンなど、民間の宇宙関連企業が大きく伸び…
あなたが消された未来――テクノロジーと優生思想の売り込みについて作者:ジョージ・エストライクみすず書房Amazon生物は遺伝子によってある程度その姿かたちや能力が決定付けられているが、近年のバイオテクノロジーの進歩によって我々はその「生まれ持ったも…
南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態作者:ロイド・スペンサー・デイヴィス発売日: 2021/04/26メディア: Kindle版この『南極探検とペンギン』は、1910年頃から本格的に実施された別々の二チームによる南極点到達の冒険譚と、そ…
数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた作者:ケイレブ・エヴェレット発売日: 2021/05/08メディア: 単行本 はじめに 数の概念は、生まれつき備わっているものではない 数の概念がないなんてことがあるのか? 1〜3 おわりに はじめに 『ピダハン──「言…
命に〈価格〉をつけられるのか作者:ハワード・スティーヴン・フリードマン,Howard Steven Friedman発売日: 2021/04/17メディア: 単行本 はじめに 民事裁判における命の値付け 現在の命の価値より未来の命の価値の方が低いのか? おわりに はじめに 命に値段…
冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF)作者:管賀 江留郎発売日: 2021/04/28メディア: Kindle版この『冤罪と人類』は日本で起こった大規模冤罪事件を取り上げながら、最後にそうした冤罪事件が起こる理由を人間の〈道徳感情〉に求め、…
彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学作者:キース・クーパー発売日: 2021/04/24メディア: 単行本地球外知的生命──エイリアンは存在するのだろうか。存在するとして、どこに、どんな文化を持って存在するのだろうか。人は科学で、SFで、奇妙…
数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠作者:ザビーネ・ホッセンフェルダー発売日: 2021/04/09メディア: Kindle版物理学者は、自然法則の中に理論の自然さや美しさ、対称性、単純さ、統一性を求める。それは、自然法則はエレガントでシンプ…
人は簡単には騙されない: 嘘と信用の認知科学作者:ヒューゴ・メルシエ発売日: 2021/02/25メディア: 単行本世界にはプロパガンダにフェイクニュース、根も葉もない噂の蔓延が起こっていて、ほとんどの大衆はそうした「誰かの行動を操りたい人たちによって放た…
家は生態系―あなたは20万種の生き物と暮らしている作者:ロブ・ダン発売日: 2021/02/19メディア: 単行本家には時折ゴキブリやクモなどの外部の生物が紛れ込んでくることがあるとはいえ、そうそういつも見かけるものではない。大抵の場合、家には自分とその家…
脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ作者:ポール・ジョセフ・ガリーノ,コニー・シアーズ発売日: 2021/01/26メディア: 単行本先日認知科学の観点からみた、最強の英語の勉強法について書かれた『英語独習法』の記事を書いたばかり…
患者の話は医師にどう聞こえるのか――診察室のすれちがいを科学する作者:ダニエル・オーフリ発売日: 2020/11/10メディア: Kindle版病気を患っている時、患者側の知識と、診療する医師の知識量と立場は異なっているのが当然だ。医師は膨大な知識を持っていて、…
空気と人類 ―いかに〈気体〉を発見し、手なずけてきたか作者:サム・キーン発売日: 2020/12/17メディア: 単行本この『空気と人類』は、『スプーンと元素周期表』など様々な化学/科学系のトピックスを扱ってきた作家サム・キーンによる、気体についてのノンフ…
〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF)作者:マーク チャンギージー発売日: 2020/12/03メディア: Kindle版この『脳と文明の暗号』はマーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』の続編というか、姉妹篇であ…
Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる作者:バーバラ・トヴェルスキー森北出版Amazon意識、思考といったものは、我々の頭の中だけで作られるものではなく、空間と身体動作と意識の相互作用・統合によって形作られていくものである。たとえば、極端な…