基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

宇宙の終わりには何が起こるのか──『すごい物理学講義』

すごい物理学講義作者: カルロロヴェッリ,Carlo Rovelli,竹内薫,栗原俊秀出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2017/05/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る本書はループ量子重力理論という近年盛り上がっている物理学の分野を、第一人者…

我々の宇宙はなぜ「できすぎて」いるのか──『マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか』

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか (星海社新書)作者: 野村泰紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/07/26メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る本書はその書名のとおりに、この世界には我々が今住んでいる宇宙以外に…

世界最長のSF《宇宙英雄ローダン》リブート企画、読みはじめるには最高のタイミング──『スターダスト』

SF

スターダスト (ローダンNEO 1)作者: フランク・ボルシュ,toi8,柴田さとみ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る《宇宙英雄ローダン》シリーズは、ドイツのSF作家が集結し、リレー形式で毎週連載を…

『幼女戦記』のカルロ・ゼンによる、使い捨てにされる者達の物語──『ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下』

SF

ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下 (ハヤカワ文庫JA)作者: カルロ・ゼン,so-bin出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/08/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『幼女戦記』のカルロ・ゼンが早川で戦争SFを書くという情報を知った時(たしか今年のはじ…

本邦初訳作品が多数収録された、人類補完機構全短篇──『三惑星の探求』

三惑星の探求 (人類補完機構全短篇3)作者: コードウェイナー・スミス,伊藤典夫,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/08/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見るコードウェイナー・スミスによる全短篇を収録する〈人類補完機構全短篇〉が、第…

多彩な顔ぶれが揃った年刊日本SF傑作選──『行き先は特異点』

SF

行き先は特異点 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)作者: 大森望,日下三蔵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/07/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る本書は東京創元社にて出されている《年刊日本SF傑作選》の第10集目である。ここ最近国…

かくも多様な性交の世界──『セックス・イン・ザ・シー』

セックス・イン・ザ・シー (講談社選書メチエ)作者: マラー・J・ハート,桑田健出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/08/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る多くの生物は何事か崇高な目的のためというよりかは、自身の遺伝子を後…

サイエンス重視の意思決定ではもはややっていけない──『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)作者: 山口周出版社/メーカー: 光文社発売日: 2017/07/19メディア: 新書この商品を含むブログを見るHONZは自分の好き勝手に本を紹介するサイトなので、同…

肥満の起源はどこにあるのか──『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』

人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学作者: マイケル・L・パワー,ジェイ・シュルキン,山本太郎出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2017/07/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る現代人はかつてないほど太っている。体長を身長の二乗で割って…

レーションはいかにして美味くなり我々の食事を楽にしたか──『戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係』

戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係作者: アナスタシア・マークス・デ・サルセド,田沢恭子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2017/07/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る長期間に渡り作戦行動に従事する兵士にとって、食事は死…

〈スタニスワフ・レム・コレクション〉、ついに完結──『主の変容病院・挑発』

SF

主の変容病院・挑発 (スタニスワフ・レムコレクション)作者: スタニスワフレム,Stanislaw Lem,関口時正出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2017/07/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見るレムの代表作や、日本では知られざる側面を翻訳・刊行してき…

人類のせいでバナナがヤバイ──『世界からバナナがなくなるまえに: 食料危機に立ち向かう科学者たち』

世界からバナナがなくなるまえに: 食料危機に立ち向かう科学者たち作者: ロブ・ダン,高橋洋出版社/メーカー: 青土社発売日: 2017/07/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る最近、身の回りには食料が行き渡りすぎていて、逆に廃棄が…

旧文明が滅び、ヴィクトリア朝風の地下世界が興った世界──『墓標都市』

SF

墓標都市 (創元SF文庫)作者: キャリー・パテル,Kanehira K,細美遙子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/07/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る本書『墓標都市』は、旧文明が〈大惨事〉によって滅び、人類が地下世界へと潜って生き延び…

編集:森博嗣──『MORI Magazine』

MORI Magazine作者: 森博嗣出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2017/07/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る『MORI Magazine』は森博嗣さん編集の雑誌──という体裁の書籍である。分類的にはエッセイ本になるだろうが、他にもインタ…

基本読書10年目に突入しました。

7月24日に突入しました。 plaza.rakuten.co.jp 10年という数字に意味はありませんし、ここから何かが変わるわけではないですけど、これまで書いたことがなかったことでも一応書き残しておこうかと思います。 このブログはいかにして駆動されているのか この…

フィクションとしてのSF、幻想文学史──『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』

SF

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史作者: ルスタム・スヴャトスラーヴォヴィチカーツ,ロマンアルビトマン,Roman Arbitman,梅村博昭出版社/メーカー: 共和国発売日: 2017/06/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るかなり狂った本である。端的に…

最近イチオシの海外ファンタジィ──『風の名前』

風の名前 1 (キングキラー・クロニクル第1部)作者: パトリックロスファス,中田春彌,山形浩生,渡辺佐智江,守岡桜出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/03/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る本書『風の名前』は、キングキラー・クロニクル…

無根拠なサイエンスノンフィクションを見分けるためのいくつかのやり方

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/06/29メディア: 新書購入: 3人 クリック: 146回この商品を含むブログ (76件) を見る今日は本当はとある一冊のサイエンスノンフィクションについて書こうと思っていた…

墜落するプライベートジェット、生き残った二人のヒーローが直面する現実──『晩夏の墜落』

晩夏の墜落 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ノア・ホーリー,川副智子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る晩夏の墜落 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ノア・ホーリー,川副智子出版社/メーカー…

『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?』を神経科学的に解き明かす。

人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?作者: エリエザー・J・スタンバーグ,水野涼出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2017/06/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?』という書名からはトンデモオカルト本の香りしかしない…

分子から生態系にまで作用する普遍的なルール『セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか作者: ショーン・B.キャロル,高橋洋出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2017/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「果てしなく広がる平原」の意味を持つ「セレンゲティ」国立公園ではキリン…

アニメとはまったく違う、乙野四方字の『正解するカド』を──『正解するマド』

SF

正解するマド (ハヤカワ文庫JA)作者: 乙野四方字,東映アニメーション,野?まど出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見るTVアニメ作品『正解するカド』が、先日賛否両論を巻き起こしながら終了した。否定的な意見…

戦争をテクノロジー、物理法則から理解する三冊

戦争、それは人類の最も悲惨な自己破壊である。この世界には無限のリソースはなく、人間は感情的に理屈に沿わぬ意味不明な行動を起こすことがあり、人々は時に計画的に、時に勃発的に、他国に対し戦争行動をしかけることになる。そうしていったん戦争がはじ…

未来のゲームをレビューする──『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』

SF

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム作者: 赤野工作,石黒正数出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/06/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見る著者の赤野工作さんは、ニコニコ生放送でいわゆる世間的に評価の悪かったゲームのレビューをしてお…

ゾンビが跳梁跋扈する世界で発生する密室殺人──『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』

わざわざゾンビを殺す人間なんていない。作者: 小林泰三,YKBX出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2017/06/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る「全人類の長期記憶が一斉に不可能になったら」という展開を大真面目に描く『失われた過…

誰得読書会@新宿付近 7月23日 課題本:『BLAME! THE ANTHOLOGY』の参加者募集

冬木糸一と申します。たまに読書会を開いておりますが、これはその告知記事/参加者募集記事になります。日時:7月23日(日) 9:00〜11:00(朝早いので当然二次会とかはありません) 場所;新宿付近(連絡いただいた後、場所をとって情報連絡致します) 会費:…

能力者達による対話篇──『製造人間は頭が固い』

製造人間は頭が固い (ハヤカワ文庫JA)作者: 上遠野浩平,サマミヤアカザ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/06/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る本書『製造人間は頭が固い』はブギーポップシリーズを筆頭として数々の作品で知られる上…

読書によって夫婦の相互理解は深まるのだろうか?──『読書で離婚を考えた。』

読書で離婚を考えた。作者: 円城塔,田辺青蛙出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2017/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る円城塔、田辺青蛙の小説家夫婦が、課題本を出し合い交互にその本についてのエッセイを連載することによって、夫婦の相互理…

マフィアスレイヤー──『復讐者マレルバ――巨大マフィアに挑んだ男』

復讐者マレルバ――巨大マフィアに挑んだ男作者: ジュセッペグラッソネッリ,カルメーロサルド,Giuseppe Grassonelli,Carmelo Sardo,飯田亮介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/06/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るかつて「マレルバ(雑草)」…

超高度AIと人類の思考戦闘──『青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?』

青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/06/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見る細胞を入れ替えることで寿命を飛躍的に延ばし、その代わりに子供が生まれなくなった…