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空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法+大不況には本を読む

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

 こちらは今日発売の「空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法」。タイトルにも、そして表紙にもでかでかとうつっているアンパンマンのような小飼弾氏の顔が目印。目次を読めば紹介する必要は一切ないといういつも通りの小飼弾氏の本で、特に何も書くことはないです。これを一冊読むと、「あ〜〜本読みてぇえ〜〜」という感想を持つと思いますけれど、そんな人のために巻末に「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」が収録されています。非常になんだ、読者思い、先読み上手、まあその辺ですね。いやしかし「読み終わった時にもっと本が読みたくなる」という感想を持つのは、「読書本」としては最高の褒め言葉ではなかろうか。そしてなぜ「読み終わった時にもっと本が読みたくなる」のかといえば、内容が素晴らしいというよりも(内容も素晴らしいです)、著者が本当に「本を読むことを楽しんでいる」ことが伝わってくるからではないか。ぼくらは往々にして何かを始めるときは「それが面白そうだから」と錯覚してしまいがちだが、「やっている人が楽しんでいるから、それは何だろうと思って」やる方が正しい、と思う。「これ面白いよ!!」と薦めてくる人がいるとして、ぼくらは「どこがどう面白いのか」というのは実はあまり聞いておらず、「どれだけ熱を込めて話しているか」だけを見ている。つまりこのにこやかな笑顔でこっちを食い殺さんとみているアンパンマンみたいな男(なんだと)の確固とした人生を成り立たせているは、本を湯水のように読んでいるからなのだろうか、と考えたときにすでに読書への一歩を踏み出しているのです。

 まあそんなこと置いといて、とりあえず目次でも。(とりあえずちうか、これだけでええんやけど)
目次─#空気本_ - 紹介 - 「空気を読むな、本を読め。」より引用

はじめに
1章 本を読め。人生は変わる
人生の8割は遊べ
不況だからこそ本を読め
テレビを見るな!
新聞は紙くず同然
あなたはホントに忙しいのか?
女よりも情報に飢えるべし
情報で溜まったクソを排泄せよ!
本は衰退していない
2章 本を読め。答えは見つかる
ファミコンよりも本は魅力的
本は水である
読書は「天才」への最短コース
空気を読むとバカになる
現代をサバイブする本
「古典」は入りやすいし、おもしろい
人生を変える“難解本”の読み方
読書を血肉化する方法
3章 「手」で読め。そして「脳」で読め
まず本は「手」で消化せよ
ノンフィクションは構造を読め!
ノンフィクションは「早く」読め!
フィクションの読書とは旅である
読んだら「外」に出す
「外」に出すテクニック
本に付箋を貼るな!
人間ならば「脳」で読め
「停止ボタン」を押すな!
1時間で10冊読む超読書法
4章 本を読んだら、「自分」を読め
クソ本を踏むのも一興
ひきこもって本を読め
「読書しりとり」のススメ
6冊読めば、世界がわかる
クソ本は青汁だ
クソ本が売れる理由
右翼のバイブルは『資本論
ケチをつけながら読め
5章 本は安く買え。そして高く飛べ
安い本で肩ならしをしろ
ハードカバーはいい迷惑だ
本棚は下着よりもセクシー!?
お金よりも本を浪費せよ
大前提! 本は“商品”である
フィクションは文庫がいい
フィクションの「不都合な真実
フィクションのダイバーシティ
本の表紙は嘘をつく
6章 エロ本も読め。創造力を養え
「全米が抜いた!?」
キャッチコピーはエロ本にまかせろ
エロには「溺死」の危険性が!
官能小説で養う「創造力」
7章 マンガを読めば「世界」がわかる
マンガの2つの「穴」
出版社の手口におちいるな
ひとつの作品に囲い込まれるな
ハマる作品は自分で選べ
「資料価値」を見逃すな!
おわりに
小飼弾が選ぶ最強の100冊+1

大不況には本を読む (中公新書ラクレ)

大不況には本を読む (中公新書ラクレ)

 こちらは橋本治による読書本です。出たのは2009年6月10日ですので、わりと最近のものです。240ページ程の本にも関わらず、本についての話がラスト30ページでしか出てこなかったりと(あとの210ページは全部経済の話)常識破りの一冊ですが、こちらも素晴らしい一冊です。210ページを費やして書かれているのは「大不況とは何なのか」であり、最後の30ページに書かれているのは「本を読むとはどういうことを言うのか」です。

 小飼弾氏の本でもそうですが、結構みんな「本を読め」というわりに「どうやって本を読んだらいいのか」を詳しく教えてくれないのです。「本を読んでも考えなかったら本を読んだことにはならん」とみな口をそろえて言います。しかし「考えて読むとはこういうことだ」を教えられる人はあまりいません。橋本治はやはり例外というかなんというか、そこのところをしっかりとカバーしてくれています。「考えて読む」とは「書かれていないことを読む」ことだと。「本を読もう!」と思い立った人間が読書法を読むのは有益かもしれませんが、「本を読むなんてバカラシーゼ!」とかいってしまうようなバカはそもそも読書法なんてものを読みませんからね。「そ、そうか! だから俺は本を読まないといけないのか!」という価値観の転換を起こすのは、橋本治の役目な気がします。

 結局どちらも言っていることは「不況でヒマなんだから本を読んで色々考えろよていうかべつに不況じゃなかったとしても本を読むヒマぐらいつくれんだろ本読めよ」つーことです。現代は「経済が発展への打ち止めを食らってしまった」世界であり、「未体験ゾーンを突っ走っている」状態なのです。「前例がない時代」をどうやって生きていったらいいかと言えば「空気何か読んでないで本を読め」ということになります。誰も答えなんて知らないのだから、自分で考えないといけない。空気に同調する先に正解はないのだから。

 なぜ今本を読まなければいけないのか、考えながら本を読むとはいったいどういうことなのかが分からない人は「大不況には本を読む」を。考えながら本を読むとはどういうことかわかったけれど、でもそんなのむりだよーとか思ってしまう人は「空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法」をどうぞ。読み終わったら、もっと本が読みたくなります。