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基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

SF BOOK SCOPE第三号『SNS疲れの行きつく涯ては——デイヴ・エガーズ『ザ・サークル』』掲載しました

お仕事告知

第二号に続き第三号も出ました。ただいま無料掲載期間中になります。

今回はデイヴ・エガーズの『ザ・サークル』について。SNS疲れの行きつく涯ては――デイヴ・エガーズ『ザ・サークル』|SF BOOK SCOPE|冬木糸一|cakes(ケイクス) 

以下ボーナストラック的な
読んだ時に思ったことについては記事に基本的に書いているので特に追記することもないのですけど、洋書でベストセラーリストに載るような本を読んでいると「グーグルとかアップルとかのシステマティックで大学のサークルみたいな職場環境にみんな憧れがあるんだなあ」と錯覚してしまうことがある。「理想的な職場にいる人」として魅力的に描かれていることがめっぽう多い。実際は職場環境の本読んでるとあまり効率的でもなさそう(無駄な施設があったり形骸化しているルールがいっぱいあったり)で「どうかなあ」なんて思うんだけど。

日本でもどちらかというと「憧れ」として捉えられてはいるのかもしれないけど、でもそれはやっぱり遠い場所の出来事といったかんじで身近なモノ、自分たちが目指すべきものという認識はあまりないのではなかろうか? 意外とそうでもない? 職場環境については諦めが蔓延しているようなのが実感としてありますがね。だいたい毎日満員電車で押しつぶされて死にかけている人間がまず求めるのはサークルのような職場環境などではなく快適な通勤生活だとかそういう話かもしれない。

cakesの方には書かなかったこととしては大ネタの一つとして東浩紀さんの『一般意志2.0』的な民主主義の合議制をID管理された個々人が一瞬で決議できる本当の意味での直接民主制的なシステム設計にたどり着くんですよね。基本的に話の設計はそこに流れ込むようにして構築されているので序盤から中盤にかけて展開に強引なところがある。だけど大ネタまでいくと「ああ、これがやりたかったからあれとかあれとかをねじ込んだのか」と納得できる仕組み。書かなかったのは余計な説明が増えて文字数が肥大化していくのと一般意志2.0と絡めて語るにはデリケートな部分(発想が似ているだけで丸々同じわけではないし)なので扱いに困ったというのがある。あと大ネタはできれば読んだ時に「おお」と思って欲しかったし。ただ当然ながらレビュウの段階で惹きつけるなら書いたほうがいいことでもあり、ブログで書くときはあまり考えないんだけどけっこう気を使いますね。ここで書いてしまっているわけだが。

あと三週間連続で掲載されているので「毎週とは思ってませんでした!」と驚かれたりするんだけど僕も三週間連続で掲載されて驚いてます。そして別に「毎週掲載しましょう」と最初に打合せたわけでも途中で打ち合わせたわけでもないので、毎週載り続けるわけではないというのが僕の認識です。僕の連載を目当てにcakesに入会しました! と言ってくれている方も何人かいて毎週掲載されると勘違いさせてしまっていたら申し訳ないなと思ったり。早くいっておけばよかった。まあ何分始まったばかりで方向性も何もこれから固まっていくでしょうからゆるりとご観察ください。

あとあと、他の連載について。大森さんの平井和正『狼の紋章』とその時代|大森望の新SF観光局・cakes出張版|大森望|cakes(ケイクス) エッセイが毎週読めるのは素直に嬉しい。あとは2010年代のベストSFは?【国内篇】|2010年代のベストSFは?|SFマガジン|cakes(ケイクス) と2010年代のベストSFは?【海外篇】|2010年代のベストSFは?|SFマガジン|cakes(ケイクス) も。然しこうしてみると傾向がばらっばらでなんというか読者側の許容範囲の広さと作家の底力を感じるなあ。 毎度おなじみのアンシブル通信は『虐殺器官』50刷決定の2月第1週|帰ってきたアンシブル通信|塩澤快浩|cakes(ケイクス) 冷徹なページビュー格差なる記述が恐ろしい! 完全に格差をつけられている側じゃないか! とはいえ騒いだところで仕方がなくやることを一個一個ヤラねば。ではまた掲載された時にでも。

ザ・サークル

ザ・サークル

  • 作者: デイヴエガーズ,Dave Eggers,吉田恭子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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