基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

初心者から再読者まで、森博嗣の多様で自由な世界を示す10冊を紹介する!

本の雑誌に寄稿した「森博嗣の10冊」原稿を転載します。ちょこちょこブログ用に書き換えてます。あと、そんなにひねったラインナップにはなってないかと。強いていえば『スカイ・クロラ』が入ってないことぐらいかな。大好きな作品ですが、『ヴォイド〜』と…

今月の気になる新刊&いま読んでいる本

なんとなく今月の気になる新刊を備忘録用に羅列してみようかと。 ノンフィクション WORLD WITHOUT WORKーAI時代の新「大きな政府」論作者:ダニエル・サスキンドみすず書房Amazon『WORLD WITHOUT WORK AI時代の新「大きな政府」論』(みすず書房)。『労働が人…

男だけを殺す感染症によって男性人口が激減した時、社会はどのような変化を遂げるのか?──『男たちを知らない女』

男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF)作者:クリスティーナ スウィーニー=ビアード早川書房Amazonこの『男たちを知らない女』は、クリスティーナ・スウィーニー=ビアードのデビュー作にして、もし世界に男だけを殺す感染症が広まって、社会の構成要員がほぼ…

リバタリアンが集まる町を作ったら、そこは熊の巣窟になった──『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』

リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazon はじめに どのように人々は集まってきたのか? 自由な町にヤバいやつらが集まってくる。 リバタリアンらは町を良い方…

街なかの時計がすべて別の時刻をさすほどにルーズなブラジルと、時間に厳しいタイトな日本、何が異なるのか?──『ルーズな文化とタイトな文化』

ルーズな文化とタイトな文化―なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか作者:ミシェル・ゲルファンド白揚社Amazon世界は技術の発展によって、過去例にないほど密接に繋がるようになった。飛行機は世界中を行き来し(今は違うが)、インターネットは光速で世…

あなたの給料はなぜその額なのか?──『給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く』

給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く作者:ジェイク・ローゼンフェルドみすず書房Amazon自分が毎月いくらもらえるのかは、日本・世界経済がどうこうよりもよほど重要な目先のテーマである。だが、それ=給料はどうやって決定されている…

誰もがテレポートを実施でき、距離が存在しなくなった世界をどこまでも追求する、エネルギーに満ち溢れた四年ぶりのSFコンテスト受賞作──『スター・シェイカー』

スター・シェイカー作者:人間 六度早川書房Amazonこの『スター・シェイカー』は、三回に渡って大賞が出なかった(優秀賞は出てたけど)ハヤカワSFコンテスト久しぶりの大賞受賞作にして、いかにもデビュー作らしく、荒削りながらも圧倒的な才能を見せつけてく…

軍拡競争が過熱し、もはや何が敵の攻撃によるものなのかもわからなくなった未来を描き出す、スタニスワフ・レムの初邦訳長篇──『地球の平和』

SF

地球の平和 (スタニスワフ・レム・コレクション)作者:スタニスワフ・レム国書刊行会Amazonこの『地球の平和』は、レムの最後の長篇『大失敗』と同じ1987年に刊行された、最後から二番目の長篇SFとなる。レムの代表作の一つ〈泰平ヨン〉シリーズの最終作でも…

造語「メタヴァース」を生み出し、数々の起業家の世界観に影響を与えた伝説のSFがついに復刊!──『スノウ・クラッシュ』

スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF)作者:ニール スティーヴンスン早川書房Amazonこの数年メタヴァース=仮想現実が盛り上がっている。Facebookが社名を「Meta」に変更し、OculusQuestやVRchatが普及し、フォートナイトでのライブ・生活体験が当…

弾圧が行われているとされる新疆ウイグル自治区で、実際に何が行われているのか?──『AI監獄ウイグル』

AI監獄ウイグル作者:ジェフリー・ケイン新潮社Amazonこの『AI監獄ウイグル』は、近年弾圧が激しくなっているとされるウイグルで、実際に何が行われているのか、150人以上のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、元中国人スパイにインタビュー取材…

アルゴリズムを真の意味で使いこなすために重要な知識が書かれた『アルゴリズムの時代』からビル・ゲイツのSDGs本『地球の未来のため僕が決断したこと』までいろいろ紹介!

はじめに 本の雑誌 2021年11月号掲載分の連載原稿を掲載します。21年の12月号で連載は終了しているので、もうすぐ終わりですね。ちなみに本の雑誌の新刊めったくたガイド担当者は大森さんなど一部を除いて2年ごとに担当者を入れ替える制度をとっているようで…

地上とはまったく異なる常識が支配する海中洞窟の世界で、ダイバーが何を考え、見てきたのか──『イントゥ・ザ・プラネット』

イントゥ・ザ・プラネット作者:ジル・ハイナース新潮社Amazonこの『イントゥ・ザ・プラネット』は洞窟探検家、水中探検家の女性ダイバーであるジル・ハイナースによる冒険記だ。水中、それも誰も踏み入ったことがないような長大な洞窟の中では、地上とはまっ…