基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

橋本治と内田樹

橋本治と内田樹

橋本治と内田樹

 言うまでもなく対談本です。ここ最近狂ったように両者の本を読んでいる自分の中では、とてつもなく面白い一冊でした。なんだろう、全然混ざり合う様子が見えなくて、実際混ざってないんですけど面白いんです。「シャーロックホームズvsコナンドイル」とか「コナンvsルパン」とかそんな感じです、vsとはいっても、内田樹がこの対談の中ですることといえば、相槌を打つとか「これこれこういうことですよね?」とまとめに入ったときに橋本治から「違いますよ」と一刀両断されるとか、「たじたじする内田樹」という非常に珍しいものが観れました。
 だって内田樹っていっつも偉そう(笑)じゃないですか。そんな内田樹がたじたじしているのだから、そりゃ面白いです。笑えます。げらげら。で、たじたじってのはどういう状態かってのを解説するとですね、たとえば現代国語について二人が語っているところがあるんです。そこで橋本治は、「作者は何が言いたいのか」という問題にシンクロするのが嫌だといい、内田樹はシンクロするのが得意だという。そこで内田樹が、橋本治にレクチャーを開始するんですな、先生、現代国語は「書いた人間」と「出題した人間」と「解く人間」の三人がいるんです! つって、「解く人間」にシンクロするんですよ先生! とかなんとか。それを橋本治

 橋本 そんなことできないですよ。だって俺、好きじゃない人に頭を合わせられないから(笑)。
 内田 いろいろともう……面倒の多い人ですね!(笑)

 もうね、爆笑ですよ。正直内容に真新しいところはありますけど、ほとんどは二人の本を読んでいればどこかで言っていたことす。ぐだぐだしていて二人の会話は全然噛み合っていなくて、内田樹と名前がバーンと出ているにも関わらず塔の本人はほとんど相槌をうっているだけ、などなど対談としては結構ひどいのかもしれませんが、なんといってもそこはスタープレイヤー二人ですから、ミーハー根性で楽しませてもらいました。対談というのは実際、対談している人間のファンでないと楽しめませんよねー。深い話をするには対談は向いてませんし、何が面白いのかっていったら、「あの二人が喋ったら何が起こるんだ…?」っていう化学反応的なわくわく感。そういったわくわく感をこの二人は提供してくれました。また本書は「橋本治とは何か」を解明するのをテーマとしているのですが、橋本治という存在は本当にとらえどころがない。おかしなところだらけで、把握はほとんど不可能です。しかし「橋本治のどこが凄いのか」は結構わかったかもしれません。そのうち書きます。