オイレンシュピーゲル 冲方 丁
冲方丁がマルドゥックスクランブル、マルドゥックヴェロシティの後にライトノベルレーベルで出した作品である。 姉妹作にスプライトシュピーゲルがあり、オイレンシュピーゲルが角川スニーカーで出しているのにはんして、スプライトシュピーゲルは富士見ファンタジアから出ている。
あらすじ
近未来、国際都市ミリオポリスを舞台に、警察組織にスカウトされた3人の少女たち「黒犬」「紅犬」「白犬」がド派手にドンパチをやらかす。
感想 ネタバレ無
オイレンシュピーゲルってのをどっかで聞いたことがあるなと思っていたら、どっかの伝説の奇人らしい。奇人と書いてトリックスターと読むあたり何かがおかしい。
マルドゥックヴェロシティのあとがきを読んだ時に、冲方 丁もう作家として終わったんじゃないか(精神崩壊的な意味で)と思ったんだが、気がついたらもう本を4冊も出してた。びびった。
ちなみにその4冊とはオイレンシュピーゲル2冊スプライトシュピーゲル2冊である。
何でわざわざ出版社を分けて出すのかなーと思うんだがなあ、わざわざ分けると両社の出版時期とかも打ち合わせしなきゃいけなくなったり、イベントも勝手にできなくなったりと割と悪い事づくめな気がするんだが。 まあ冲方丁はどちらにも縁というか恩があるみたいだし、どちらからも出してほしいと頼まれての苦肉の策といったところか。
内容に入る。
世界観だが、マルドゥックスクランブルの世界と登場人物をライトノベル風に変えたって感じだな。文体もまるっきり一緒だし。政治色をからませてくるのは最早お家芸か。マルドゥックスクランブルでもかなり政治とかの話を盛り込んでいたからな。
今回の話もおおむねそういう方向ぽい。心に傷を負った少女達が正義なんて存在しない世の中でどう立ち回っていくかーって感じ。
内容はまだスプライトの方を半分ぐらいしか読んでないけどオイレンの方が大分重たいな。文体も内容も。
主人公の3人の少女だが、完璧に色分けされている。オイレンシュピーゲルの3人は黒、紅、白。 スプライトシュピーゲルの3人は紫、蒼、黄。3人とも義体化された体を武器に戦う戦闘要員。 義体化って書くと攻殻を思い出すが、似たようなものだな。その義体化のパーツにもレベルがあって、最高レベルの戦闘用パーツを使いこなすのがこの主人公の3人らしい。
おっと感想じゃなくなっているな。 感想を言うと 非常に面白いね。特にこの退廃的な雰囲気がいいよ。マルドゥックシリーズの時から思っていたけど、巻を増すごとにどんどん暗さが増してきてそれが味になってきている。 まあまだ一巻だから評価は早いな。
内容としては、非常に好きなシーンが一つと、キャラに狙撃手が居るのがグッドポイント!スナイパースキーな自分からしてみれば最高のシーンがあるからな。
ネタバレ有
ちなみに上で書いた最高のシーンとは狙撃手vs狙撃手のシーンの事である。
まだ狙撃手スキーになって日が浅いんで、狙撃手vs狙撃手というと正直攻殻機動隊SSSで出てきたシーンぐらいしか思い浮かばないんだが、それでも記憶に鮮明に残るほど好きなシーンの一つでもある。
なんというか緊張感がたまらない。向こうも相手も一撃で倒せる火力を持っているわけで、乾坤一擲、のるかそるかの大勝負、先に相手の位置を特定したほうの勝ち!そんなジリジリとした緊張感のある戦いがイイ!。
ちなみに同じノリでザ・シューターっていう映画があるが、そちらも大好きである。緊張感が狙撃手は違うよ・・・。
ちなみにこのシーンだと当然のように観測手も無しに風の影響とかを計算してるんだが、どっかのコンピューターか何かとつながってるいのかね。その辺よく読んでなかったな。もしくは衛星とリンクしているか。
なんだかスナイパーについてだけ語ってしまったが特に他には語ることはないな。
三話構成になっているが、一話につき一人のバックグラウンドの紹介っぽい感じか。スプライトシュピーゲルの方ではわからない。というかオイレンシュピーゲルが伝説の奇人ならスプライトシュピーゲルは何なんだ?と思って調べたけど特に元ネタは無いみたいだな調べても出ない。
それにしてもあとがきが思いのほかノリがよくてびっくり。てっきりマルドゥックヴェロシティのあとがきみたいに読んだだけでこっちまで気分が滅入ってくるようなあとがきを書いているのかとともったのに。まぁあっちとは話の向け方が違うからな。ヴェロシティはもろに自分を削って書いているような感じを受けたし。
よし、ここらで一旦締め。