基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

アイゼンフリューゲル

アイゼンフリューゲル (ガガガ文庫)

アイゼンフリューゲル (ガガガ文庫)

 ニトロプラスでの御馴染みのコンビ(虚淵玄中央東口)ということで非常に楽しみにしておりましたアイゼンフリューゲルです。クォリティに関しては全く心配していなかったのですが、やはり素晴らしい出来。ページを開いて文字を読む前から虚淵玄だなあとわかるのはさすがという他ないでしょう。ひょっとしたら作者の名前がわからなくて、さらには文字を読むことすらできなくてもページを見ただけで虚淵玄だ! とわかるかもしれません。というのも漢字が多く、その漢字の使い回しも無理なくかっこええんですな、虚淵玄は。また世界観がとてもいい! 読む前に何の情報も仕入れていなかったのですが、本書はファンタジーであります。ドラゴンがいる世界観で、その世界で飛行機がレシプロ機からジェットエンジンに移り変わるその瞬間を書いています。

 最初はドラゴンとスピード比べをする場面から始まります。なので普通に速さに命を賭けた男──ドラゴンとどちらが早いか!? みたいなそんなシンプル熱血ストーリーなのかなあんと思っていたのですが、いやはや、後半に行くにつれ話は重く、黒くなっていきます。速さを求めるのは男のロマンだ、とかそんな簡単な話では、ありませんでしたねえ。どうやら続編が出るようで、一巻ではまだ多くは明らかにされません。このシリーズが目指しているものは何なのか──それは何となくわかりますが、まだ不確定要素が多すぎます。いったい何が起こるのか、果たしてハッピーエンドになるのか、気になるところは多いですが期待して待ちたいところ。たったの220ページ…なのですが密度が濃い一冊です。