基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ジェット推進研究所でひたすら計算し続けた女性たちがいた──『ロケットガールの誕生: コンピューターになった女性たち』

ロケットガールの誕生: コンピューターになった女性たち作者: ナタリアホルト,秋山文野出版社/メーカー: 地人書館発売日: 2018/07/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見るジェット推進研究所(JPL)、という、NASAの中でも無人探査機などの研究開発に関…

うなぎ絶滅後の世界──『うなぎばか』

SF

うなぎばか作者: 倉田タカシ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る2013年に絶滅危惧種に指定されて以来ニホンウナギがマジでやばいことはだいぶ浸透してきたように思うが、まだま…

あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』

好き嫌い―行動科学最大の謎―作者: トムヴァンダービルト,桃井緑美子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るあなたは何色が好きですか?と聞くと大抵の人はペラペラとこんな色が好きですと…

今年も素晴らしく質が高い年刊日本SF傑作選──『プロジェクト・シャーロック』

SF

プロジェクト:シャーロック (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)作者: 大森望,日下三蔵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/06/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るはい、毎年恒例日本のSF短編から質の高いものを選びぬいた年刊傑作選が…

蜜蜂が絶滅した世界──『蜜蜂』

SF

蜜蜂作者: マヤ・ルンデ,池田真紀子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2018/06/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る2009年に刊行された『ハチはなぜ大量死したのか』は衝撃的な一冊であった。原因不明の「蜂群崩壊症候群」によって2007年春までに北…

データ分析の失敗が社会にもたらす害悪──『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』

あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠作者: キャシー・オニール,久保尚子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2018/06/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る個人の信用度、職務遂行度、性格診断、投資モデルなど我々は…

なぜギャンブルにハマってしまうのか──『デザインされたギャンブル依存症』

デザインされたギャンブル依存症作者: ナターシャ・ダウ・シュール,日暮雅通出版社/メーカー: 青土社発売日: 2018/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るギャンブル依存というと「依存するほうが悪い。とっととやめればいいんだ…

なぜ、宇宙を目指したのか?──『天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?』

天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/06/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る細胞を入れ替えることによって人間が寿命による死を乗り越え、人間とは…

サウス・セントラル・ロサンゼルスのシャーロック・ホームズ──『IQ』

IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジョーイデ,熊谷千寿出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る日系アメリカ人であるジョー・イデによる『IQ』は、黒人を主人公に据え、『ベイカー街の脳をサウス・セントラル…

皮肉と冗句と類まれなる洞察が横溢する、起業からFacebookまでの激闘IT戦記──『サルたちの狂宴』

本書『サルたちの狂宴』は、ゴールドマン・サックスでクオンツとして経歴をスタートさせ、シリコンバレーで起業した会社をTwitter社に売却し、Facebookにジョインした著者による激闘の日々を綴ったIT戦記である。起業し売却しFBに行ってとその経歴は華々しく…

ビル・ゲイツが絶賛しオバマ前大統領が楽しんだ本格宇宙SF──『七人のイヴ Ⅰ』

SF

七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: ニール・スティーヴンスン,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 新書この商品を含むブログを見るサイバーパンクの傑作として名高い『スノウ・クラッシュ』、ナノテクの発達によっ…

一篇の詩のような戦争文学──『奥のほそ道』

奥のほそ道作者: リチャード・フラナガン,渡辺佐智江出版社/メーカー: 白水社発売日: 2018/05/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る旧日本軍と大量の捕虜によって建設された泰緬鉄道は、コレラやマラリアの流行、休みなく続く過酷な労働状況と拷問…