基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

人間は笑う葦である

哲学教授である土屋賢二先生のエッセイ集。十年前に出た文庫なので今更何を書くのだという感じだけど、面白い。げらげら笑いながら読んだ。漫画や映像でかなり笑い転げたことはあるけれど、文章でここまで笑ったことは初めてだ。一ページで多ければ三回、少…

村上春樹 雑文集

タイトル通り村上春樹による雑文を集めたものになっている。読む前は「まあ、雑文ということだしそこまで期待しないでゆるっと読もう」と思っていたのだが、これが凄く充実した内容で一気に読んでしまった。雑文集といえどもそこには一貫した流れがあるし、…

「悪」と戦う

とても面白いと思った。高橋源一郎先生とはこういう話を書くのか。三年ぐらい前に『ジョン・レノン対火星人』をタイトルだけみて「なんじゃこりゃ」と思って読み始め、結局「なんじゃこりゃ、だけど凄いな」という感想を持ったのを自分のブログを読んで思い…

もうやめようと思っちゃうのに買ってしまう村上春樹

『村上春樹 雑文集』が先日出たのでもそもそ読んでます。買うたびに「もういいだろう、村上春樹は。もうちょっと広く視野を持とうぜ」とか思ったりするのですけど、だめですねえ。買っちゃいます。別にいいんだよう趣味なんだから。ちなみに本のデザインとし…

選択の科学

「選択」が人に与える影響と、どういう時に人は選択をし、その選択は周囲の状況にどれだけ影響を受けているのかといったことを分析する。なかなか刺激的で面白い本。ただ本の半分以上の内容は行動経済学がらみの話なので、そっちの方はすでにどこかで読んで…

切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話

いつのまにか話題になっていた佐々木中さんという方の本と革命についてのインタビュー本。主張はシンプルで、繰り返し繰り返し同じことを言ってくれてわかりやすくふむふむと面白く読みました。まあでもやけに情感たっぷりに語られる小説的な文章(語り口調…

イギリス近代史講義

エピローグで著者が書いているように『近代経済史のような、社会史のような、文化史のような、何だかはっきりしない構成になっていますが*1』とっちらかって何がいいたいのかよくわからないところもあるし世界システム論という言葉が頻出するもののそれがど…

円城塔先生の文体について

文体とは何だろうか。と言われても困ってしまうが。地球とは何だろうか、と書くような理不尽さがある。どのようにでも答えられる、という意味で。こんな事を書いたのも、『NOVA3』に収録されている円城塔の『犀が通る』を読んだからである。一行目からぐいっ…

調べる技術・書く技術

もうひとつのブログの方に小説の書き出しって重要だよねーという話を書いていたらわたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのDainさんに書き出しに8割の力を注げという本があるよといってこの『調べる技術・書く技術』を教えてもらった。この場を…

人間は考えるFになる

哲学教授の土屋賢二先生とミステリィ作家で当時はまだ助教授をしていた森博嗣先生の対談本。どちらも大ファンの上に、どちらも超KY(空気読めない)人間同士なので、はたしていったいどんな会話が繰り広げられるのか、と楽しみに読んだら、やっぱりどちらも…

ロウきゅーぶ! 1

ロリコンバスケ小説として悪名高いこの『ロウきゅーぶ!』、噂にたがわず高校生男子が小学生六年生の女の子五人のバスケコーチに就任するところからお話が始まります。物語というものは始るときには、石が坂を転がり落ちていくのにも最初のひと押しが必要なよ…

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた

最近ソーシャル・ネットワークという映画が公開されましたが、僕はどちらかといえば文字で読みたいな、と思ったので同じような値段の本書を購入。その判断は多分間違ってなかったけど、どうしよう、映画も見に行きたくなってしまった。それぐらいフェイスブ…

ことばと思考

『日本語は亡びない』という本を読んだ時に「愛している」を言う時に英語では「I love you」と言い、絶対に「I」を入れなければならないが日本語ならば私は必要ではない、だからこそ日本語使用者は協調性のある人格なのだみたいなことが書いてあったけれども…

カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた

これは凄い。はやぶさ関連書籍は多く出ていますが、最初にこれが読めて良かった。小惑星探査機はやぶさの、いったい何が凄かったのか、新しかったのか、その凄まじいミッションをクリアする為に、いったいどれだけの困難と思考錯誤と、一致団結と神頼みが必…

希望のつくり方

タイトルからも現れている「希望は与えられるものではない、自分たちの手で作り上げるものだ」という思想が希望の本質としていきなり興味深い。本書は希望学と呼ばれるものの解説的内容になっているけれど、希望学って書くとスッゴイ胡散くさいなあ(笑)。…

もしもソクラテスに口説かれたら―愛について・自己について

お茶の水女子大学教授の土屋さんがゼミで「もしもソクラテスに口説かれたらどうするか」というテーマで行った討論を一冊にまとめたもの。授業の討論風のまとめと言えば最近読んだ中では『東大生の論理』が新しいけれども、東大生ほど整然と、何かを主張する…

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則

1時間ぐらい書いて「これでオッケーおしまい!」と自信満々にエンターを推した内容が全部消えてしまったので失意のどん底に沈みながらこれを書いています。40分ぐらいかけて目次を描きうつしたのですけどそれもおじゃんです。ひどい! でも前向きにいこう…

キャラクターとは何か

奇遇なことにこの本、ぴったし一年前の一月十日に出た本のようだ。ま、それだけなんだけどちょっと時間が揃うと嬉しいですね。タイトルから、言わずもがなのキャラクター論。今までのキャラクター論は文化もしくはビジネスの片面からしか語られてこなかった…

まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

正義が悪を倒して終わりという物語の先へ進んだ物語として、ネットでかなり話題になったまおゆうの書籍版。結構書籍化する際に元の文章は読めなくなることが多いと思うのですが、まおゆうに関して言えばそういうこともなく魔王「この我のものとなれ、勇者よ…

論理病をなおす!―処方箋としての詭弁

つい最近同じ香西秀信さんの『議論術速成法』を読んだらえらく面白かったので続けてこちらも。『議論術速成法』は要するに「速成法とはつまり、具体例から自分にあったものを「盗め」」ということでした。で、この『論理病をなおす!』は「詭弁」を扱った一冊…

災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか

大地震、洪水、台風、テロ、多くの人を巻きこむ災害がおこった時に人がどのような行動をとるのかについては『生き残る判断 生き残れない行動』が詳しいですが、簡単にまとめてしまうと災害が起こった直後の人間はとても落ち着き、親切になり、余裕を持って行…

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

実際の宇宙飛行士選抜試験に密着取材したNHKの番組があったそうですが、その時の体験をもとに新書を書き下ろしてくれたようです。これがもうめちゃくちゃ面白い。読み始めたら止まらなく、一気に読み終えてしまいました。現実なのに、キャラ立ちから、各々の…

世界を変えた手紙――パスカル、フェルマーと〈確率〉の誕生

なかなか面白い。パスカルとフェルマーの往復書簡を読みながら、確率の誕生を読んでいく。この二人が全てをの全てを発見したわけではないが、大きく貢献したことは確かだ。それより何より、がない世界、というのを僕は想像すらしたことがなかったので、、つ…

ミルキィホームズのゲームやった

探偵オペラ ミルキィホームズ公式サイト|世界観より ――二十一世紀。 『トイズ』と呼ばれる特殊能力を持つ探偵と怪盗、 二つの存在が世界を賑わせている時代。 世界は空前の『大探偵時代』をむかえていた。 新旧の文化が複雑に入り交じる 偵都(ていと)『ヨ…

バットマンになる! スーパーヒーローの運動生理学

『バッドマンが私たちの集合的想像力にこれほど力をもつのは、バットマンがただの人間なのに、それでも本物のスーパーヒーローとしてふるまうからだ』 最近(というほどでもないが)公開された映画『ダークナイト』で初めてバットマンに触れた僕は、「バット…

MORI LOG ACADEMY〈1〉

小説家の森博嗣センセーによって書かれたWEB日記の書籍版。最初から出版目的で書かれている為にクォリティは高い。WEBで連載している時に毎日楽しみに読んでいて、更新が終わって読めなくなってしまった時にかなり寂しくなったのを思い出した(亡くなる前に…