基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れ物注意!!/冲方丁

弐巻であります。

あらすじ
原子炉搭載衛星が何者かによって墜落させられた。そして、その原子炉を使って原爆を作ろうとするグループの存在が発覚。それに伴う様々な政治的情報的思惑が交差する。7つのテログループが目まぐるしく争う中、黒犬 紅犬 白犬 3人もバラバラのチームに分かれそれぞれの仕事に取り掛かる。

感想 ネタバレ無

なんか凄い面白いんだけど・・・。前回は短編形式だったけれど、今回は長編である。基本的に原子炉を追ってそれぞれの得意分野での仕事にわかれるわけだけど、弐巻からこんなおおがかりな話をしていいんかいという感じ。次から原爆以上の危機を持ってこないといけなくなるんじゃないだろうか。

相変わらずダークな展開がイイ。特に終盤はゲェッって感じの展開があるなぁ。整合性という点についてはよくわからない。しかし原爆を持ってくるというのはある意味冲方丁らしいといえるかもしれない。

グラウンド・ゼロってのはマルドゥックの時点でしきりに言ってたしね。(グラウンド・ゼロ 爆心地という意味 もしくは長崎広島の原爆を落とされた地点の事をさす)

というか原子炉があれば割合簡単に作れてしまうものなのか・・・?原爆て・・・。

今回も狙撃手vs狙撃手が読めて満足であります・・・。

ネタバレ有


座位で撃つ日本人のスゴ腕狙撃手とか設定だけで格好よすぎるだろ。 もちろん本編でもかなり格好いいんだがね。結局死んでないから再登場に猛烈に期待する。あぐらをかいて狙撃する日本人狙撃手・・・まあ座位で撃つのが比較的安定して撃てる姿勢として存在するのも事実らしいがとてもそんな事を現実でやるやつはいないというのが悲しいところか。

あと好きなシーンとしては、やはり終盤に集中してしまうがあげていこう

1.普段ちゃんとした言葉をしゃべらないやつがいざというときにまともな口調になる展開。
ドイツ語の勉強が足りなくてボビーのような話し方なんだが、最後祖国ロシアに帰れと言われながらも援護にかけつけた仲間の言葉

「我々は、あなたの意志に従いたいのです」ヨシフ=ドイツ語 そういう言葉だけ正しい語順/正しい発音。「我々は、あなたのもとで銃を執る」


いいねいいね、こんな展開。
ほかにこういうシーンがあるのはスクライドだな。ストレイト・クーガーが敵のボスと対峙したときに今まで名前をちゃんと呼んでなかった人間の名前をしっかりと呼ぶ。
かっこいい!

2.スコープ越しにこっちを狙っているスナイパーを見つけて目線が交差して絶望感が漂う展開
もちろん敵は座位で狙う日本人狙撃手。 恐ろしすぎる。FPSゲームでスナイパーやってるとたまにこんな状況に陥るが、気づいたときには確実に遅い罠。あ、と思った瞬間に殺されるあっけなさは異常。 本文で狙いをつけられた瞬間に 
ちょっと、嘘でしょ──?
と書いてあるがまさにそんな感じ。 狙撃手の話って映画小説漫画問わず少ないからこういうシーンはじゃんじゃんやってほしい。

3.共に闘った仲間たちが奇襲によって次々に殺される展開、またその最中に死にながらも一矢報いながら散っていく仲間
仲間が全員死ぬのは特に好きな展開じゃないが、一気に全滅するという展開が好きなんだ。理不尽さが好きだ・・・。しかし11人も一気に死んでしまうとは。攻殻の個別の11人を思い出した。
映画、ディパーテッドでも似たような感覚を味わった。しかし奇襲をしかけてきた相手が味方のハズの軍の内部に浸透している敵組織だとは全く予想できない。というか軍の中に敵の組織の浸透を許すって軍の内部はどうなってるんだ。

4.絶体絶命のピンチにかけつける仲間
王道展開だが、ここまで突き抜けた王道展開だとバキの裏返った!みたいに王道展開すぎて逆に面白いよ・・・。そしてよく考えるとバキの裏返ったって全くたとえとしてふさわしくないな。
ちなみにここで助けにくるのが作品がクロスオーバーっていうのかな、してるスプライトシュピーゲルの主人公の3人だからそこがいいね。
やっとここで繋がったかという。

こんなに好きなシーンあったー凄いな。ライトノベルのくせに内容が濃いぜ・・・.