基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

the right book exactly,at exactly the right time 『Mr. Penumbra's 24-Hour Bookstore』

『Mr. Penumbra's 24-Hour Bookstore』はRobin Sloanによって書かれ、2012年の10月に発売された小説。どこで評判を知ったのだか忘れてしまったのだが、売れに売れまくっている本で、英語の読書メーターみたいなサイトの感想には「まるで村上みたいだ!…

山賊ダイアリー

休日の午前中、なんとなくコーヒーでも飲みながらこれからの活動に備えてまったり漫画でも読もうかと思ってKindleで『山賊ダイアリー』を購入。*1こうやって即座に買って読み始められるのは読み手にとっては素晴らしい。衝動買いが増えて本代がかさむけれど…

日本が世界一「貧しい」国である件について

谷本真由美さんによる『ノマドと社畜』に続き、早くも二冊目の著書。ざくざくとダメなものをダメ、良いものを良いとわけていくその言葉の調子は読んでいると心地良い。谷本真由美さんの経歴はけっこうすごくてSyracuse Universityにて情報管理学と国際関係論…

『立花隆の書棚』

みよ、この本の存在感。ちなみにこのすかすかでぐちゃぐちゃな本棚はわが本棚である。その中でもひときわ圧迫してくるのが中央に鎮座しておられる『立花隆の書棚』。ページ数はなんと650ページもある。これだけのページ数をかけて何をやっているのかとい…

わが母の記 (講談社文庫)

どうやら映画にもなったらしい『わが母の記』。年老いて、完全にぼけて一日に何度も同じ話を繰り返したり、どんどん年齢が退行しているようにみえたり、娘や息子や夫の記憶を忘れていく母親との記述が続く。人間と人間の関係というやつは「憎みあっている」…

メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故 (講談社文庫)

地震発生、原発事故発生のリアルタイムに何が起こっていたのか、現場と政治や意思決定がどのようなプロセスの元行われたのかなどの詳細な記述から、その後の賠償責任をどうするのかの流れ、再稼働か、もしくは停止かといった判断がどのような情報の元、誰が…

ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛

いま世に広がる巨大IT企業の創設者たちの伝記はどれもおもしろい。伝記の定義がよくわからないからこの言葉を使うのはとりあえずやめよう。まあ活動を追った著作、というぐらいにしておいて。Facebookのザッカーバーグ、Appleのジョブズ、Googleのセルゲイ・…

『最後のウィネベーゴ (河出文庫)』コニー・ウィリス

中短篇集。同名タイトルの文庫版で、つい最近出たばかり。単行本のときにくわえて『からさわぎ』なるシェイクスピアが表現の規制によってがしがしふにゃふにゃになっていく話が追加されている。どれも最高の出来で、まとまっていて、短篇集としては珠玉の出…

コニー・ウィリスの書く忙しさ、行き違い、勘違い、すれ違い

コニー・ウィリスという作家は僕が今まで読んできた作家の中でも抜群に……いやこう言い切ってしまってもいいだろう。間違いなく、ナンバーワンに、物語にこっちを惹きつけるのがうまい。それはほとんど週刊少年漫画誌メソッドのようですらある。チャプターご…

昨日までの世界―文明の源流と人類の未来

なんだかふっと気がつくと世の中は一変してしまっていてあれよあれよというまに時間に追い立てられ20年後どうなっているのかさっぱりわからない。いつのまにかタブレットをみんな使っていて僕は電車でそれを使って本をがしがし読むしこれは超ちっちゃい、…

This is a comedy,not a tragedy『All Clear』Connie Willis

い、いかんかった。信じられないぐらい面白かった。もどってくるのが困難なほど引きこまれ、世界に没入して、最後の10%は涙が枯れ果てんばかりに泣きはらした。ありとあらゆる物語がこの世の中にはあるけれど、ここまで長大な物語にも関わらず、読者を飽き…

抽象的に考えること『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)』森博嗣

森博嗣先生の著作の中ではもっとも抽象的な内容を扱っている一冊。内容はタイトルのままだ。人間はいろいろな問題についてどう考えていけばいいのか。いろいろな問題ってなんだよ、と思ったりするけれど、人間生きていればいろいろ問題が沸き起こってくるも…

とりあえず「冲方丁の意味不明な経歴すべてをぶち込んだ結果カオスになった短編」は読んで貰いたい。『SF JACK』

何かとどうでもいい話題で最近盛り上がっていた日本SF作家クラブですがこれは多分そのクラブの何十年目だかのお祝い本みたいですね。まえがきもあとがきもないのでよくわかりませんけど。新井 素子,上田 早夕里,冲方 丁,今野 敏,堀 晃,山田 正紀,夢枕 獏,吉…

わたしたちは嘘で真実を語るんだから『言語都市』チャイナ・ミエヴィル

いわゆるサイエンス・フィクションに分類される小説で、舞台は遥かな未来だ。『言語都市』というタイトルに強く惹かれるものを感じる人もいるだろう。こうした異質なものを想定して、言葉として繋ぎ合わせられるのはSFが適している。「名タイトル」と呼ば…

知の逆転 (NHK出版新書 395)

それぞれの分野で一級の著名人たち6人にインタビューを行ったインタビュー集。銃・病原菌・鉄のジャレド・ダイアモンドが「現時点では」一番名前が売れているように思うが、その他も「言語には普遍文法が存在する」としたノーム・チョムスキーに『妻を帽子…

機械との協調『機械との競争』

先日TOHOシネマズにいったらチケットを売る6,7人の店員たちが1人を残して全員消えていた。それでチケットが買えなかった……わけではなく全部、自動券売機になっていたのだった。いちおう人間も一人は残っていて、その担当の人だけが唯一チケットを売って…

はじめにコマンド・ラインがあった『チューリングの大聖堂: コンピュータの創造とデジタル世界の到来』

チューリングの大聖堂 上: コンピュータの創造とデジタル世界の到来 (ハヤカワ文庫 NF 491)作者: ジョージ・ダイソン,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/03/09メディア: 新書この商品を含むブログを見るチューリングの大聖堂 下: コンピュー…

僕が愛したMEME(ミーム)たち いま必要なのは、人にエネルギーを与える物語(ミーム) (ダ・ヴィンチブックス)

メタルギアソリッドなどで知られる小島秀夫監督の書評やら映画評やらが入っている、物語紹介集といった感じ。だいたい小島監督の個人的な語りから始まり作品をいくつか角度をうがってみていく形式で、小島監督のファンでないならたいしたことない一冊だが、…

読者が『悲痛伝 』(講談社ノベルス):西尾維新

前作であるとんでも本悲鳴伝 - 基本読書 ⇐悲鳴伝から一年がたち、ほぼ同程度の(むしろ増えている)ボリュームでその続編が刊行されました。悲鳴伝は「つまらなくはないけど、かといって特別面白いわけでもない。でもところどころ面白いポイントがある」ぐらい…

Django Unchained

人がゴミクズのように死んでいき悪い奴らはぶち殺され、爆発が巻き起こる!! ガンガンガン、ドガーン! そしてポーズを決めるガーンマン! 荒ぶれどもに賞金稼ぎ! 銃を抜けば早すぎて眼がとまらねえ! 血はどばどば出るわ残酷な表現はてんこ盛り! なんの…

『海からの贈物 (新潮文庫)』アン・モロウ・リンドバーグ

一人の女性が浜辺で貝殻を拾いながら生きた生活を綴った、雑文集のようなものだ。著者はアン・モロウ・リンドバーグといい、飛行機乗りとして有名な方のようだが、この雑文集にはそうした自身の経歴のことは一切語られない。自分が何者であるか、社会的にど…