SF作家の円城塔先生が読書メーターで読書記録をつけているのですが、たまに簡単な一言コメントをつけていて(すばらしい、とか圧倒的だ、とか)これが結構な精度で埋もれた良書を見出してくれるので、僕は個人的に大変読書の参考にしておるのです。
今回は勝手にそのまとめです。独断と偏見で選定しているのと僕が読んだ本はリストしていないのであまり気にしないように。ちなみにこれは第二回ですので、その続きからです。前回→円城塔が読書メーターで良著判定した本まとめ - 基本読書
「──」←の後ろが、円城塔先生のコメントになります。
1.ザナドゥーへの道──奇蹟的に素晴らしい。
2.楽しみながら知性の鍛錬 ガードナー傑作選集 - ゲーム,パズル,マジックで知る娯楽数学の世界──良著だが訳はひどい。
3.やんごとなき読者──ああ、これは良い本だなあ。
4.アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータ──良著。
5.機械という名の詩神―メカニック・ミューズ──絶賛します。
6.忘れられた日本人──すごすぎてうまく考えられない。
7.夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル──十年ぶりくらいにいいもの読んだ。
8.世界でもっとも奇妙な数学パズル──かなり良著。結構ハード。
9.ブラックホールを見つけた男──良著。チャンドラセカールと、星と核にまつわる人々伝。迷妄に沈むエディントン。
10.建築する動物たち ビーバーの水上邸宅からシロアリの超高層ビルまで──良著。
11.忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私──凄まじい。実在の超記憶症候群者の自伝。「記憶の人フネス」を超えている。
12.かくして冥王星は降格された―太陽系第9番惑星をめぐる大論争のすべて──定義論争裏表。良著。
13.まぼろしの王都──読み終えるのが惜しい本。
14.バレエ・メカニック──すごかった。
15.幼女と煙草──素晴らしかった。
16.死者の軍隊の将軍──素晴らしかった。
17.エクスタシーの湖──大傑作。但し最低限、真夜中に海がやってきたを読んでおくこと。
18.バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?──かなりの良著。ところによりハード。部分的に法螺。
19.ミドルワールド 動き続ける物質と生命の起原──良著。
20.古書の来歴──素晴らしい。
21.非線形な世界──複雑系ほぼ唯一の成書。怒りなしには読めないが。名著。
22.反直観の数学パズル―あなたの数学的思考力を試す14の難問──良著。
23.SARU 上 下 ──素晴らしい。圧倒的だ。
24.数字で世界を操る巨人たち──良著。
25.一万年の進化爆発 文明が進化を加速した──大変論争的だけど、必読としてよいのでは。
26.カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 ──日本おわた。
27.円朝芝居噺 夫婦幽霊──素晴らしかった。
28.ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方──良著。群論の解説書ではなく、数学エッセイ集。
29.偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活──素晴らしい。凄まじい。もの凄い。
30.知覚は幻 ラマチャンドランが語る錯覚の脳科学──素晴らしい。
わー読む本が増えたぞー(白目)
しかしここにある本を全部読み終わっているころには、円城塔先生はさらに何十冊も読んでいるというこの事実。もう二度と追いつけない。どこにも追いつく必要なんてないんですがね!
とりあえず『偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活』は、いつも一言しかないコメントが、「素晴らしい。凄まじい。もの凄い」と三言コメントになるぐらい凄かったようなので、これを読んでみようと思いました。
偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)
- 作者: A.R.ルリヤ,天野清
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/10/16
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