基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

『宇宙ショーへようこそ』を見たよん

なるほど神アニメじゃねーの。

かみちゅの監督、というだけの情報を仕入れた時点で我慢できずに観に行ってきました。それに宇宙大好きですし。ええ、まあ月の裏にとんでもなく栄えた宇宙都市があったり、特にSF的な理論付けもせずに光速を超えたり、とファンタジー宇宙のような感じなのですが、むしろその分想像力が無制限に発揮されていて良かったです。そうだよね、月の裏には都市があるし、光速ぐらい簡単に越えられるよね。

凄いなぁと思った事のひとつは、情報量の多さです。

とにかく画面が動く。動き続ける。そして喋る。喋り続ける。特に最初の方の場面などは、誰かと誰かがしゃべっている後ろでまた別の誰かがしゃべっているといった感じで、え?え?どっちを聞けばいいの? と混乱してしまうぐらいです。それ以降も、しょっちゅう場面が代わり、その都度新しく多種多様な形をした宇宙人が出てきて、動きまくります。

小学生五人が夏合宿で、学校に集まるところから物語は始まります。そしてひょんなことからケガをした宇宙人(見た目は完全に犬な上名前はポチ)と出会い、助けてもらったお礼、ということで最年長である清くんの修学旅行に月旅行へ連れて行ってもらいます。しかし月に行ったはいいものの、地球に戻れなくなって──。

おしいなぁと思うのは、目的がよくわからないままに、流されまくる時間が多い事です。最初はほとんどなし崩し的に月へ行き、そのままなし崩し的に地球へ戻る為にアレコレと始め、次第に大きな物語へと巻き込まれていく。その大きな物語の最中にも、倒すべき敵、そして敵とポチとの語られるあるテーマが、事前に語られることなくぽん、っと出てくるので結構びっくりしました。

ただ、その分本当に一つの映画としてはあり得ないぐらい多くのことをやっていてその点にもびっくりしてしまいます。たとえば最初の田舎で、学校にみんなが集まってくる場面はサマーウォーズかみちゅを彷彿とさせますし、そこで持ちあがるある問題、まあ主人公の女の子が、いとこの女の子のうさぎを誤って逃がしてしまうんですけど、その問題も含めた三つが、お話の軸になっています。

1.「宇宙をおびやかす敵との戦い」という後半から現れる大きな問題と2.「宇宙にいったはいいが地球には帰れない」という問題と3.「姉妹の間の些細な確執」という大きな問題、中くらいの問題、そして一番小さな個人間の問題という実に対照的な描き方で、先程語ったような「おしいなぁ」と思う部分はそのまま「良いなぁ」と思う点と重なっているんですね。

大きな問題ではそのまんま、宇宙的なスケールと、スターウォーズ的な戦いの緊張感が。中くらいの問題では、みんなで力を合わせて何かを成し遂げる、堅実な達成感が。小さな個人間の問題では宇宙にいっても人間の変わらない部分の描写として、それぞれ楽しみ方が違うんですよね。最終的のその三つが全て解決した時のカタルシスはやはり、このごちゃ混ぜ感あってこそだなぁと思うのです。

やはり映画館で見てこその、画面の情報量の多さだと思うので見るのだったら映画館でみたほうがええんじゃないかなあと思いました。BDで凝視しながら見るのも、楽しそうですけどね。