基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

チルドレン 伊坂幸太郎

あらすじ
適当な男、陣内とその周囲をとりまく様々な人間が出てきてなんかする。(適当)

感想 ネタバレ無

相変わらず、伏線の張り方がうまい。 ここまでくると何かの方法論をつかっているのではないかと思う。もしくは何かの法則に従っているかだ。自分の中での考え方があって、それを使うと伊坂幸太郎の場合に限って、うまい具合に話がするするとつながっていくのだ。

よくこういう方法で私は成功しました!的な本が出るけれど、あれは全くの無意味だなと思う。それはその人が成功したケースであって、他の人には全く関係がないから・・・・。

ただ、一つでは意味のないことでも、数を集めればそれなりの意味は出てくるだろう。数が多ければ多いほど、自分と同じような状況の人間の成功が出てくるかもしれない。その場合それを参考にすればいいのだけれど、まぁ無理だろう。似てるだけで、何もかも違うんだから。

伊坂幸太郎の思考回路でどのようなやりとりが行われて伏線を成立させているのかはわからないけれど、そのやり方はきっとほかの人が素直にまねできるものではないのだろうなと思う。

チルドレンで、いろんな年代の陣内が出てくるけれど、そのどれもが楽しい。読んでいて楽しい。正義のヒーローが悪を倒す感じじゃなくて、正義とも悪とも全く関係ない人間が正義も悪も倒してしまうようなそんなひねくれた楽しさがある。

ネタバレ有

最初の銀行強盗のアイデアは面白かったなぁ。 しかし伊坂幸太郎は何でこんなに銀行強盗の話が好きなんだろう? 銀行強盗のアイデアばっかりやたら豊富なような気がする。

銀行員が全員グルで人質になりすまして出てくるなんて、まぁ通常じゃ有り得ない話ではあるけれど、空想だからこそ可能である話ではあるけれど、そこが伊坂幸太郎の良さでもある。

せっかく面白いアイデアだけれども、現実的じゃあ無理だから書くのはやめようなんていうのよりはよっぽどマシだ。
空想なんだから、好きなことを何でもやってほしいものだ。

陣内の適当さが、また無軌道な適当さだったからよかったな。 しょせん誰も彼も一本筋の通った生き方なんて望むべきじゃないんだというような考えを感じる。

意見なんて一瞬で変わるし、考え方も物の見方も宗教もなんだって一瞬で変わるものだーと言っているような、そんな感じ。