本書はゲーム ウィザードリィのノベライズ作品である。
あらすじ
迷宮にもぐって 敵を倒すぜ
感想 ネタバレ無
読むきっかけ、図書館のボロくなってどなたでもとっていっていいですよコーナーに置かれていたこれを見つけた事だった。 いつも古ぼけた料理雑誌などしか置いていないのでいつも知ら見して通り過ぎるんだが、たまたまこれが置いてあった。
そして初めてそのコーナーから持っていったのだった。 しかし古ぼけた小説でなかなか読む気も起きてこず、しかも作者がベニー松山とかいう変な名前だった為に正直なめてかかっていた。
が、一ページ目を開いてみたらびびっときたね。 たまーに小説を開いたときにビビっとくるものがある。 ページを開いた瞬間に思うんだよね、間違いなくこの本は最初っから最後まで面白いって。 こんな感覚は久しぶりですよ。
ちなみにこの感覚。ほとんどハードカバー系でしか起こらない。何故かはわからないけれど、文庫版の小説でこの感覚が起こったことは無い。 だから自分は今でも本を買うときはでかかろうが重かろうが高かろうが出来るだけ本を買うときはハードカバーで買うようにしてる。
内容について語るが、もともとの設定がRPGゲームなので、それにベニー松山的解釈を加えた世界観も見どころの一つか。単なるゲームの一設定をどういう風に解釈して世界を書いていくのかが非常に興味深い。
あと一瞬一瞬の盛り上げ方とか、盛り上げにいかせるための準備とかが非常にうまい。くるかくるか、くるかくるか、といい意味で緊張感をもったまま話に引き込まれたと思う。
もともとアメリカで生まれたゲームなので設定も向こうの指輪物語とかの流れを含んでいる。ホビットとか。
似たような小説だと、ライトノベルで薔薇のマリアとかが近いな。
ちなみにこの本、今はすでに絶版になっているらしい。捨ててくれた図書館に礼を言わねばなるまい。ありがとう図書館。
ネタバレ有
やはり最後のシーンには注目せざるを得ない。共に闘った仲間達が抜けるような青空の元、馬に乗って別れの挨拶をして一人一人去っていく。そして最後に残ったのは主人公とヒロイン・・・・
馬ってところが肝心だと思うんだよ。もしこれが、設定がこういったファンタジー世界じゃなくて現代でこのシーンをやったとしたら、仲間達が去っていくのが車だったりバイクだったり自転車だったりヘリだったりすると・・・・どうにも合わない。徒歩で都会の雑踏に紛れていくのを消えるまで主人公が見送っていくーとかだとまだいいかもしれない。
しかし、なんか文章にすると凄いこっぱずかしいがやはりこれはいいだろう。指輪物語でもこんなシーンあったなあ確か、とずっと昔に読んだ内容を思い返してみたり。
1988年の小説だからなあ、今だとこんな展開滅多にありつけないよ多分。こんなシーンやられたらそこまでがどんなに駄作だったとしても良作になってしまうよ。
そして恐るべきはスカルダが最後の最後村正の居合で最初やられたグレーターデーモンを真っ二つにしたシーンか。気の解釈とかも最高だけど、やはりこのシーンは良かった。主人公が大切な物とは何かを求める成長録でもあったけど、最初にやられたグレーターデーモンを真っ二つにしたことによって成長完了 ズビシッってかっこよく決まってたわな。
これにて終了。 まだライトノベルが続くかな。