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基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

調べる技術・書く技術

もうひとつのブログの方に小説の書き出しって重要だよねーという話を書いていたらわたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのDainさんに書き出しに8割の力を注げという本があるよといってこの『調べる技術・書く技術』を教えてもらった。この場を借りて(はてなから)お礼を申し上げます(相手の家まで行け)ライター必携「調べる技術・書く技術」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

で、読んだら面白かった。7.8割の力を注げという本書の書き出しがどのようなものかというと、『あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を紹介するのが、本書のねらいである。』とある。単純明快な内容説明で、実際中身もこれとまったくブレていない。テーマ設定、資料をどのように集めるか、インタビューのアポ取り、さらには御礼状依頼状の送り方、インタビューの技術、執筆の際の心構えから、現地でどのように情報を集めるかまで……。

かなりびっくりしたのが、「マジでジャーナリストに向けて書いてる!」ってこと。読み始める前はよくある適当に「ネットを使って情報収集だ〜!」とかそういう「ふーん」としか言えない一般化しすぎてむしろ誰の役にも立たないような薄い本なのかもなあと思ってたのだけど違った。本当に「これからジャーナリストとして本気でやっていく人の為に」あるいは「駆け出しジャーナリストの為に」書かれていて、「この本がターゲットにしているジャーナリスト志望者は少なすぎて売れないんじゃないか!?」と心配してしまったぐらい。

でも、インタビューの際に持っていくものリストや取材依頼の作法のような「恐らく自分にはずっと関係が無いだろう事柄」がやけに面白い。なんでだろう。たぶんこんなに具体的に知ることがほとんどないので嬉しいのだ。「エロスは隠されているからエロスなのだ」というが(僕が今言った)普段見えない部分が見えるというのは知的興奮を呼ぶ。さらには資料の集め方、インタビューでの相手の話の訊き方なんかは、実生活にもそれぞれ個別に役に立つ。ジャーナリストはたしかに在る程度までは「技術」なのだ。

他の人にも適用可能かどうかよくわからない技術以外の部分も面白い。インタビューの終盤、「これは訊かないほうがいいのではないかという質問がある。そのようなためらいを抱かせる質問があったら、必ず訊くことだ」などという部分は「自分なら直感を信じて訊かないな〜〜」と思っていただけにびっくりした。なんでもその部分にインタビューの核心部分がしばしばあるそうだ。これはどの程度信頼するかは別として、かなり念を入れて強調していたので記憶に残っている。

あとは最初にも書いたような「書き出しに8割の力を注げ」か。書き出しが決まればその後の文章はスムーズに流れていくという。ふむふむ。たしかに。読者にとっても作者にとっても大事だ。しかし考えてみれば読者の目に真っ先に入ってくるのは本のタイトルであったり、あるいは雑誌の場合だったら見出しだろう、という気もする。「タイトルの付け方」なんかも、教えてほしかったなと読み終わった今思った。

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)