基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

後宮小説/酒見賢一

どんな馬鹿でも真実を語ることは出来るが、 うまく嘘をつくことは、かなり頭の働く人間でなければならない。 サミュエル・バトラー 感想 だ、騙された。還付金なきまでに騙された・・・。じゃなかった、完膚無きまでに騙された・・・。嘘の中に事実を混ぜる…

秘曲 笑傲江湖 第七巻 鴛鴦の譜/金庸

「力のない正義は無力であり、正義のない力は暴力である」 (パスカル) 弱い人間は弱い場所で暮らせばいい 将棋に限った事じゃない どの分野でも 上で戦うには 夢を見たいなら 才能 努力 なんでもいい とにかく 実際 テメェの 体の 中に ハッキリ 実力が必…

秘曲 笑傲江湖 第六巻 妖人東方不敗/金庸

ついにその姿を現した東方不敗。そしてその正体はまさかのオカマちゃんであった── ・・・・!?あまりにもオカマイメージが強すぎて、いかんせん全然強そうな印象を受けなかったものの、いざ闘い始めたらこれがまた鬼のように強い。まぁその鬼のような強さの…

秘曲 笑傲江湖 第五巻 少林寺襲撃/金庸

あ、あかんわ、面白すぎるわ。そしてどんどん強くなり、立場があがっていく令狐冲。立身出世もほどほどにな。この巻でも、死ぬ死ぬ詐欺令狐冲は絶賛死ぬ死ぬ中である。どうやらこいつ、ケガをしていないといかんと思うたちらしい、なんというドM。岳霊珊に…

夜市/恒川光太郎

死ね、この脇役!! 貴様の死を通じて人間的に成長してやる 神聖モテモテ王国 そういえばホラーてあんまり読まないな。ホラーていうか完全にファンタジーだが。表題作である夜市と、風の古道の二編収録。どちらも終わり方はハッピーエンドとは程遠い。そして…

秘曲 笑傲江湖 第四巻 天魔 復活す/金庸

感想 天魔復活す、というタイトルと十数年の間湖底の石牢に眠っていた恐るべき怪人が、復讐を胸に今甦るというあおりぶんを読んで、すわ魔王の復活か! といきせききって読み始めたものの、魔王復活じゃなくて非常に残念である。それに近いものではあるが。…

秘曲 笑傲江湖 第三巻 魔教の美姫/金庸

感想 げげごぼうぇ、めちゃくちゃ面白いじゃないか。気がついたら読み終わっていてそして何事もなかったかのように四巻を読み始めたぐらい面白いぞ。そして読み進めるたびにどんどん移り変わるこの展開! なんていうことか。そして岳不群の株がどんどん下が…

秘曲 笑傲江湖 第二巻 幻の旋律/金庸

感想 な、な、なんじゃ〜〜こりゃあああ滅茶苦茶面白いじゃないくわぁぁぁ。べっくりした、べっくり。というか、第一巻を読んだのが一年以上前ゆえ内容をほとんど覚えていなかったが、読んでいるうちにおぼろげながら思い出してきた。そうだったそうだった、…

言葉使い師/神林長平

SF

エピグラフ マリオネットたちに愛をこめて 人生とは記憶である だれの言葉だったか もう忘れてしまった 感想うーむ、マンダム。いきなり酷い話から始まる。スフィンクス・マシンだ。創造とは何か、芸術とは何なのかの神林長平風アレンジだ。いやしらんが。神…

狐と踊れ/神林長平

エピグラフ 踊っているのでないのなら 踊らされているのだろうさ 感想 しょっぱなからこんな作品を書いていたのかと思うと身がすくむ思いだ。なんて男だ神林長平。この頃から文体がほぼ出来上がっているように感じる。かしらん、も、もちろんある。なんてす…

親切がいっぱい/神林長平

SF

あらすじ宇宙人がくる。 感想 序盤は思ったより面白いぞ、と思い中盤で同じパターンの、というか延々と続く変わらない日常描写に飽きてきて、終盤でその変わらない日常というものも悪くないという気分にさせられる。 全く悪くない。いや、いい! 何もかも拍…

墨攻/酒見賢一

あらすじ 一人で何万かを相手に闘う。感想 先に映画を見ていたため、ストーリーは大体把握していたのだが、小説は要点のみを凝縮して、さらに情報もつまっており短いながらも充実度は濃い。最初映画に、一vs二万みたいなキャッチコピーがついており一人で…

泣き虫弱虫諸葛孔明 第二部/酒見賢一

あらすじ ぐんしー孔明率いる劉備組長坂橋の戦いを脱す。 感想 あぁ・・・・諸葛均が簡擁に毒されていく・・・。簡擁が誰からも好かれる、なかなか調子のいい人間だったというのは正史でもその通りだったようだが、酒見版ではみんなから好かれる=下ネタを連…

泣き虫弱虫諸葛孔明/酒見賢一

あらすじ張飛は快楽殺人者だし、関羽は春秋信者だし、劉備はヤクザの親玉だし、孔明はマジキチ。 感想 諸葛均悲惨すぎる。解釈が新鮮といえば聞こえはいいが、出来るだけ面白い方向に、うがってうがってうがり倒して読んでいるだけである。面白くなりそうな…

黒塚/夢枕獏

SF

あらすじ キリストがああああキリストがああああ 義経が吸血鬼になって世紀末覇者となる。感想 アニメ化するというので読んだみた。 しかしこれはあれだな。アニメ化成功するかしないかでいったら、成功しそうなタイプの作品ではある。映像化したらいっけん…

餓狼伝Ⅴ/夢枕獏

あらすじ 「ぬわわわわっ」 感想 ついにその実力の程を表したグレート巽。本名が巽真であることが判明する。二文字かよ! どうしてもイメージがイノキになってしまう。何故だろうか。ほとんどグレート巽の過去話である。楽しみにしていた長田vs堤は、不完…

餓狼伝Ⅳ/夢枕獏

あらすじ ぼこぼこ感想 「人はあまりにも似た部分を他人に見た時 まず自分を見てるようで恥ずかしさを覚える・・・そして・・・似た相手を徐々に徐々に消し去りたいと思うほど嫌悪する。この二人の戦いは フ・・・ 真っさらだ ココではそこが見られる 人間の素の姿 人…

Self-Refrence ENGINE/円城塔

SF

あらすじなんでもあり 感想 帯の推薦文が、飛浩隆と神林長平という、日本のSF作家の中で三人選べといわれたら確実に入るであろう二人である時点ですでにわくわくが抑えられなかった。これで駄作なはずがあるだろうか。いやもちろんあるだろう。何しろ推薦文…

パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ/ミチオ・カク

おもしろっ いつも思うのだが、これほどの知識を持っていて、SFを書きたいとか思わないものなのだろうか、こういう物理学者は。 本文のいたるところに、SFからの引用が見られる、無意味な引用じゃなく、難しい事象を説明するのに非常にわかりやすい。それにS…

太陽の汗/神林長平

SF

ぶっちゃけはっちゃけよく意味はわからない。あらすじ 古代ペルー人にとって 太陽は重要な神であり 黄金は聖なる物とされ 「太陽の汗」と呼ばれた かれらは貨幣を造らず 「文字」ももたなかった 感想カメラを通してみた映像は、一度変換されてからみたもので…

プリズム/神林長平

SF

エピグラフ あなたがいて わたしがいる 感想読んだ瞬間に電流が走った。念のため書いておくと別に電流に足が生えて走り出したわけではない。もう一つおまけに念のため書いておくと別にこれはまじめにいっているわけではない。 理由はわからないが単純に面白…

スローターハウス5/カート・ヴォネガット

SF

あらすじ これは失敗作である。そうなることは最初からわかっていたのだ、なぜなら作者は塩の柱なのだから。それは、こう始まる── 聞きたまえ── ビリー・ピルグリムは時間のなかに解き放たれた。 そして、こう終わる── プーティーウィッ? 感想 一番最初の文…

七胴落とし/神林長平

SF

あらすじ 誕生日おめでとう 感想 しょっぱなから神林節炸裂で安心する。何がどう、というわけではないのだけれども、予備校の悲観的な描写とか。何故予備校は太陽の熱で溶けてしまわないのか、とか普通考えない。いい感じにエロとヴァイオレンスである。SF…

順列都市/グレッグ・イーガン

SF

奇妙な読後感。今まで水滸伝とか三国志みたいな毒にも薬にもならないような、何も考えないでただ読んで楽しめばいいような小説を延々と読み続けてきていきなりこんなハードな話を読んだせいで頭がパンク寸前である。もっとリハビリしてからにすればよかった…

三国志読本 北方三国志別巻/北方謙三 監修

北方謙三に対するインタビュープラス人物辞典や地形の解説、用兵の解説、人物の解説。まぁ一番面白いのがインタビューだというのは当然として、地形の解説はあまり面白くなかったかな、あくまで個人的に。 地形の解説を読むなら、この三国志を読む前に読みた…

餓狼伝Ⅲ/夢枕獏

いけねぇ、いけねぇ、この堀部ともあろうものがついぶるっちまいましたわぁ・・・。 堀部 G線上の魔王 予想を大きく裏切られた複雑な感情・・・・・ 自分の予想通りにいかない''もどかしさ''と 予想通りにいかない''喜び''・・・ 今は ''喜び''の方が! 深道…

三国志の英傑たち/北方謙三

何を目的としているのかはあいまいだが、恐らく北方謙三が語る三国志の英傑という枠組みで大体あっているだろう。 主に正史と演義の話をし、その中で北方謙三自身が一体何を考えて自分の作品に反映させていったかが書かれている。 また戦術の解説であったり…

三国志 十三の巻 極北の星/北方謙三

感想 ネタバレ有ついに完結した。だが、本心を言えば不完全燃焼といった感が強い。孔明が自分の死すらも利用して敵を策にはめる話が無かったこともあるが、いや、それはいいのだ。この孔明はそれでいいと思える孔明だった。魏延を殺そうとしない孔明なのだか…

三国志 十二の巻 霹靂の星/北方謙三

ネタバレ有さぁついに十二巻である。孔明またしても策をミスる。お前、これで何度目のミスだよ! 一度なら偶然だが二度三度と起こればもはや必然という言葉を知らないのか。魏延が嫌いだからって、馬謖を使ってその馬謖が致命的なバカだったんだから仕方ない…

三国志 十一の巻 鬼宿の星/北方謙三

感想 ネタバレ有周瑜、思い返してみても凄い男だった。孔明と並び立ったものな。他の三国志じゃ、何故周瑜と同じ時代に孔明という存在を産んだのだ! といわれるぐらい孔明へのかませ犬的存在の周瑜だったのに。ってまぁこの巻と周瑜は別に関係がないのだが…