基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

哲学者たちの死に方

メタルギア ソリッド ピースウォーカー出版社/メーカー: コナミデジタルエンタテインメント発売日: 2010/04/29メディア: Video Game購入: 39人 クリック: 573回この商品を含むブログ (163件) を見る METAL GEAR SOLID PEACE WALKER つい先日出たばかりの、『…

1Q84 BOOK3

どんな小説にでも欠点というものはある。欠点が存在しない小説は存在しないといってもいい。なぜならそれを書くのは、欠点のある人間だからだ。なんていう意味ありげな書き出しで始めても特に意味はなく、かといってまったく意味が無いというわけではない。…

2010年21・22合併号のジャンプ感想

ONE PIECE 今週もカラー絵か……。尾田先生の仕事量はほんとハンパないな。何人いるんだよ、っていう話。尾田栄一郎と尾田栄二郎と尾田栄三郎の三人で描いているんじゃないの。一郎が漫画担当で二郎がカラー画担当で三郎はメディア関連や雑誌関連の広報の仕事…

『WORLD WAR Z』での日本人の扱いがヒドイ(いい意味で)

SF

WORLD WAR Z〈上〉 (文春文庫)作者: マックスブルックス,Max Brooks,浜野アキオ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/03/08メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (20件) を見るWORLD WAR Z〈下〉 (文春文庫)作者: マックスブルックス,Max Br…

ウォーク・ドント・ラン

約30年前の村上龍と村上春樹の対談本なのですが、これが二人の若さゆえの暴走感を頑張って言葉にしようとしている感じがあって、べらぼうに面白かったです。二人ともまだ若く、村上春樹氏も未だにジャズ喫茶を経営している時の話ですね。「書くことだけで食…

第9地区

いやー良かったです。個人的に現時点では、2010年度のナンバーワンの作品。突き抜けた面白さがあるというよりかは、一つ一つの要素を非常に丁寧に作り込んでいくことによって生まれる、完成度の高い作品でした。第一に、たとえばプロット。ぽんぽんとテンポ…

妹が作った痛いRPGシリーズが全部面白いぞ!

ニコニコ動画に流星のように突然現れたこのこの妹が作った痛いRPGシリーズですが、↑に張り付けたのでもう28作目、しかし作品ごとの繋がりはないのでどこからでも楽しむことが出来ます。そしてこのシリーズはなんと、ニコニコ動画にアップロードされるたびに…

Angel Beats!で一番の勝ち組は誰か

関東では今、三話まで現在放映が終了して、今夜四話が放送されます。ダイジェストの感想を書くと、一話がうむむという感想で、二話がおおーという感想で、三話が、えぇーという感想でした。意味が分かりませんね。なんかよくわかんないけど死後の世界で目を…

書くことについて〜

『ロボットとは何か』では、著者の石黒浩さんはロボットを作る意味についてこう語っています。「人間の機能をロボットにどんどん移し替えて言って、人間には最後に何が残るのかを知ろうとしている」。これって、書くことについても大体同じなのじゃあないか…

ブラッド・メリディアン/コーマック・マッカーシー

おお、これは凄い……。気が狂ったような小説だった。どこが狂っているのかというと、まず文体。狂ってるなんてもんじゃない。セリフに「」が使われない、心理描写が皆無、出来事だけを淡々と連ねていき、一文に圧縮されているのにコンマをほとんど使わない。…

なぜ批判してまで読み続けてしまうのか?

批判するなら読まなければイイのでは? 漫画の見方を覚えましょう。 先日書いたはじめの一歩の記事に上のようなコメントされたのだけれども、これはまったくだなぁーと思いました。わたしもつい先日の『素直になれなくて』……Twitterドラマとして始まったドラ…

アイガー北壁

観てきました。1930年代に、ヨーロッパ最後の難所としてほとんど伝説になっていたスイスの名峰「アイガー北壁」を初登頂しようとする登山家たちの、実話をもとにした物語。日常的な空間とは離された過酷な状況下で、その状況を乗り越えるために時には自…

げーせんで働いているけど何か質問ある?──げーせん

よく2ちゃんねるなんかに立てられるスレで、「〜〜で働いているけど質問ある?」系のがありますよな。わたし、アレが好きでどんな職種だろうが見つけるたびに読んでしまいます。いつも使っている施設や、サービスの裏側がどうなっているのかっていうのを知…

人はみんな宇宙の始まりが気になる──『宇宙創成』

『フェルマーの最終定理』『暗号解読』と傑作を立てつづけに出したサイモン・シンでしたので、期待しすぎるほどに期待していたのですが、見事に答えてくれた。本書は宇宙創成の原因の現在における最有力候補だと見られているビッグバンモデルが、どうやって…

トーマの心臓

初めて読んだ。この人物の、今のこの心境であるならば「これ以外あり得ない」と思えるセリフの応酬と、そうやって感情移入できる状況の描写、絵の表現力が圧倒的で、やはり名作として長年読まれ続ける作品は違うな、と思いました。他には、最初にトーマ君が…

自分の中に家を持て──3月のライオンが素晴らしかった

『3月のライオン』4巻が素晴らしい、という評価を聞いていたのでいてもたってもいられずに買ってきて読んだら……1巻も2巻も3巻も最高じゃないか!! どの巻も最高すぎて、思わず泣いたり胸が熱くなったりしました。すげぇ! いやでもやっぱり一番さいこうなのは…

シャッターアイランドを見てきたらなかなか良かった

あらすじ あらすじとしては嵐の孤島ミステリィといったところ。ボストンの春か沖合に浮かぶ孤島であり、精神を患った犯罪者を収容する「シャッターアイランド」が舞台です。当然、嵐ですので外との連絡も取れない。そんな島で、一人の女性が密室状況から脱走…

過去と未来を横断する傑作パンデミックSF──ドゥームズデイ・ブック

SF

ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF)作者:コニー・ウィリス発売日: 2003/03/15メディア: 文庫ドゥームズデイ・ブック(下) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-5)作者:コニー・ウィリス発売日: 2003/03/15メディア: 文庫コニーウィリ…

文学フリマの告知+15秒で読めるエセ歴史小説『尾張暗夜行』 書いた人:K

ちょっと早いですけれども、5月23日にある文学フリマの告知をしておきます。気を抜くと忘れるので。 『黒い姉弟+KP+』というサークル名で『能力者バトル特集──基本読書Vol2』という、本だかコピー本だかを出します。その名の通り、能力者バトルを分析した…

ダメだけど ドジだけど 切なくて 優しくて 人間ってこんなにも愛おしい!〜ガキの頃から〜 一色まこと短編集

ダメだけど〜というのは帯から引用しました。『〜ガキの頃から〜 一色まこと短編集』は、『花田少年史』『ピアノの森』の一色まこと先生による、「人間賛歌」の言葉がふさわしい傑作短編集でした。いやーほんとに、どの短編も色々な「人間関係」を書いている…

ジャンプ読書会のお知らせ+2010年19号のジャンプ感想

ジャンプ読書会しませんか? 日時:4月13日(火)22:00〜24:00 ぐらい。場所:SkypeSkype − インターネットで無料および格安の通話を発信←こちらからDLしてください。 読むジャンプ:2010年19号参加方法:Twitterでhuyukiitoichi宛に@を…

じーんとした──星新一―一〇〇一話をつくった人

これは凄い。読み始めてからしばらくは星新一の父親である星一のお話が長々と続き、「こりゃ外れか」なんてことを思ったりもしましたが、そこが終わってからぐいぐいと引き込まれる。父親の話は、いわゆる話のタメだったのです。というよりかは、父親に関し…

書いた書評に応じて献本が貰えるサイト『本が好き!』が面白い

献本……とは、関係者宛にタダで送られてくる本の事を言います。一般的には出版社関連の仕事にかかわっていると、献本される可能性が高いようです。その一方で、大手書評サイトと言われるような方々もサイトで紹介してもらえることで知名度や売上があがるので…

Book Talk Cafe 第1回(スゴ本オフ)簡易レポ&オススメされた本リスト

有名書評サイト『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』の管理人であるダインさんと金巻ともこさん、それからyasuyukimaさんの三人の企画であるBook Talk Cafe 第1回に行ってきました。dankogaiさん、ダインさんをを始めとして有名な人ばか…

橋本治に関する最大の謎

その不思議の第一は、ロクに知らないのに「なんとなく分かるような気がする」だけで、平気でとんでもないものに手を出してしまう事です。なんでそんなことが出来てしまうのかと言えば、それは「手を出した後で一生懸命頑張る」という前近代的な鉄則に私が従…

週刊少年ジャンプ18号 感想

NARUTO しかし危うくカカシ先生が火影になってしまうところだったかと思うと胸が熱くなるな……。だってカカシ先生ですよ? これからあの人外どもと戦っていこうっていう時に、リーダーがカカシ先生? ちょぉーっと戦力的に厳しすぎるというもんでしょう。そし…

ロボット開発を通して人間を知る──ロボットとは何か――人の心を映す鏡

この『ロボットとは何か――人の心を映す鏡』とは、ロボット開発を通して人間を知るという石黒浩さんの研究を紹介しながら、いかにロボットが優れた人間の鏡であるかを紹介した一冊です。著者は「生きている天才100人」の調査で日本人最高位の26位(同じ位置に…

今さらだけどアバター観た。

今さらだけど観てきましたが……いやあ! これは大変素晴らしかった! 観る前はね、凄く凄く躊躇してたんですがね。あんなに気持ち悪い青い人間たちを、そう何時間も見れたもんじゃねえよ! って。うん……でもあくまで個人的なことを言えば実際最後まで気持ち悪…

はじめの一歩がホラー漫画になった件について

ネタバレありまくり

農家の常識は社会の非常識──百姓貴族

作者は『鋼の錬金術師』がめちゃくちゃ有名な荒川弘。最近は漫画連載を一度も休まずに妊娠、出産をこなしたということで話題になっていたけれど、本書を読めばなんでそんなことが可能だったかがよくわかる。農家の日常は我々が考えている日常とは大きく隔た…