基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

境界線上のホライゾンで僕が面白かったところ

こっからは僕が読んでて面白いなー凄いなーと思ったところをあんまりネタバレしないようにちょっとだけ書いて行きます。たぶんもう一回ぐらいエントリを書くはず。

1.歴史上の人物が入り乱れる

歴史を再現するとはいっても、当然過去とは違うわけであって何もかも完璧にいくわけではないんですよね。その為に存在するのが「襲名制」というやつで、役に相応しい人物が歴史上の人物を担当するのです。

で、信長とか本多忠勝とかが出てくるわけで、実際とは全然違うんですけど名前が出てくるだけでもなんか燃える。超燃える。

2.必殺技を放つ時にブリーチの卍解みたいに超叫ぶ。

超叫びます。たとえば蜻蛉切とかいう結構強い武器を使う人が居るんですけど、この蜻蛉切には特殊能力があるのですよ。超中二なんですけど、刃に相手の姿がうつったら相手のことを切断できるとかそんなのだと思う。で、その技を発動する時に「結べ。──蜻蛉切り」とか言っちゃう。しかも相手を切断するだけじゃなくて、事象も切断できる。距離とか、方角とか。たぶん雨とかそういうのもで、そんときは「結び割れ。──蜻蛉切り」とか言っちゃう。超かっこいい。

3.能力の設定がイカス

ひとりひとり神との契約によって能力というか術式が使えたりするのだけど、それが割とバリエーション豊かで面白い。たとえば主人公の葵・とーりの能力は能力の伝播。自分自身の能力を他者に伝えることができる。ハンター×ハンターの念能力に似ていて、それぞれみんなタイプ別に色々な能力を持っていて、代償を多く払えば多く払うほど巨大な力を使う事が出来るようだ。

4.単語と要素と世界の作り込みに燃える

 神道、仏道、カトリックプロテスタント、ムラサイ、英国協、露西亜聖協、輪廻道、七部一仙道、魔術、剣術、格闘術、銃術、騎馬、機動殻、武神、機獣、機凰、機竜、航空戦艦、人間、異族、市民、騎士、従士、サムライ、忍者、戦士、王様、貴族、君主、帝王、皇帝、教皇、極東、K.P.A.Italia、三征西班牙、六護式仏蘭西、英国、上越ロシア、P.A.ODA、清、印度連合、金、権利、交渉、政治、民意、武力、情報、神格武装、大罪武装、聖譜顕装、五大頂、八大竜王、総長連合*1

ここまでやったらもうゲームにしちゃえよw と読みながら何度も思ったけれどしかしまあ小説でやれるなら小説でやってもいいのでしょう。神格武装とか大罪武装とか超燃えるし、八大竜王とか超かっこよくないですか? 機鳳とかわけわかんないし武神はロボット物だしいったいどれだけの要素を詰め込めばよいのだ……。

架空の世界を一つ作るというのは、大変なようでいて結構簡単な作り方もあります。というか細かく作りこもうと思えばいくらでも作りこめるし、逆に簡単に書こうと思えば簡単に書けるのがフィクションにおける架空の世界ではないでyそうか。たとえば大雑把な概略だけを示すならば、最悪名前だけでいいわけです。○○国みたいな。

しかし本気で作ろうと思えば成立過程から法律、技術、人種、人口、およそ現実の国と世界を成立させているありとあらゆる要素を考えこまなければいけない。本書というか川上稔氏が毎回大変ぶっとんでおるのはその作り込みを極端にやってくるところで今回も一から十まで全部作り込んである……。

1の上巻裏返しには「A4-780ページに及ぶ文字で埋め尽くされた設定資料を作成し、担当編集を泣かす」*2とあって、その異常さが数字に表れている。

5.その他

その他ってなんやねん……! ただまあとにかく他はセリフが熱くキャラが個性的で展開が燃え、さらには物語の解釈的な意味でも非常に面白いと言うちょっとネタバレがすぎるんじゃないのという感じなので次に回します。

次のエントリでは物語のネタバレをしながら解釈について。今日はもうねむいから明日か明後日。

*1:一巻下700p

*2:1巻上カバー裏返し