基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

オイレンシュピーゲル4/冲方丁


あらすじ

書こうと思ったけど面倒くさいと思ったけどやっぱりこうやってあらすじとして本の中身を要約するのは、何かの能力アップにつながるのではないかという姑息な打算を胸に秘めあらすじを書こう。

空港で旅客機が占拠された。さらに中国から戦闘機で亡命を希望する人物が。さらに中国組織がその人物を狙い空港に攻め入りさらにさらにテロ組織まで入り乱れ空前絶無の三つ巴の乱戦が幕を開けるのであった。さらにその事件は二つで一つの事件で──!?

とかなんとか書いて見ちゃったりしてー。

感想 ネタバレ無

どっちかというとスプライトの方が面白かったかな。っていうか向こうが基点になっているような感じがした。オイレンは向こうに合わせて動いているような。といっても厚さが違うからしょうがないかな。おもしろさの密度が違うのは。あっちは小話も入っていたし。

ここでついに二つの物語が多少入り混じるわけですが、入り混じって初めて分かったのだが、たくさん入り混じらせると内容がほとんど同じにならねえ!?って事で。そんな当たり前の事実に4巻まで気がつかなかった自分に愕然としつつオイレンの方を読んでいた。これから先、どちらを先に読むか、というのが最大の問題点になりそうである。

多分、先に読んだ方を面白いと感じる、はずだ。5巻と6巻が出て完結だという。5巻はオイレンで6巻はスプライトから読もう、とかそういう適当な読み方でいこうかしらん。

また、今までもちょくちょく触れてきたレベル3というものの謎が、やっぱりこれまたじょじょに明らかになっていくわけで。しかしレベル3っていうのはあれだな、もう通常のレベルを超えてスーパーサイヤ人とかそういうレベルの戦いになってきてるな。このままスーパーサイヤ人5ぐらいまでいったように、気合いと根性で

「うぉぉぉぉレベル10だああ」「なにぃぃぃ、まさかレベル10を使いこなすやからがいたとはああ」どがーんばきーん

とかそういう展開になったら凄い面白いのだけれども、絶対にそういう展開にはならないよね・・・。大体転送っていうシステムがあるし・・・。

しかしなんでこいつらみんな髪に猫耳みたいなのつけてるんだ?い、いったいどういう意味があるんでせうか?あと表紙で陽炎が持っているライフルが、コンパスに見えて思わず笑ってしまった。ていうかなんかイラストが気に喰わない。

自分にイラストが書けるのならば、技術論的に難癖つけられるのかもしれないが、まったくの無知であるからしてなんとなく気に喰わないとしか書けない。

つまるところ、自分に出来ない事をやっている人間の作品をけなすな、というさも常識論ぶった反論は上のような理由から来ているのだろうか。
知らない、出来ない以上、感情論的に気に喰わないというしかない、だから出来ない事を批判するのをむかつく、と考える人間がいるのだろうか。

まぁそんなこといったら漫画が面白くないなんて言えなくなてしまって、それこそ何にも面白くなくなってしまう。やはり気の向くまま毒を吐く人間も必要なんじゃないだろうか。

ってそんな事はどうでもよくて。

やっぱりというかなんというかスプライトと対照的に、やはり地を這う部隊だけにどこまでも血なまぐさい話だ。どちらかというと個人にピントを合わせて書いている感じがする。陽炎とミハエル隊長の話しかり、夕霧と白露しかりどちらもスプライトの3人組みのリーダー以外の2人よりはしっかりを書かれている。

じゃあスプライトは3人のチームという観点で書かれているのだろうか?
問題としてはオイレンの方にはない微妙なチームの連帯感がある。それを考えるとチームという観点で考えられているといってもいいんじゃないだろうか。

って同じ事を過去のエントリで書いたような気がする。学習しないやつだ。というか前に進めないやつだな。同じ事を何回も考えている。

またレベル3の話がたくさん出てきた。それもまた興味深い。

ネタバレ有

こいつらのレベル3時のユニフォーム全員下乳が見えるんだけど何なの・・・?相手を誘惑でもしようとしてるの・・・?
そんな描写あったっけ。
ていうかやたらとエロいな・・・。悟空が本気だすと上半身裸になっちゃうのと一緒か・・?

陽炎の武器がライフルからファンネルになっちゃうしちょっと悲しい・・・。

夕霧がどこからどうやってワイヤーを射出しているのかうまく想像できなかった。

しかしこいつら本当に血みどろになりながら戦っているな。陽炎は体中触られるは、涼月はどれだけ体吹っ飛ばされたかわからんし、夕霧なんか死ぬ一歩手前とか。確かスプライトの方の損害は最後まで全員元気だったのになんという差・・。

基本的にいつもオイレン3人組みの方がひどい目にあっている。

まぁ空を飛びながら戦うのと地面駆けずり回って戦うのとじゃ、また全然違うか。だから同時に読むとスプライトの方がぬるま湯につかっているように感じてしまう。ただ空を飛ぶ能力を得た代わりに味覚障害が起きているからそれを考えれば・・・どっこいどっこい?

今回の事件でお互いの部下がお互いの隊長に好意を持たせるような描写が交換されたが、これはついに次の巻で完全に部下チェンジ的な展開になるとみていいのだろうか。

夕霧だけどっちとも接触していないけどな。


 「自分のふがいなさを他人のせいにするな。人生はこんなものだと決めつけるな。心に抱いたものを信じて前へ進み続けろ。どれほどの挫折の中でも──真っ直ぐ前へ。お前が誰よりも胸を張って自慢できる、その大人顔負けのガッツがあれば可能なことだ」


今まで充分に猪突猛進で、前にしか進んでこなかったように見える涼月だが、この言葉でさらに前にしか進まなくなったのではないか。ていうかこれ以上猪突猛進にするよりも、もうちょっと横に動くとかいう動きを教えた方がいいんじゃないかと思うのだが・・・。どうみても香車です、ありがとうございました。

羽生善治が、コンピュータが将棋でプロに勝つようになったら香車を横に動けるようにすればいい、と一言言っていたというが、うむ、横にも動けるといいね、という感じである。

なんだか涼月が異常に精神的に強くなってしまいそうな予感がある。冬木?だっけ? にあなたの心は僕が守ります、なんていわれちゃって本当に異常に精神的に強くなってしまったんじゃないだろうか。特に、握れ──といいながら、レベル3になっても正気を失わずに自分の心を握り続けて戦うシーンは鳥肌物。

鳳との対比としては、どう考えても涼月の方が強くなりすぎ、という感じがするのだがこの釣り合いはどうやって取るのだろうか。

5巻が待ち望まれる。

2008 7/11 読了