基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

旧文明が滅び、ヴィクトリア朝風の地下世界が興った世界──『墓標都市』

SF

墓標都市 (創元SF文庫)作者: キャリー・パテル,Kanehira K,細美遙子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/07/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る本書『墓標都市』は、旧文明が〈大惨事〉によって滅び、人類が地下世界へと潜って生き延び…

編集:森博嗣──『MORI Magazine』

MORI Magazine作者: 森博嗣出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2017/07/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る『MORI Magazine』は森博嗣さん編集の雑誌──という体裁の書籍である。分類的にはエッセイ本になるだろうが、他にもインタ…

基本読書10年目に突入しました。

7月24日に突入しました。 plaza.rakuten.co.jp 10年という数字に意味はありませんし、ここから何かが変わるわけではないですけど、これまで書いたことがなかったことでも一応書き残しておこうかと思います。 このブログはいかにして駆動されているのか この…

フィクションとしてのSF、幻想文学史──『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』

SF

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史作者: ルスタム・スヴャトスラーヴォヴィチカーツ,ロマンアルビトマン,Roman Arbitman,梅村博昭出版社/メーカー: 共和国発売日: 2017/06/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るかなり狂った本である。端的に…

最近イチオシの海外ファンタジィ──『風の名前』

風の名前 1 (キングキラー・クロニクル第1部)作者: パトリックロスファス,中田春彌,山形浩生,渡辺佐智江,守岡桜出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/03/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る本書『風の名前』は、キングキラー・クロニクル…

無根拠なサイエンスノンフィクションを見分けるためのいくつかのやり方

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/06/29メディア: 新書購入: 3人 クリック: 146回この商品を含むブログ (76件) を見る今日は本当はとある一冊のサイエンスノンフィクションについて書こうと思っていた…

墜落するプライベートジェット、生き残った二人のヒーローが直面する現実──『晩夏の墜落』

晩夏の墜落 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ノア・ホーリー,川副智子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る晩夏の墜落 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ノア・ホーリー,川副智子出版社/メーカー…

『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?』を神経科学的に解き明かす。

人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?作者: エリエザー・J・スタンバーグ,水野涼出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2017/06/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?』という書名からはトンデモオカルト本の香りしかしない…

分子から生態系にまで作用する普遍的なルール『セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか作者: ショーン・B.キャロル,高橋洋出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2017/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「果てしなく広がる平原」の意味を持つ「セレンゲティ」国立公園ではキリン…

アニメとはまったく違う、乙野四方字の『正解するカド』を──『正解するマド』

SF

正解するマド (ハヤカワ文庫JA)作者: 乙野四方字,東映アニメーション,野?まど出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見るTVアニメ作品『正解するカド』が、先日賛否両論を巻き起こしながら終了した。否定的な意見…

戦争をテクノロジー、物理法則から理解する三冊

戦争、それは人類の最も悲惨な自己破壊である。この世界には無限のリソースはなく、人間は感情的に理屈に沿わぬ意味不明な行動を起こすことがあり、人々は時に計画的に、時に勃発的に、他国に対し戦争行動をしかけることになる。そうしていったん戦争がはじ…

未来のゲームをレビューする──『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』

SF

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム作者: 赤野工作,石黒正数出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/06/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見る著者の赤野工作さんは、ニコニコ生放送でいわゆる世間的に評価の悪かったゲームのレビューをしてお…