基本読書

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勝手に選ぶ君主論から名言10個

なんとなく「有名だから」という、選挙で何も考えずに谷亮子さんに入れてしまうような適当さを発揮してマキャヴェリ君主論を読んでみたのですが、これが言う事は単純明快で、ゆえに面白い。26章からなる「君主として国を治める為の方法」が書かれている訳ですが、1章が短ければ1ページで終わってしまう事もありますし、さらさらと手軽に読むことが出来ます。ついでに君主の心構えもわかってしまうという優れもの。

人間心理を的確に表す表現の数々は、読んでいて笑いが止まらなくなります。なので、僕が個人的に良いと思った場所を勝手に抜き出していきます。本当は1章ずつまとめていこうかと思ったのですけど、『よいこの君主論』というわかりやすい解説も出ていることですし、やめておきます。

1.民衆は邪魔だったら消してしまうに限る

 民衆というものは頭を撫でるか、消してしまうか、そのどちらかにしなければならない。というのは、人はささいな侮辱には仕返ししようとするが、大いなる侮辱にたいしては報復しえないのである。したがって、人に危害を加えるときは、復讐のおそれがないようにやらなければならない。(p16)

マキャヴェリの考え方の根底にあるのは、「君主は恨まれてはならない」ということである。なぜなら、一度恨まれてしまえば贈り物を送っても懐柔しようとしているとしかとられない上に、簡単に内応、革命、または他国の軍を引きいれる結果を招くことになってしまうからである。

君主が恨まれることになる最大の理由としてマキャヴェリは、一つ目に金銭や名誉を略奪することであるといい、二つ目に臆病で、決断力がないこと、というのを挙げている。世の多数の人は自分の持っている物が奪われなければ結構幸せに暮らすし、決断力がない君主だとナメられて、陰謀をたくらむやからが増えてしまうのである。

話を元に戻してまとめれば、要するに、一度恨まれてしまったならば、「やるなら手加減するな、一気に殲滅せよ。それこそが残酷さのりっぱな使われ方である」と言っているのである。

2.名君は将来を見通さなければならない

 危害というものは、遠くから予知していれば大作をたてやすいが、ただ腕をこまねいて、あなたの眼前に近づくのを待っていては、病膏肓に入って、治療が間に合わなくなる。(p18)

3.できるだけ大きな人物を模倣しよう

 人間はおおかた、他の人がかつて歩んだ道を踏みしめ、先人の行動を模倣しつつ進もうとする。それでいて、先人の道を違わずに踏み、目標の人物の力量にまで到達することはできない。そのために、賢い人間であれば、先賢の踏んだ足跡をたずね、並はずれた偉人をこそ、つねに範とすべきであろう。(p41)

4.君主は民衆を味方につけなければならない

 平和な時代に、市民がその政権を必要としているときの上辺だけを見て、それを鵜呑みにしてはいけない。なぜなら、平時にあっては、誰もがみなはせ参じたり、約束してくれる。死がはるか彼方にあるときは、誰もが、わが君のために死をも辞さない、と言ってくれる。だが、いざ風向きが変わって、君主がほんとうに市民を必要とするとき、そんな人間はめったに見つかりはしない。(中略)
 したがって、賢明な君主は、いつ、どのような時勢になっても、その政権と君主とが、市民にぜひとも必要だと感じさせる方策を立てなくてはいけない。そうすれば市民は、君主にたいしていつまでも中世をつくすだろう。(p78)

5.人の力によって君主になるようなやつは、早晩国から追われるだろう

 「この世の物ごとのなかで、みずからの力に基づかない権力者の名声ほど、もろく、当てにならないものはない」とは、古来賢人が語ってきた見識であり箴言でもある。

ちなみにこれは「自国民の兵で構成された軍隊を持つべきか否か?」の問いに対する答えである。傭兵も、支援軍も、当てにならない、という結論である。

6.けちは君主の美徳である。

 気前のよさぐらい、あなた自信を蝕むものはない。(p.124)

気前の良さを売り物にして、「鷹揚だ」という評価を得ても、それはいづれ恨みに転化してしまう。なぜならば全国民に気前よくおごってやることは不可能だからだ。そうして貧乏になると人からさげすまれ、自分は強欲になり人から恨まれる。恨まれると国は滅ぶ。「けちだ」と悪評を受けるかもしれないが、悪評だけで済むのならば儲けものである。こうして君主は、「良い悪評」と「悪い悪評」を区別しなければならない。

7.恐れられるのと愛されるの、どちらがよいか。

 たほう人間は、恐れている人より、愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つけるものである。(p.128)

先程も書いたように、恩恵を与えている限りは、みんなが君主の意のままになり、色々な気のいい約束をしてくれる。しかしいざ助けを必要とする時になると、即座に逃げてしまう。しかしおそれられてさえいれば、処刑の恐怖がつきまとうので裏切られることはないのである。人間は愛、恩義よりも恐怖によって動く。

8.君主は狐とライオンに学ぶようにしなければならない

 理由は、ライオンは策略の罠から身を守れないからである。罠を見抜くという意味では、狐でなくてはならないし、狼どものどぎもをぬくと言う面では、ライオンでなければならない。(p.134)

9.衆望を集めるにはどうふるまえばよいか

 君主が衆望を集めるには、なによりも大事業(戦争)をおこない、みずからが類いまれな手本を示すことである。(p167)

この項は4「君主は民衆を味方につけなければならない」ともつながっているであろう。なぜ味方につけなければいけないかというと、ただシンプルに一番数が多いからである。ちなみに「類まれな手本」とは、困難を克服し、敵を倒す手腕をさす。

10.運命をどう制御するか

 人は、慎重であるよりは、むしろ果断に進むほうがよい。なぜなら、運命は女神だからだ。彼女を征服しようとすれば、打ちのめし、突飛ばす必要がある。運命は、冷静な行き方をする人より、こんな人の言いなりになってくれる。
 要するに運命は、女性に似てつねに若者の友である。若者は思慮を欠いて、あらあらしく、いたって大胆に女を支配するものだ。(p.190)


さてさて、10個適当に抜き出してみましたけど、どうでしょうねぇ。最後のなんかは「なに適当なこと言ってやがる」って感じですけど。運命については他にも、川にたとえた表現で氾濫すると大変でどうしようもないが、しかし事前に堤防を作っておくことはできる、運命とはそうやって対処するものだということもいっていて、「いいこというなぁ〜」と思ったりしました。(じゃあそっちを引用しろよ)

ちなみに参考にした一冊は↓以下の一冊です。あとはおまけ。

君主論 (中公クラシックス)

君主論 (中公クラシックス)

よいこの君主論 (ちくま文庫)

よいこの君主論 (ちくま文庫)

君主論 (講談社学術文庫)

君主論 (講談社学術文庫)