基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

『三体』読了者は同著者原作の『流転の地球』も観るべし

SF

三体作者: 劉慈欣出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る『三体』を読了した流れで、劉慈欣の短篇「さまよえる地球(原題:流浪地球)」が原作となっている『流転の地球』をNetflixで観たのだけれども、…

絶望的な負け戦をどう戦うか──『NOKIA 復活の軌跡』

NOKIA 復活の軌跡作者: リストシラスマ,田中道昭,渡部典子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るノキア、復活の軌跡というけれど僕の中でノキアが復活したというイメージはまったくなかっ…

ゾンビ化が始まったが最後、緩やかに自我と身体が失われてゆく──『マーチング・ウィズ・ゾンビーズ ぼくたちの腐りきった青春に』

SF

マーチング・ウィズ・ゾンビーズ ぼくたちの腐りきった青春に (ジャンプジェイブックスDIGITAL)作者: 折輝真透,うえむら出版社/メーカー: 集英社発売日: 2019/06/19メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る第四回ジャンプホラー小説大賞の、初の金賞受…

中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』

三体 (ハヤカワ文庫SF)作者:劉 慈欣早川書房Amazon『三体』とは! 中国の作家劉慈欣によって書かれたSF三部作の第一部目にして、中国国内だけで三部作累計2100万部を刊行し、さらに日本でも人気のケン・リュウによる翻訳によってアメリカの歴史あるヒュー…

抽象絵画とかぜんぜんわかんねぇ、という人にこそ読んでもらいたい──『なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門』

なぜ脳はアートがわかるのか ―現代美術史から学ぶ脳科学入門―作者: エリック・R・カンデル,高橋洋出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見るなぜ脳はアートがわかるのか。そんなことをいうと、「いや、そもそも…

人口の99.9%が冬眠をするようになった極寒の世界──『雪降る夏空にきみと眠る』

雪降る夏空にきみと眠る (上) (竹書房文庫)作者: ジャスパーフォード,Jasper Fforde,桐谷知未出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2019/06/27メディア: 新書この商品を含むブログを見る雪降る夏空にきみと眠る (下) (竹書房文庫)作者: ジャスパーフォード,Jasper…

言葉によって綴られた幻想の架空都市──『方形の円 偽説・都市生成論』

方形の円 (偽説・都市生成論) (海外文学セレクション)作者: ギョルゲ・ササルマン,住谷春也出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る言葉によって綴られた幻想の架空都市──とお題が出されれば、幻想文学フ…

失われつつある世界をとらえるために──『世界の書店を旅する』

世界の書店を旅する作者: ホルヘ・カリオン,野中邦子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2019/06/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る世界中から本屋が消えている。無論、日本からも消えていて、自分が昔住んでいた街にたまに戻っても、自分が通って…

いかにしてNETFLIXは今のような企業になったのか?──『NETFLIX コンテンツ帝国の野望―GAFAを超える最強IT企業―』

NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業作者: ジーナ・キーティング,牧野洋出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/06/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る何年か前から、Neftlixに加入し続けている。観たいアニメが…

物語はどれほどこの世界に影響を及ぼしているのか──『物語創世──聖書から<ハリー・ポッター>まで、文学の偉大なる力』

物語創世:聖書から〈ハリー・ポッター〉まで、文学の偉大なる力作者: マーティンプフナー,塩原通緒,田沢恭子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るフィクション、物語とは言ってみれば架空の存在なわけだ…

現実とは何かが不明確になった社会を描く、森博嗣によるSF新シリーズ開幕篇──『それでもデミアンは一人なのか?』

それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/06/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見る森博嗣によって講談社タイガで刊行されていた、人間の生殖行為によ…

SFとして、小説としても圧巻の短篇集──『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』

アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/06/20メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る勇敢にも「世界初」と銘うたれている百合SFアンソロジーである。女性同士の広い関係性を扱う百合と…