基本読書

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トップラン〈第5話〉最終話に専念/清涼院流水

 なんだか異常なまでにミレニアムにこだわるのと、ミレニアム以前に書かれた作品とミレニアム以降に書かれた作品のクォリティの違いにひょっとして流水大先生は21世紀になってもはや燃え尽きてしまったのではないだろうかという思いが尽きない。本当に21世紀を楽しみにしているんだなあとどの作品を読んでいても感じる・・・。それはもう多分余人には想像もできないほど一人で盛り上がって、ひょっとしてそのまま燃え尽きてしまったのではないか。次に御大が本当にやる気を燃焼させるのは22世紀になる年なのではないだろうか。まあともあれミレニアム前に書かれているトップランは今のところ面白い。パパさんのせいでバレなければイカサマ有ルールだということが明らかになってしまった上で、いかに真面目な恋子がイカサマをするか、もしくはイカサマ有ルールだと知ったうえでまっすぐに勝負するかが一つの焦点だったわけだけれども、イカサマでありながらまっすぐな問題というなかなかうまいところをついてきたのがまず面白い。うまいのだが盛り上がり的にはたいしたことないなあ。一番盛り上がるべきである決断の瞬間の前に、長々と回想が入るものだからさすがに白けてしまった。

 そしてそのあと、パパさんがいかに凄い存在かの説明が延々と続くのだがその後のパパさん離脱フラグっぽく思えてしまってみょうにのめり込めなかった。実際離脱したし。圧倒的強さを誇るチートキャラはやはり駆逐されてしまう運命なのか。あとがきでは1巻よりも2巻が、2巻よりも3巻が、つまりどんどん盛り上がっていくように書いていると書いているけれども、盛り上がりという意味ではやはり四話の方が優れていると思う。前回はなりをひそめていた、今年はこんなことがあってあんな事件も起きましたこんなのもありました、という長々とした無意味なNEWSの羅列が復活してしまったのだ。というよりも正直このNEWSの羅列さえなければ四話と同じぐらい盛り上がっていたような気がするのだが・・・・。いやいや、まあこの無意味なNEWSを含めてのトップランシリーズなのだからこんなこと言っても仕方あるまい。さてさて、トップラン第五話、最終話に専念これにて閉幕である。