NT 10年9月号 冲方×富野 第3回 リアリズムの喪失 - シャア専用ブログ@アクシズ
これを読んで僕なりに思った事を適当にメモのように書いていきましょう。なんか書いてたら凄く当たり前のことだし誰もがそれぐらい把握しているよ、って感じだと思うので凄く恥ずかしいのですが……。まあそこは笑って見逃してもらえれば……。
上の内容は適当に読んでもらえばいいとして、簡単にまとめてしまえばアニメ、ゲームなどによる極端なビジュアル社会が私たちを現実から乖離させた思考に導いて行き、リアリズムでものを考えることができなくなっている、そしてその先は全体主義に行くつくということらしいです。
僕が思ったのもまあほとんど一緒なんですけど、世の中にゲームアニメ小説そして言わずもがなのネットと、極端に娯楽、物語が溢れかえった結果、ものを考える力を失ったことも当然ある。だけどそれ以上に現実逃避する場が与えられすぎた、というのが一番大きいんじゃないかということ。リンク先でも言っていますけれどもアニメや小説、ゲームというようなものは基本的には逃避行動なんですよね。現実からの逃避としてそういったものを受容する。文字を追ったり映像を見ている間はつらい現実のことは忘れることが出来る。
昔はそれこそ演劇だとか、小説だとか、とにかくそういった物語は限られていたはずでしょう。今だって限られていると言えば限られているけれども、しかし膨大な数の物語が日々出てきている。恋愛で失敗したらラブプラスかエロゲーに逃げ込めばいいし、勉強が大変だったり人間関係がつらいというような青春にありがちな悩みがあればラノベでも何でも読めばいい。
「現実」をとるか、「二次元」に生きるかとかいうのはSFだと仮想世界ものでいくらでも書かれてきたわけですけれども、あれが絵空事じゃなくなっているのが現代なんだなーと思ったんですよね。現実でいくら評価されなくてもアニメゲームに浸りきって生きていけばそこそこ幸せだしそれでいいじゃないかと。たとえば勝間和代さんと香山リカさんの対立なんかがまさに現代を表しているんじゃないかな。
といってもどちらの本も読んでないんで適当なんですが、勝間さんが現実でどう生きるかを説き、香山さんが今のままのあなたで大丈夫、安心しなさいと説く、そういう「今のままで妥協して逃避し続ければいい」かもしくは「辛くても現実に生きなければならない」というのが現状だとそこそこ大きなテーマなのじゃないかという気がする。
もちろんこれはどっちかを選ばなきゃいけないとかいう問題じゃ全然なくて、適度に逃避しながら現実と立ち向かっていけばいいとは思うのですけど、今流行る物語っていうのはやっぱりこのあたり共感できるように作られているんじゃないかなーと思いますね。たとえば二次元世界から現実に戻って行ったABだとか、まるっきり完全な理想郷で二次元にいったっきり帰ってこないようなけいおん! とかね。
まあ一つ言えるのは二次元につかりすぎるのもよくないし、現実に立ち向かいすぎてうつ病になるのもよくないよねっていう話で、「俺たちに翼はない」の中で印象的なセリフがあったんですけどそれが確か「逃避は逃避でも、逃避先から何かを得て帰ってくることが出来ればそれは冒険になるんだ」ってかなりうろ覚えですけど。
コミケだけが現実みたいな人の話もよく聞きますけど、そんな感じで逃避は逃避でも何かを得たりしながらバランスよく逃避すればいいんじゃないかなと思いました。
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