基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

人類は衰退しました2/田中ロミオ

あらすじ
人類は衰退しました

感想 ネタバレ無

まるこだと
おもっていたら
ドラえもん

典型的ダメ主人公と、超科学力を持った妖精。この構図を考えてみるに、どう考えても国民的作品、ドラえもんである。
つまりドラえもんであったのだ。まるこだと思っていたら・・・。サザエだと思っていたら・・・。

ダメ主人公の人間的自堕落さを読んでいて、自分より下の人間をみて安心する感情が発動した。ような気がする。

今回は何やら、ほのぼの一人称文体で偽装されたハードなSF設定が。SF設定だけみればドラえもんよりハードかもしれぬ。

今回出てきたドラえもんの道具はスモールライトとタイムマシンでした。

特にタイムマシンの方は、オチこそ時間移動もののよくある話とはいえ、そこに至るまでの過程が、やはり田中ロミオ様さまといったところか。時間移動もの、書くほうからしたら結構めんどくさそうで、書いている人を見るとそれだけでときめく。

一巻のあの不思議空間と裏腹に、SFちっくになってしまった2巻であるが、面白さ的には二巻のが上であろう。

ネタバレ有


主人公が相当なおバカである事が第一の話で判明してしまった・・!

おじいちゃんの知能が1275で主人公300ちょっとって・・・・。

いやしかしおじいちゃん一応普通の天才という設定だからいいのだろうか、これで。いいのかな。まぁどうみてものび太的存在だしこれでいいのだろう。

なんだか色々、主人公の過去とか微妙に伏線が張られていたような気がするけどあまり気にしない方向で。
というか、主人公とかに一切名前がない気がするのだけれども・・・。
友人も、友人Yとかなぜかアルファベットだし。

妖精にしか名前がついていないというのが、不思議といえば不思議だ。助手の事を助手としかいわないし、女医の事を女医としか呼ばない。名前の無い世界というわけでもないのに。気になってしょうがない。いちいち主人公主人公って書くのめんどくせぇんだよ!

これから先、どんな展開になっていくのかわからないけれど、毎回妖精が何か起こして、それを体験するという方式でどこまでもいくのか。登場人物の内面にちょっとずつ踏み込んでいく内容になっていくのかよくわからないけれど、どっちでも面白そうだ。

人間さんの、じゃくにくきょうしょく
スプーンを脳みそに突っ込んだら薄力粉が出てきて、その代りに知能と体がどんどん小さくなっていくお話。
ていうかもはや科学でも何でもないし!メルヘンだし!
どうでもいいけど、頭にスプーン突っ込んで薄力粉が出てくるのはいいけど、普通の人間だったらまずそれを食べようなんて思わないわな。

いやでも、耳から変な糸が出てきていて、なんだこれと思いながら、それをスルスルスルーとひっぱっていったら失明した!とかいう怪談話もあるぐらいだから、こういった状況に陥ったらとりあえず最後まで出してみようとするかも知れぬ。

ああ、ああ、なんということでしょう!
わたしの人生は、今ここに終わりを告げたのでした。

             人類は衰退しました FIN


まさかのDEAD END オチ かと思いきやまだ続いていた。焦った。

 4が3になって、しまいには1になって0になった時、わたしはわたしではなくなるのでしょう。
 ああ、そう、おもいだしました。
 ペットのテントウムシのなまえはあるじゃーのんいうとです。
 わたしがおばかになったら、だれかあるじゃーのんにエさをくらわせてやってください。
 おねがいさしあげます。


ネタがブラックすぎる。テントウムシごときにアルジャーノンの名前を付けるとは・・・・。


妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ

人間の不確定性みたいなものを扱った話。見る人によって見え方が違う自己。自分という個人を認識するためには、他者の認識を必要とするが、その他者の認識が揺れている場合、自分という個人を認識出来ずに、ぶれる。

だから、色々な人の話から自分というものの共通認識を拾い上げて、自分を定義したと。似たような事を最果てのイマで書いていたなーと思いだす。

世界に自分一人だったら、個人という概念も他人という概念も生まれずに、世界=自分になってしまうとかそんな話だったような。

まぁほのぼのとしてるから別にそんな難しく考える必要はないのだが。

おじいちゃん、ちびっこの時は女たらしすぎるだろ!程度の感想がちょうどいい。