基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える

非常に面白い一冊。読んでいて貧困問題に対しての当たり前だと思い込んでいた考え方がいくつも変更されたし、そもそも「問題の根っこがどこにあるのか」という本質を改めて問いなおした点が良い。言うまでもなく問題の根っこは現実に根ざしており、著者らの…

インクジェット時代がきた! 液晶テレビも骨も作れる驚異の技術

この本、めっぽう面白いです。僕は社会の豊かさとは「選択肢の多さである」と考えていますが(選択肢が多すぎると、逆に選ぶのが難しくなってしまうので単純な問題ではないのですが)、その為「大量生産、大量消費」というものづくりのスタイルは通用しなくな…

実験的経験 Experimental experience

森博嗣先生の新刊。15年のキャリアを経てこの作品を出せるのは、たいへん素晴らしいと思いました。楽しくて、あっという間に読み終えてしまった。小説なのか、もしくはエッセイなのか読み始める前はよくわかりませんでしたが、読み終えた後もよくわかりま…

感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性

先日出たばかりのサンデル教授『それをお金で買いますか――市場主義の限界』では市場主義の限界について語っていた。たとえばノーベル賞はお金では買えない。お金でノーベル賞を買った人を、誰も他のノーベル賞受賞者とは同列に扱わない。名誉は金では買えな…

それをお金で買いますか――市場主義の限界

『これからの正義の話をしよう』のマイケル・サンデル教授の新刊。原題はWhat Money Cant't Buy The Moral Limits of Marketsで、タイトル通り。お金で買えないものは何か、そして全ての物に値段がつけられるようになっていく市場原理主義の現代社会において…

リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

『僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる 』を読んだ時の感想で、僕は至極当たり前のことながら「無駄を生まないためには、上流工程を煮詰めることなのだ」ということを考えました。ある製品をつくる、物事をはじめて動かしてい…

天冥の標6 宿怨 PART1

宿怨とはまた物騒なタイトル。でも納得。これは確かに宿怨だわ。小川一水先生が始めたこの天冥の標シリーズもこれですでに第六巻……、今までの作品はどれも途中から読んでも、1テーマでぶっとくまとまっていて単発モノとしても読めるスグレモノだったが、今…

完全なる首長竜の日

ひとり星雲賞日本長編部門では2冊目。新人賞受賞作ということで、あまり期待せず読み始めましたが、よくまとまっていて綺麗で、イメージも鮮烈、なかなか面白かったです。植物状態の人間と会話ができる「SCインターフェース」を通じて、意識不明の弟と対話を…

茶の本

森博嗣著『ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper 』を読んでいたら、各章の引用元がこの『茶の本』だったのでそこから興味を惹かれて読んでみる。周辺情報から攻めると、この『茶の本』、岩波文庫から1929年に出版されている名作古典のひとつである。…

ゲームにすればうまくいく―<ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク

著者の深田浩嗣さんは前著『ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足』がめっぽう面白かったのでこの『ゲームにすればうまくいく─ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク』も読んでみた。そもそも前著はゲーミフィケーシ…

悲鳴伝

西尾維新最新長編にして最長長編。最長長編は正直まったくなんにも惹かれることがなく、なんの販促にも寄与していないと個人的には思うのだが、帯ではやたらと強調されている。それに最長長編といえば間違い無く戯言シリーズがそうだろう。まあ、一冊で言え…