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ランス10、第二部をクリアした人用の雑談記事

ランス10

ランス10

ランス10を第二部までクリアした後、ちまちまと一部を回ってまだみていないイベントを潰したり食券イベを読み進めていたのだけど終わってしまった虚無感がひどいのでその虚無感を薄めるためにとりとめもなく完全ネタバレ感想でも書こう……。

たかがゲームだろうという気持ちもなくもないんだけれども、でも何年もそのゲームを楽しみに、そして楽しんでやり続けてほとんど人生の一部となってしまって、十年以上の付き合いになるキャラクタ達と別れたくないという気持ちばかり湧いてきてしまう。ランスの最後の「俺を見てるか」も、見てるに決まってんだろ、っていうか、今までずっと見続けてきたよって涙を流しながら答えるほかない。

そもそもなぜ虚無感がひどいのかといえばシリーズがランスの老衰による死によって完全無欠に終わってしまったせいではあるが、仮にこれがなくて、その前のシーンで終わっていたとしたらそれはそれとして「これならまだいくらでも続きが出せるじゃん」となって永遠にランスは解放されず求め続けてしまうだろう。虚無感はだいぶマシになっていたかもしれないけれども。個人的に第二部は最高のシナリオだったと思うけれども、それはそれとしてずっとシリーズに付き合ってきたのだから「こんなこともあったらいいなあ」とかいうのはずいぶんたくさん湧いてくる。

エンディングの話

最後のエンドロールで涙腺が完全に決壊するというか涙腺が決壊しすぎて文字が読めないので何度も(親友イベントも集めつつ)周回してみるのだが、みるたびに虚無感が増していくのでもはや精神的な修行のようになっている。10年以上に渡ってランスの次作、そして完結する時を楽しみに生きてきたのだから、もうここで終わりですよと言われても困るとしかいえないんだよなあ……無茶な話ではあるが。

EDはなんてことのないほんわかイラストのようにみえて情報量もけっこう多く、たとえば途中からシィルがランスの横からいなくなっているから最後に出てきたシィルはランスより長生きしたシィルじゃなくて魂的なアレなのではないかとか。そうだとすれば最後の最後のシーンは、肉体が死んだ後も二人で一緒なんだなあ……と思えて本当にしみじみと泣ける。あとシィルの孫だかひ孫だかがいて本当によかったなあ……とか、なんでかなみは第二部で省かれてしまったんや……とか。リアが王位をなかなか譲らなかったのはなんでなんだろうなあ(親バカみたいなものでまだまだ任せられんと思っていたのか、王位に執着したってことはないだろうが)

この世界、年齢を若返らせる方法もあるのだからランスには歳をとらずに冒険し続けるという選択肢もあったのだろうが、ランスはそれを選ばなかったんだなあとか。爺さんになったランスは性欲が枯れるということはあるのかなあとかいろいろ考えてしまう。最後の冒険や途中の冒険は自分が抱けない子どもたちとの冒険になっているから枯れていてもおかしくなさそうな気もするし、枯れるわけがないだろうという気もするし。クエルプランは最後の最後まで付き添ったんだろうなあ。

などなど無数の考えが浮かんできて、しかもそれらに明確な答えが与えられることは今のところないというのがまた虚無感を増幅させるのであった。せめてランスと一部の人たちのその後がもう1ターン分ぐらい描かれていたら気持ちが落ち着いたんだろうけど、それはまた望みすぎか。ランスは復活してからシィルに告白して、いつものランスっぷりをみせつけてあっという間にいなくなってしまったからなあ。冒険が楽しかったと告げた時のクルックーの笑顔のCGも最高以外の感想が一切出てこないんだけど、それはそれとしてランスシリーズを締めくくるのはランスとシィルの一枚CGであってほしかったという気持ちもある(一枚CGではあるんだが)

恋愛譚では男女が告白して告白OK/NGが決まってしまうと一瞬で物語が終わってしまうのでそこに何らかの障害が設置されているのが普通なんだけど、ランスの場合は”ランスという、ある局面では極端に素直になれないキャラクタ”そのものがその障害になっている。そして、人生最大のピンチでようやくそのあまりにも重くて強い障害が取り払われ、本当の意味でお互いが通じ合えたというのがまた(鬼畜エロゲーなのに)純愛物として完成度が高いよなと思うラストであった。

ランスを中心としたこの世界を冒険する物語

第二部のメインとなるストーリーについて、批判的な人もいるようだが単純に子どもたちのやりとりも楽しくて、僕は完全に賛の立場。ただ、ランスシリーズは当然ランスの物語、エロゲーなのだから”ランスが全然出てこないうえにエロも(CGが)ない”という点で批判するのはもっともだなあと思う。個人的には、ランスシリーズは同時にルドラサウム世界自体の物語だと思っていて、子どもたちが新たな世界秩序のルドサラウム世界を楽しく冒険し、”この世界を閉じる”、こともまた、このシリーズの射程の範囲内としていいんじゃないのという立場ではある。

一貫してゲームに対してのメタ的な視点を持ち続けたこのシリーズが、これまで傍観者であったルドサラウムをゲーム内に取り込んで「あなた=ルドサラウム≒ゲームプレイヤー」に対して語りかけ、話しかけてきて終わるというのもシリーズの締めくくりのひとつの可能性として十分にふさわしいものだと感じる。十何年も追いかけて、自分の人生の一部がもはやルドサラウム世界に取り込まれてしまっているのだから。「自分をゲーム内に取り込もうとするんじゃない、ランスの活躍がみたいだけなんだ」という感想が出てくるだろうというのはわかるところはある。

何はともあれただの感想をいうと、子どもたちがみんないい子で良かったなあ、みんな楽しそうで良かったなあとターン冒頭の日記を読むたびに泣いてしまう。新しく人に出会って、危険な目にもあって、喧嘩もして仲直りもして、まだ観たこともない、経験したことのないことを経験していく──それはそのままランスの冒険を通した楽しさでもあって、シリーズを通してここまでやってきた冒険は、どれも本当に底抜けに楽しかったんだよなあ……としみじみ最後の選択肢に収束・回収されていくのであった。ランスや第一部の人たちの話がもっと読みたいとは思うものの、”ランスを中心としたこの世界を冒険する物語”として完膚なきラストなのだ。

おわりに

それはそれとして追加ディスクはやりたいし真鬼畜王もやりたいんだが……。別の形のエンディングがあるならそれもぜんぜんみてみたいし、何よりあのスタッフロールで描かれた状況のどこかをピックアップしてもらってもいいし、外伝扱いでもなんでもいいからランスの物語がまだまだ読みたいよーーーー。子どもたちの話でももちろんいいのだけど、もうあんまり大きな事件は起こらなそうではある。

ヒロイン人気投票やったらさすがに今回はぶっちぎりでシィルが一位になりそう。次点でまそーさんか……。さて、食券イベントの回収に戻るか……。ちなみにこの食券イベント、サブストーリー集というかほとんど本篇並の質があるのでまだ読んでない場合はちまちま読むのをオススメ。ロッキーのイベント3とか普通にぐっとくるんだよなあ……。
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