基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

斬り介とジョニー四百九十九人斬り

『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』

タイトルのまんま。斬り介とジョニーが四百九十九の盗賊をひたすらたたっきってくだけ。それもバガボンドのようなリアリティのある斬り合いではなく、ただただ爽快に斬っている絵を見せる為だけにリズミカルにリアリティを皆無にしコミカルに斬っていく。首は飛び腹は割け剣は絶対に折れないし斬り介とジョニーは別に何も哲学的な問題に悩むことも無く苦戦することも無く盗賊の首を飛ばす。

あまりにも斬り合いの描写はばかばかしいのだが、しかし爽快感だけはある。あとコマ割が凄まじい。ただ「衝撃的に斬る」ことと、「スピード感」の二つ以外は、いらない、と宣言するかのように他の部分を切り捨ててただコマを割っていく。ざくざくと大ゴマで今まで見たこともないような描写がされていく。

描いた人は榎本俊二という方らしい。僕はあまり漫画を読まないので詳しくない。有名な人なのかもしれない。

そうそう、ぴったりの例えを思いついたけど、なんかむかしの、ファミコンとかの時代のゲームみたいなのだよね。スペランカーとかみたいなさ。あれ、目的とかほとんどないじゃない。マリオとかみたいな。ただ目的地へと向かって飛んだりはねたりしながらよくわかんない化け物を踏んでいって、それがなんか気持ちいのね。

あと、なんの主義主張もない感じが素晴らしい。ただ斬っていくだけだから。目隠しして耳栓したらすぐに眠りの世界にいけるように、「ただひたすら斬っていく描写を読ませる」っていう、その一点だけに集中していて、それだけの割り切り方って結構出来ずらい気がする。何かって言うと要素を足したくなっちゃうものだから。

あとには「なんか凄かった」っていう感覚しか残らないけどでも世の中には「読んでも何も思わなかったし全然凄くなかったし時間を返してほしいしついでにお金も返してほしい」って思う作品がいっぱいあるから「なんか凄かった」って凄い。

斬り介とジョニー四百九十九人斬り (KCデラックス)

斬り介とジョニー四百九十九人斬り (KCデラックス)