現実の場に立ち上がる
物語の迷宮へようこそ
あらすじ
アプロとラテルとラジェンドラが代理チーフに!? 本物チーフは88日間の長期休暇に。
一方海賊王&ジュビリーは火星のバーで不可思議な攻撃にあう。
そして今回の重要人物は、人の脳に干渉し、その人の脳の中の妄想を現実化させてしまうというとんでも能力の持ち主である。
感想 ネタバレ無
最初に見たときの感想は、いつもより分厚っ こりゃー期待出来る・・・ぐへへ。
読み終わった時、いつもより厚いのを感じなかった・・・
今回はアプロ出番控えめですねー。 最も、少ない登場場面にシリアスで起きている現象の本質を突く発言をビシバシとしているもんで、逆に存在感があったという。
というか、今回凄く不思議。現実と虚構の区別が無くなってくる。現実の中に虚構が混ぜ込まれて、あれ?これ現実?虚構? あれあれ?ってわけわかめ。 映画で、小説の中の主人公になってしまった!っていうのがあったが、あれに近いな。 あとは筒井康隆のパプリカが近い。あっちは夢が現実になってしまう話だけど、ほとんど一緒だ。
パプリカは、正直最後の方っちょ っちょ っちょ って突っ込みの連続というか、狂うべくして狂った世界といった感じだけど、こっちは静かに狂って行く感じ。
ネタバレ有
なんかやたらとアプロ格好よかったな・・・ 敵は海賊を体現してるぜ。
アプロの本質をあらわしてる一文があったから引用。
チーフ代理にされて、外に出れないアプロが言った言葉。
「あー殺したい。出たい。もっとぶっ壊したい。そういえば腹が減っているような」
この黒猫凶悪すぎる・・・。 とてもじゃないが人間社会に置いておけるような存在じゃないなぁ。それをうまく扱えるところにチーフの凄さがあるのだなとよくわかる。
あとは海賊王とジュビリーの幸運についてのやりとりが秀逸。 幸運については、前回のエグゼクティブはなぜゴルフをするのか?でも言ったな。 またしても引用
『幸運を祈ってるよ』
『俺は運など信じない。幸運も不運も自分のものだ』
『だれがお前の幸運を祈るよといったよ、おれの、だ。』
運など信じない、と言い切れるのが強さかなーとも思う。普通の、弱い人間は運という要素にすがらないではいられないと思うんだ。少なくとも、もし何かどうしようもない事があったときに、運がわるかったという逃げ道に逃げる事が出来る。 最も、それは駄目な道なんだろうが、誰しもがそれを運じゃなくて自分の実力のせいだ、と割り切る事は出来ないんじゃないかな。
あとは何故海賊が黒の眼帯をしているのか、というのが書いてあったな。 本当かどうかはわからないけれど、そんな事もあるかもしれないな、という内容だった。 明るいところから甲板に出た時に、眼帯をしておいて暗さに慣らしておいた目ですぐに海の状態を見れるようにするためだという。
あの典型的海賊像の眼帯にそんな意味があったとはしらなかったな。てっきり格好つけのためだけだと思っていたが。
シリアスアプロが出ててイイね・・・。 どんな時でも例外的な存在になれるアプロはやはり貴重な存在なんだろうな。 特に精神凍結は凄すぎる。 アプロの星の住人はみんな使えるのか・・・?
アセルテジオは最後まで可哀相だった。 悲惨だな。 相貌失人症という、人の顔を正しく認識出来ない(人の顔の区別がつかないなど)病気があるが、その症状を自分がなるのではなく、相手に、自分の顔のみ判別できなくさせてしまう能力とか、永遠に孤独だ。親にも兄弟にも認識されないとは・・・。
最終的に、アプロに首かどっか食い千切られて死んでしまうなんて・・・。 今回の中で一番好きなキャラだっただけに、非常に残念である。