基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ペリペティアの福音上中下/秋山完

ペリペティアとは作品中の星の名前 

あらすじ
宇宙の葬儀屋がはっちゃかめっちゃかにゴミ捨て惑星ペリペティアを舞台にはじける。


ネタバレ無

ライトノベルとは思えない程書き込まれてあったなーというのが読み終わった後の感想。特に内容がライトではないというのは特に思う。

息抜きのつもりで読んだのに逆に息が詰まってしまった・・・・。内容はなんだかすごいなぁと。歴史をなぞってあったりなんてことない現象にも科学的な理屈がつけられていたり、宗教学的な要素もふんだんに入っていたりとなかなか凄い。

主人公は葬儀屋である。同じ葬儀屋が主人公のライトノベルだとカオスラギオンがあるが、葬儀屋を主人公にするのはかなり特殊だな。

また内容も群象劇っていうのかなこういうのは。主人公サイドだけにスポットがあたっているわけじゃなくて、戦争時に全く関係ないような所の人達の描写まで無視しないで書いていたのが凄いなーと思うと同時に、少し文章の流れが悪かった気がする。

さぁこれから盛り上がってくるぞっていうときにどんどん本筋とあまり関係がない人達の描写が続くから読むのがだれてしまった。

設定もこれでもかっていうぐらいに綿密に組まれている。が、ちょっと読んでいて設定多すぎて読むのに疲れてしまった・・・下の最後の方の一番盛り上がってくるところで50P近く今までの謎のネタばらしというか設定を披露するんだが、50P近く延々と設定をしゃべり続けるので正直リズムが悪い。

さぁこれからって時にCMが入るテレビ番組みたいだなと思った。

少し批判的な事を書いたが内容は良かった。 よくここまで書いたなという感じ。

ネタバレ有


少し設定の多さについて触れると、必要な設定だけならまだマシなんだが、中か上かに出てきた天使のDNAとか神様のDNAの長々とした設定が本筋にほとんど関係無かったり、本筋に関係ない設定が出てきたのが自分が読みづらさを感じた原因だと思う。

もっとも関係があったのかもしれないが・・途中から長々として意味がなさそうな部分は全部読み飛ばしてしまった・・・。

よかったところだけども、宇宙空間でのワープ走行の説明が初めてみる物で成程と思わず感心してしまった。確か亜空間の物質を燃やし、その物質が生まれ故郷に帰ろうとする帰巣本能を利用してワープするとかそんな感じだったとおもうんだが、それは面白かったなあ。


あと気になったのは主人公が優柔不断のヘタレってところかな。自分から動かない主人公は話が動かしにくいっていうのが定説で、どうしても回りに居るキャラが話を動かすことになって、主人公が空気になってしまう事があるんだが、ちゃんとその点はしっかりしてたな。決めるところはしっかり決めるって感じで。


もっとも主人公サイドの話だけが本筋じゃなかったからかもしれないな。結局主人公が出てきたのって全体の半分ぐらいだったような気がするし。

最初っから最後までこの主人公だけで話を通そうとしたらかなりキツイ気がする。

ちなみに好きなキャラは死神船長で・・。

さて、まだライトノベルが続くな。
糸冬