基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

まなめ『カリスマニュースサイト管理人が15年続けたシンプルな情報収集術 (impress QuickBooks)』

Kindleがさっき届いたので試し読みの一冊目に選んでみました。情報収集について読みやすく、伝えたいことが詰まっていて余計な情報を排除された凝縮した内容。たぶん一冊の本にはならないぐらい短いけれども、Kindle本だとこうやって短いけど凝縮したものが出せるのがよいですね。

まず『情報収集は何のためにするのか』という「根っこ」から話をはじめてくれるので安心できます。根っこがあるかどうかっていうのは、良い本の共通項なんですよね。たとえば「情報収集術」に書いても、「なぜ情報収集するのか」が書かれていないと「けっきょく何の意味もないじゃん」とその後に続く文章が全て無駄になりかねないわけで。

まなめさんによれば情報収集の目的は「正しい行動を取るためにするもの」だと考えているといいます。人のとりうる行動には限界があり、人がとった行動を情報として取得することでもっと良い結果が出せる、さらには多数の人間の視点から情報を得ることで多様性を得ることが出来る。「年収を2倍にしたい」と思ったら「年収を2倍にするため」の情報を収集しなければいけないわけです。

ただネット上の記事はクズばかりで僕はほとんど読みません。Twitterすらつぶやきはするけど、ぶっちゃけ人の発言はフォローはすれどもまったく読んでなかったり(僕にフォローされている人がいたらごめんなさい)。だから僕はネットで情報収集ってのは今までほとんどしたことがないのです(これは嘘なんだけど)。

しかし『インターネットで情報収集するときに必要なたった一つのこと』の箇所では「自分で情報を探そうとしたらノイズを受け入れればよい」と書いていてなるほどと思いました。『ゆえに、インターネットという量が質を生み出す世界で情報収集するには、数多くのノイズを許容することが必要になってくるのです』

一方でノイズもうまく使えば価値を生み出すようになるのでこれからの時代本当に重要なのは「いかに溢れかえっている情報を編集するのか」という編集の技術なのかもしれないですね。たとえばNttコミュニケーションズは「Buzz Finder」という日本語のツイートを全て取得し、口コミや顧客の反応のリアルタイム分析といった「ノイズの編集」を行なって商売にしています。

ただ普通に接しているだけではノイズであるものを活用することができるようになったのもビッグデータを扱うだけ技術レベルが上がってきたことでしょう。⇒ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める - 基本読書 ビッグデータの活用は個人ではまだ無理なのであれですけど。

本書のよい所は最初に述べたように「情報収集」における根っこをちゃんとおさえてくれているところでしょう。「なぜ情報収集するのか」から始まって、「情報収集するときに必要なたった一つのこと」は何よりも情報収集する為の手法として一番最初に関わってくる部分です。その後に書かれる情報収集技術も、広く普遍可能なもので悪くいえば具体性にかけるものですが、抽象的な方が「多くの人間に」役に立つのです。

情報収集の根っこをおさえておくのにとてもよい一冊だと思いました。まなめさんには是非、次は編集について書いてもらいたいですね。