ちなみに映画のAvalonではなく、押井守によるノベライズ版のAvalonである。
あらすじ
世界ではアヴァロンという体感型戦闘オンラインゲームが大流行していた。 ゲームに入って敵と戦い、敵をたくさん倒すと経験値を得、レベルアップする。また、経験値はお金に換金する事ができ、それで暮らしている人間もいた。 主人公はAvalon世界の傭兵。架空世界で彼は何を見るのか。
体感型戦闘オンラインゲームというのは、バトルフィールドなどの戦争型オンラインゲームに自分の生身の感覚で乗り込んでいくというもの
感想 ネタバレなし。
よくわからないのは、映画と同じ内容なのかなあという事。たぶん違うだろうな。同じだったら書く意味がないからな。 映画見たくなった。今度借りてこよう。
まんま未来のオンラインゲームといった内容。現在でもオンラインゲームにはまっている人間には当てはまる事が多いのじゃないだろうか。Avalonの経験値現金還元システムも公認RMTのようなものだろう。
しかしこういうオンラインゲームの発展形みたいなものを考えた本はあんまり見ないな。。似たような本で桜坂洋のスラムオンラインがあるが、それだって微妙に違う。
ゲーム世界に入って架空戦争をするなんて普通に面白そうだな。問題点も多そうだが・・・
押井といえば難しい理屈を誰にもわからないような難しい言葉でぬりたくってるようなイメージがあったんだが、今回に限ってそれは無かった。よかったよかった。
それどころか非常にライトな文章でどっちかというとラノベに近い文章だった。というか完全にラノベだが。
地味に戦場心理学的なものを取り入れてるあたり面白かったかな。戦場ではほとんどの人間が人を殺すのを恐れて敵のほうにトリガーを引くことが出来ないとか。
また銃描写というより銃の種類はたくさんでてくる。そこまで銃マニアじゃないと思っていたが作中に出てきたほとんどの銃を知っているあたりすでに銃マニアといっていいかもしれない。
Avalonというゲームのベースにアーサー王伝説のもろもろが取り込まれているのは好印象。アーサー王伝説好きだしー
ネタバレ有
押井のオンラインゲーム論が出ててそこが良かった。なんだったっけな・・・えーと情熱をかけた結果が正当に評価される限り人間は自分を見失わないでいられる、しかし現実が正当な評価をくださないのならば人はそれを虚構にもとめるしかない。人間的欲求と折れ合ったのが今のこのオンラインゲームの蔓延という状況なのだ。
こんな感じだったかな、手元に本がないからわからんが・・・大筋は間違っていないはず。
まあそんな見方もあるかなといった感じか、反論を書こうかと思ったが意見が出てこない。無念。
今のオンラインゲームもそんな感じなのかな。やはりオンラインゲームでも賞賛をあびるためには努力と時間が必要だから、しかしゲーム内ならそれに応じた評価は現実よりはもらえるだろう。ラグナロクしかりリネージュしかり、強いキャラを持っている=人に認められているためにやるんだろうな。
そしてこの論からいうとハマるのは現実に評価されてない人間達が多くて、結果ゲーム内に厨と呼ばれる存在が多くなる。と一応筋は通っている。
そもそも本の中ではオンラインゲームでそういう欲求を満たそうとしている人間を否定的には書いてなかったからな。むしろ積極的に肯定していた。 虚構もまた現実であり、現実もまた虚構なのだみたいな感じで積極的に肯定していた。
あとどう考えてもこんな野蛮なゲームは禁止されるだろwwwwと思って読んでいたが禁止されながらも黙認されている状態らしいな。納得。
それにしてもゲーム内の職業が、戦士 魔導師 司教 盗賊 はないだろう押井さんと思った。 仮にもリアル派戦争ゲームなのに 戦士 魔導師ってなんだよ、と 魔導師だからといって魔法つかうわけじゃなくて使うのはRPGだし・・・
押井だからどうせ退廃したくらーい世界なんだろうな、と思ってたが微妙に笑えるシーンもあった。
料理屋のメニューの値段を全部弾丸や銃の値段に換算して評価するところとか。
「いまやみんな30口径や50口径、40ミリグレネードやRPGの弾頭を食し、突撃銃の骨や軽機関銃の殻を卓上や床に撒き散らして貪り食っていた」
あんまり覚えてないけどこんなような感じの文章でわろた。何食ってるのかさっぱり理解できないものの何か異常に高いものを食ってるのはわかるという・・・
基本的に面白かったが、やはりラストだけはよくわからん。普通なら2巻につながるところだが、2巻が出ている様子はないし、この続きが映画ってことなのだろうか?わからんな。