基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

コピーが増えていくことで、その技術は普遍化する

押井 僕の言うアニメの>は、宮さんがやってるような反動化とは逆なんだよね。だから僕の>は全部模倣することが可能なんだよ。僕が今までにやってきたことは、すべて誰でも模倣してくれてOK。 ──師匠はむしろ積極的にフィードバックしようとしてますもんね。 …

2010年週刊少年ジャンプ26号の感想

あまりにも書くのに時間がかかりすぎて最後の方気力が尽きて短くなってしまった。一度に全部書くのが最近厳しくなってきたので今度から数回にわけるかもしれないです。そんな大したこと書いてないのに……。以下略

「非日常」を奇跡的に生き延びてきた英雄と、「日常」を生き延びるすべを知っている比呂美が出会った時に、何かが起きる!──アイアムアヒーロー 3巻

アイアムアヒーロー三巻が発売されました。一人の弱気で鬱々とした男が、ヒーローになっていく物語だと思われます。一巻と二巻の感想はこっちに書いています。現実も怖いけど、非現実にもパンチ力があるし……──アイアムアヒーロー - 基本読書 いやーそれにし…

本の目次だけを読むのも、結構楽しいよ。

「良い本は目次を読んだだけで本の内容がわかる」というような事が言われたりしますが、読んでみたらこれがかなり頷ける。しかし「だったら中身読まなくていいじゃん」と思ったりします。なので今日は目次案内みたいな感じです。たとえばよく出来た目次とい…

センス・オブ・ワンダーを感じた──マネー・ボール

メジャーリーグの球団アスレチックスの年棒トータルはヤンキースの3分の1でしかないのに、成績はほぼ同等。この不思議な現象はゼネラルマネージャーのビリー・ビーンの革命的な考え方のせいだ。その魅力的な考え方はなんにでも応用できる。マイケル・ルイス…

ジャンプ読書会事情により次週に延期……。

ウソのような本当の話ですが親戚がクモ膜下出血で危篤の為、そちらに行かなければいけなくなりました。ということで今日はもう読書会を開くことはできないので、来週の同じ時間に延期ということでお願い致します……。ジャンプ26号で、6月2日の22:00〜…

失われた近代を求めてI 言文一致体の誕生

この先に続けられるものは、おそらく「日本の近代文学史」のようなものである。ここで私は「日本の近代文学ってなんだったんだろう?」と考えて、そう考えるとおそらく、この先に始まるものは「日本の近代文学史のようなもの」になると思われるからである。 …

2010年週刊少年ジャンプ25号感想

今週は妙にテンションが乗らなかったので少なめでノリも悪い……。しかしその代わり今週はジャンプ読書会やります。

語尾における丁寧の敬語の意味

唐突に(もう遅いんだけど)宣伝をさしはさみますと、本日5月23日に行われる文学フリマ - 会場アクセスに参加します。場所はB-11の黒い姉弟です。友人が能力者バトルの小説を書いて、僕が能力についてなんか適当に書いてます。良かったら見て言ってください…

鬼かっけぇ──BLAME!

漫画です。ちなみにid:daen0_0 さんにお借り&オススメされました。妙にそそる廃墟で高層な建築物と、無敵主人公が織りなすアクション場面が最高でした。今までdaenさんにはいくつかオススメされてきましたけれども、これを読んでいたらdaenさんの好みの傾向…

素晴らしい能力を持っているからと言って幸福な人生が送れるとは限らない

ここ最近ずっと能力について考えています。能力って、速く走る能力とかピアノが弾ける能力のことではなく、たとえばテレポーテーションとか自分の後ろからなんかおっかねー幽霊みたいなのが出てきたりする方の能力です。超能力とか、そんな風に言うアレです…

惑星のさみだれ9巻

本日惑星のさみだれ9巻が発売されました。いやーやっぱり面白いです。次の10巻で完結ということで、物語はもう終盤も終盤、地球を砕こうとするアニムスと、地球を砕こうとするアニムスを倒して自分で地球を砕こうとする夕日とさみだれのコンビという、なんだ…

ガラスの街/ポール・オースター

ニューヨークは尽きることのない空間、無限の歩みから成る一個の迷路だった。どれだけ遠くまで歩いても、どれだけ街並みや通りを詳しく知るようになっても、彼はつねに迷子になったような思いに囚われた。街のなかで迷子になったというだけでなく、自分のな…

2010年週刊少年ジャンプ24号感想

あ、あれ〜〜おかしいなぁなかなか書き終わらないぞ……とうんざりしながら長々と感想を書いていたらなんか凄く長くなったので収納。誰が得するんだこの感想。

遠子先輩(紙の本が主食)はこれからの時代、電子書籍ばっかりになっていったらいずれ餓死するんじゃねーかと考えると胸が熱くなるんだ……

『文学部少女』の映画がやってきたので観てきました。原作未読。事前に、原作読んでいないと意味わからないとか、はしょられすぎているとか、あんまり良い評価を聞かなかったのでハードルをガンガン下げて観に行ったのが功をそうしたのか、はたまた原作未読…

ポール・オースターの『ガラスの街』冒頭がええねん

そもそものはじまりは間違い電話だった。真夜中に電話のベルが三度鳴り、電話線の向こう側の声が、彼ではない誰かを求めてきたのだ。ずっとあとになって、自分の身におきたさまざまなことを考えられるようになったとき、彼は結局、偶然以外何ひとつリアルな…

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略/クリス・アンダーソン

いやはや、大変面白い一冊。最初は読む気なかったんだけどね、今や誰もがこの「フリー」を軸に論を展開しているようなところがあって、「あ、こりゃ読まないとおいてかれる」という恐怖を感じて読んでしまいました。この本、核となる部分は、そんなに長々と…

HEROMANが素晴らしい

たまごまごさんのこの記事を読んでやべえ、「HEROMAN」の面白さをどう伝えればいいかわからねえ! - たまごまごごはん 即座に観はじめたわけなのですが、大変素晴らしいわけです。原作者はスパイダーマンやアイアンマン、X-MENを世に送り出し、87歳なのに元…

時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず/宮沢章夫

劇作家や小説家、演出家に大学教授と多才な顔を持つ宮沢章夫さんが、横光利一の『機械』という、普通に読めば30分ぐらいで読み終わってしまうような短編を『11年かけて』読み解いといていくのがこの『時間のかかる読書』である。11年、文字にしても何の重み…

読書における「ライブ」は何だろう?

最近の音楽業界というのはどんどん進むデータ化や、違法コピーなどによってタダに近づいているようです。その結果、坂本龍一氏が指摘するように『「音楽が目に見えない、触れられないデータ化されたものになっている今、もう一度音楽のおおもとのかたち − ラ…

2010年ジャンプ23号の感想

無駄に長いので収納

0円と1円の間にある大きな心理的障壁

さて、まだ100ページしか読んでいないのですが、とても面白いです。その中でも特に面白かったのが、「無料」と「1円」の間にある、心理的障壁の大きさのお話。この「心理的障壁」について、ペンシルヴェニア大学ウォートン校のカーティク・ホサナガー教授は…

現代においてがっつりと読むことの重要さと幸せ

カントの『永遠平和のために/啓蒙とは何か』を読んでいます。カントは難しいというのが私の先入観でしたが、そんな先入観は粉々になるようなわかりやすい文章でびっくりしました。光文社文庫版の訳の頑張りでありましょう。「啓蒙とは何か」で繰り返しカン…

よい書評には何が必要なのだろうか。

よい書評には、何が必要なのだろうか。H・L・メンケンが指摘するように、「書評はまず何よりも、おもしろくなければならない。つまり、巧妙に書かれなければならないし、関心を惹く個性を示さなければならないということだ。そこに見られる批評の公正さは、二…

大味の物語を大味の設定でぶった切る──『いばらの王 –King of Thorn-』

池袋にて。原作未読。しかしよくわかるように作られていて、原作付きの映画化にはよくありがちな、「尺足りてないよ〜〜」というあれを感じさせない、よくまとまった素晴らしい映画でした。世界の危機、コールドスリープで生き残った人類、周りには誰もおら…

神話版モンハンじゃねぇか!──タイタンの戦い

観てきました。非常にツッコミどころの多い映画で、げらげら笑いながら楽しく観れました。デートムービーとしてもいいし、ツッコミながらもみれるしで、まさに娯楽映画っていう感じ。あらすじとしては、お話があからさまに王道なのは観る前からわかっていま…

猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子

「哲学も情緒も教養も品性も自我も欲望も記憶も未来も、とにかくすべてだ。隠し立てはできない。チェスは、人間とは何かを暗示する鏡なんだ」──P76 本書はチェス小説です。しかし同時に人間についての小説でもあります。引用文にあるように、チェスの戦術、…

大学教授のように小説を読む方法/トーマス・C・フォスター

今までの漠然とした読み方を変えたい、ただ漫然とお話を楽しむだけではなく、分析をするという楽しみを覚えたい、そういった人にオススメの一冊がこの『大学教授のように小説を読む方法』である。本書は主に主に象徴を読み解く為の手掛かりを与えてくれる。…

2010年SFセミナー 『日本SF翻訳の楽しみ』簡単なレポ

本日開催されたSFセミナーの昼の部にお邪魔していました。皆さんは今頃は楽しい合宿中でしょうが、私は普通に帰ってきたので面白かったお話をまとめておきたいと思います。とりあえずこのエントリでは『日本SF翻訳の楽しみ』と題された、アリグザンダー・O・ス…