もはやミステリーだとはとても言えない
森博嗣のGシリーズである。確かこれも十冊刊行予定だったっけ。これで七冊目なので、残りは三冊である。とてもじゃないがあと三冊でこの一連の流れにケリがつくとは思えないので、まだまだ堪能できそうだ。それにしても、今年の刊行予定にもGシリーズ最新作は載っていない。この続きが読めるのは恐らく来年ということになるのだろうか? 忘れちゃいそうだなあ、と思う反面重要な事実というのはそれほど多くない。なんというか、全てがあやふやなまま進んでいくのだが、それにもかかわらず読んでしまうのが不思議だ。そもそもいつもの面々がいったい何を求めているのかがわからないし、
真賀田四季が何をやっているのかもあやふやなままだし、とりあえずの決着がついた加部谷海月の関係が少しすっきりしたような感があるだけで、
五里霧中である(誤用か?)。逆に言えば何もかもがあやふやなままでも読ませてしまう
森博嗣の凄さとでもいうべきか。半分読んだところでいったいこのやりとりがどこに向かっていくのかさっぱりわからなくて退屈しそうになったのだが、見透かしたように謎が少しずつ解きほぐされていき非常にうまいというか、心地良いというかなんというか。