基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

英語と日本語のあいだ

さいきん英語を勉強する気がまったくないのにも関わらず英語学習やらなんやらについて書いた本をもそもそと読んでいます。この本もその過程で読みました。現在のコミュニケーション英語を重視する風潮へ、「日本人英語学習者はいかようにして英語を学習するべきなのか」を書いて反乱を起こした一冊……といえそうです。そこまで大げさなもんでもないし、「スゲー!!」って感じの本でもないですが。

なんでも文部科学省が2013年からの高等学校の新指導要領では、コミュニケーションを実際のものに近付けるために英語の授業は英語で行うことを基本とするそうです。これに著者は反論するわけですが、主な主張を簡単にまとめてしまえば、1.週に五、六時間先生が英語を話して生徒が英語を話したぐらいで身に付くと考えるのは楽観的過ぎる。 2.英語の文法表現を英語で教えるには、日本語に比べて説明に時間がかかりすぎる。

要するに、「基礎」が重要だというわけです。文法を理解し、単語の読み方を理解して初めて英語を聞くこともできるようになる。そしてその為には、「読み」を教えることこそが重要なのだ、そう繋がっていきます。『まずきちんと文法を学び、読む力を蓄え、聞く力を養うことである。学校の教室では、生徒たちが独力では学びにくいと感じるものを、優先して教えるべきである。それがまさに「文法・訳読」に他ならない。口頭練習は自分でもできる(p.225)』

まったくだなあと思いました。正直右も左もわからない状況で授業を英語でやられても困惑するわ。ただ僕は大学の授業がこの方式だったんですけど、話をするのには慣れたかもしれません。本書でもその方式自体は否定していないし(基礎をおろそかにしていきなり段階を飛ばすのを危惧しているだけで)。ただ聞く力が養えたかどうかは正直さっぱりわかりません。そのあと初めて海外に長期滞在した時最初何言っているのかひとっつもわからなかったし。

あと幾つか英語学習の本を読んできて、やっぱり順番としては「1.最初に在る程度文法の基礎を叩き込む」「2.文法の基礎を叩きこんだら簡単な子ども向けの本を読むなどして、わからない単語を辞書でひきながら文脈単位で意味を把握する」てな感じがいいのかなと思いました。凄い地道な作業……。

英語と日本語のあいだ (講談社現代新書)

英語と日本語のあいだ (講談社現代新書)