基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない

ビジネス書ブームの分析や、ビジネス書事態の分析。後はタイトル通り。自明のことを延々と語っているだけなのでかなり退屈な本だけど、今はこういう本も必要ということだろう。ビジネス書を買い込んで自分を追い詰めたり、もしくは自分を高いレベルの人間だと思いこんでいる人をみるのは悲しいので、そういう人が一人でも少なくなってほしいと思う。

ここからは余談(ほとんどだな)。金持ちになったり、事業で成功している人達の理由を知りたいと思った時に、一番最初に思いつくことはそうやって目標としている人達が「共通して何をやっているのか」ということだろう。そこまでやる人は大勢いる。世に溢れかえる自己啓発書もそんなものだ。中にはそれすら出来ずに自分の自慢話に終始するものもあるように思うが。

しかしもう少し詳細に分析したいと思うのであれば、「成功しなかった人達」も「成功した人達の共通項目」を持っていなかったか? と考えてみる必要がある。「朝五時に起きて、集中できる間にカフェにいって勉強!」とか「フォトリーディングで月に50冊本を読もう!」と成功者達は言うが、成功していない人達もやっている人は大勢いるのではないか?

ちなみに僕もフォトリーディングなんて出来ないしやろうとも思っていないが、50冊とは言わないまでも30冊ぐらいは月に読む。が、まったく成功していない。お金はいつも足りないし、文章も視点もつまらない物しか出てこなくて悲しくなる。もっとユーモアも欲しい。成功者となるには、足りない物がいっぱいある。

どうも我々は因果関係の誤謬に陥りやすいみたいだ。AのあとにBが起こっただけならば、Bの原因がAだとは限らないのに、AがBの原因だと思い込んでしまう。成功者とみなされている人が「本をたくさん読んでいる」とみれば、「本を読んだから成功したんだ!」と因果関係を間違える。ひょっとしたら時期的にただ運が良かっただけかもしれないし、その人の周りに優秀な人がいただけかもしれない。

あるいは幼少時から続けていたピアノが脳に特殊な影響やインスピレーションを与えてうまくいったのかもしれない。ようするによくわからない。たいていウケて、流行る成功譚は物語として信じこみやすく、よく出来ているものだ。でもそれは物語として面白いだけで、正しく因果関係を説明できてなどいないのだ。注意しよう。

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)

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