基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

下から目線で読む『孫子』/山田史生

何気なく読んだらこれが読みやすく、面白い。下から目線とはどういうことかというと、巷で活用されている孫子やら荘子やらの使われ方は、基本的に経営者へ向けてであり、経営者の下で働かされている人間の目線ではないというところから始まっている。つまり…

しまった! 「失敗の心理」を科学する/ジョゼフ・T・ハリナン

しまった! と思う時は誰にでもあるだろうが、往々にしてその原因を分析せずに、自分の不注意だったとかあいつが悪かったとかとにかくどこかの誰か、時には運やなんかに責任転嫁してしまう。しかしもし失敗した時に、本当の意味での何らかの要因があるとする…

グーグル秘録/ケン・オーレッタ

いやー面白かった! 時間を忘れて読みふけることが出来る。グーグル関係者への膨大なインタビューをもとにして、グーグルを描写した一冊。これを読めば、グーグルが今まで何をやってきて、これから何をしようとしているのかがわかるはずだ。そしてその成立過…

アインシュタインの謙虚

「怒らないこと」という本の中に出てきたアインシュタインの逸話が面白い。謙虚さを讃える内容だ。アインシュタインの家は、ごく一部の研究者にしか知られていなかったがとある小学校の教諭は偶然アインシュタインの家の場所を知っていた。そしてその隣に住…

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉/アルボムッレ・スマナサーラ

スマナサーラ長老は初期仏教の長老でかなり偉い人のようですね。スゴ本のダインさんが書評していたのを読んで、いつか読みたい読みたいと思っていたのですけどついに読めました。良かった! 一番最初のターム、「「怒り」について誰も知らない」のなかで、長…

アメリカの無神論者

凄くどうでもいいというか、凄く常識的な話なのですけれども自分にとってはへぇーという感じの内容だったので一応メモしておきます。随分前に読んだリチャード・ドーキンス氏による『神は妄想である―宗教との決別』という一冊の中で氏は「無神論者になること…

見えないアメリカ/渡辺将人

アメリカについてどんなイメージを持っているのかと自問自答してみれば大したイメージは持っていないことに気がつく。ハリウッドであったり、多種多様な人種が集まる場所であったり、経済の中心であり世界の中心であり……。どれも漠然としたイメージで「アメ…

フリーライダー あなたの隣のただのり社員/河合 太介, 渡部 幹

普段読まない本を読もうと思って適当に選んだらこれだった。フリーライダーの意味がよくわからなかったけれども、どうやら職場などでサボったり人の手柄を横取りしながら給料をもらう、そういう癌のような職員のことをそういうようで。会社にくるなりソリテ…

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学/パコ アンダーヒル

ショッピングというのは男性の方々には「出来るだけ早く終わらせたいもの」であり、「やっていてあまり楽しいものではない」ものだということだろうと思うけれども、本書を読めば見方が変わって少し楽しくなるだろうと思った。実際僕はこの本を読んでから店…

書評の技術

成毛眞氏の最近出たばかりの新書、『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ』を読みました。本の選び方、読み方をテーマにした読書術です。こういう読書術系統の本は、正直僕は読みすぎたせいか真新しい情報はほとんど入ってこないので毎回読むたび…

ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として/スラヴォイ・ジジェク

最近なんだか読書傾向が偏っておらんかね冬木糸一くんと問いかける自分の声が聞こえたので「民主党がアレな今こそ、政治に関心を持って取り組まねばならん! 政治だ!」と思ってちくま新書から出たばかりの「ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二…

ローマはなぜ滅んだのか/弓削達

最近ギリシャを舞台にした『ヒストリエ』やハンニバルやスキピオが出てくる『ドリフターズ』を読んだ影響で、ローマ最強! ローマ面白い! 熱が再熱(昔ローマ人の物語を熱狂的に読み漁ったことがあった)してきたので、なんかローマ関係の本を読もうと思っ…

「予測」で読解に強くなる!/石黒圭

「予測」って何だろう? どういうことを、予測っていうんだろう? と疑問に思って『「予測」で読解に強くなる!』を読み始めたら、予測ってなんだろう? という問い自体がすでに「予測」の範疇であった。つまり本書でいう「予測」とは、「文章に対して問いを…

歴史を目撃せよ──天冥の標 3 アウレーリア一統/小川一水

一巻を読んだときからこの小川一水による入魂の十巻シリーズが、大大大傑作になるのはわかっていたし、SF界(そんなものがあるとして)では長いこと語り継がれる存在になるであろうことはわかっていた……。最初に書いたエントリーで小川一水のワンピース!!(…

勝手に選ぶ君主論から名言10個

なんとなく「有名だから」という、選挙で何も考えずに谷亮子さんに入れてしまうような適当さを発揮してマキャヴェリの君主論を読んでみたのですが、これが言う事は単純明快で、ゆえに面白い。26章からなる「君主として国を治める為の方法」が書かれている訳…

ミラーニューロンの発見/マルコ・イアコボーニ

つい最近、というかこの前の四月の話。駅にて、二つの女子高生軍団が久しぶりに再会したであろうシチュエーションに遭遇した。その場で女子高生軍団はお互いがお互いに気が付くと即座に、ほぼ同時にキャーキャーと奇声を発しながら抱き合って、久しぶりー! …

『宇宙ショーへようこそ』を見たよん

なるほど神アニメじゃねーの。かみちゅの監督、というだけの情報を仕入れた時点で我慢できずに観に行ってきました。それに宇宙大好きですし。ええ、まあ月の裏にとんでもなく栄えた宇宙都市があったり、特にSF的な理論付けもせずに光速を超えたり、とファン…

NOVA2

SF系統の短編集であるNOVA2です。外れが見当たらないほど、クォリティが平均して高かったNOVA1と比べて、この2は純粋なSF作家が少ない為か、クォリティにかなりのばらつきがありますが、その分クセのある短編が揃っていて面白かったです。中でも注目はもち…

作家に必要なもの

レイモンド・カーヴァーは「書くことについて」(『ファイアズ(炎)』収録)というエッセイの中で、 「作家にはトリックも仕掛けも必要ではない。それどころか、作家になるにはとびっきり頭の切れる人間である必要もないのだ。たとえそれが阿呆のように見え…

物語の役割/小川洋子

いやーこれは良かった。『新書がベスト/小飼弾』の中の、「ちくまプリマー新書」の中のオススメとして挙げられていたので読んだのですが、わずか120P、1時間もかからないうちに読み終えることが出来るのも関わらずずっしりと重い。面白かったのは『誰もが物…

最後の家族/村上龍

id:daen0_0さんにお借りしたこの一冊。村上龍氏の書く作品はまったくもって暗いものが多いので読む時にはそれなりの準備というか心構えというかそういうものを大量に必要とするので借りてから読み始めるまで結構たってしまった。村上春樹が癌における終末医…

プロとアマチュアの違い

色川武大という雀士がいます。別名で有名なのは阿佐田哲也、などでしょうか。麻雀の分野では一番有名といってもいいぐらいの超ビッグネームであり、週刊少年マガジンなんかでは「哲也―雀聖と呼ばれた男」も連載されていましたな。まあそのあたりのことは別に…

世界の見方が変わる一冊。『たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する/レナード・ムロディナウ』

いやあ、これは傑作。素晴らしいです。昨日夜の三時ぐらいに半分寝ぼけながらお風呂で読み始めたら、あんまり素晴らしくて眠気が吹っ飛んでしまったぐらい。なぜヒトは「偶然」を「必然」と勘違いしてしまうのか? といったような「偶然」を分析的に扱った一…

新書がベスト──10冊で思考が、100冊で生き方が変わる/小飼弾

言わずと知れた一冊を十分かけずに読んでしまうという超有名書評ブロガー、小飼弾氏による「新書のススメ」。同著者だと『空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法』も読んでいたので、「もういいかなぁ〜〜」とか思っていたのですけど特に理由…

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他三編/カント を途中まで読む

なんとなくカントを読んだので途中まで要約してみる。①パートは基本的にキイセンテンスの引用であり、②パートは僕自身の感想、説明、要約のようなもの。例によってこれ以降までやるかどうかは不明。最後のほうになっていくにつれて疲れて適当になっていくの…

預言/ダニエル・キイス

『アルジャーノンに花束を』の著者、ダニエル・キイスが久しぶりに放つ新作長編がこの『預言』なのです。『アルジャーノンに花束を』を読んでいないけれども名前だけは当然知っていた私は、「どれどれお手並み拝見」とばかりに読み始めたら、そのあまりのと…