2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
2010年にガーナのStatisticalServicesはGDPの上昇率を60%だと見積もった統計を出してきた。成長率60%ってなんやねん、アホか、どうやったんだと疑問に思うところが、単純に前年までの計算が極度に間違っていたからだ。その後より正確さを増した為、60%も…
図書館の魔女 by 高田大介 - 基本読書 先日読んだ『図書館の魔女』という小説は本に関する語りがまた面白い小説で、1400ページを超える大作ながらも本の迷宮に迷い込んでいくような気分が味わえる傑作だ。本好きならオススメしたい。その中にこんな一節があ…
一文の威力がいったいどこまで発揮されうるかという限界を、このルナールの『博物誌』からは教えられる。この『博物誌』はルナールと呼ばれる有名なフランスの小説家、詩人に書かれた一冊。もう何十年も前に出版されたもので、古典といっていいだろう。雌鳥…
メフィスト賞受賞作。つまりはデビュー作になるが、20年書き続けてきた作家の総決算そしてそこから先へみたいな迫力が感じられる異常な傑作だ。そして何よりも、長い。分厚すぎてもって読むのが大変。外に持ち歩くなんてとんでもないというレンガ本である。…
金庸作品の中でもとりわけ評価の高い『射雕英雄伝』を読んだ。金庸とは中国語圏では一番といってもいいぐらい知名度の高い今尚生存中の作家で、作品はゲームにドラマと何度もメディアミックスされている。武侠小説と呼ばれる日本の時代小説と伝奇小説をミッ…
この世にはいろいろな小説がある。どきどきわくわくするような冒険譚があるかとおもえば、未来世界を延々と描写していくものもある。そうかとおもえば使える文字がだんだん減っていく小説があったりする。そしてこの『無声映画のシーン』のように、淡々と町…
角川のKindle割引きセールの中に紛れ込んでいたので拾い上げた。筒井康隆さんのWebで連載を続けている日記で、今でも読める。⇒笑犬楼大通り 偽文士日碌 僕も最初は読んでいたのだが、今年でもはや80にもなろうというおじいちゃんなので、そこかしこに「老…
読んでいると箔がつく本というやつがあって論理哲学論考はその類の本だろう。生憎と今まで読んだことなかったのだが、光文社古典新訳文庫で今月出ていたので読んでみた。初読み時の感想は、どうにも言葉の定義が曖昧で話題もばらけており、いわんとしている…
2012年は個人的に『BEATLESS』の年だった! 読んでないなら読むと、たいへんいいことがある可能性が高い。というわけでBEATLESS - 基本読書 の、2013年冬コミで発表された同人誌がこの『INSIDE BEATLESS』になる。同人誌とはいっても著者は『BEATLESS』…
1967年にアメリカのハーバード大学で行われた、ボルヘスによる詩についての講義をまとめたのが本書『詩という仕事について』だ。全六回の講義の中で、詩とは何なのか、隠喩について、物語りについて、言葉の調べと翻訳について、思考と詩について、そし…
優れたジョジョという漫画シリーズについて大ファンである著者がその魅力を解き明かしていく構成。あらかじめ言っておくと、完全な本ではない。いちいちここで一つ一つ指摘していくこともしないが、取り上げられるポイントにどうも納得いかないところがある…
万城目学さんによる時代小説。どうもそういうイメージがなかったのでこれを本屋で見かけた時にはわりと驚いた。きっちりとした時代小説であることもそうだし、その長さにも。Kindle版で読んだのでページ数はわからなかったが、今調べると750ページ近くあ…
創作物と受け手がそれを受容した時、その快楽はどこから、いかにして生まれるのかを解説してみせた佐藤亜紀『小説のストラテジー (ちくま文庫)』 - 基本読書の続編が本書『小説のタクティクス』になる。記述の運動によっていかにして読み手の応答を引き出し…
僕はこれを読み終えた時、結末へ向かっていくこの小説を読んで思わず泣いてしまったのだ。それはストーリーが感動的だったからではなく、ただただその凄まじい内容に圧倒されて泣いたのだ。こんな内容があっていいのかと。こんな表現があっていいのかと。想…
・この記事は一部をのぞいて以下の10文字を禁止した状態によって書かれています。 「せ」「た」「つ」「て」「の」「ほ」「む」「り」「る」「わ」 ・この記事は西尾維新さんの『りぽぐら!』のレビューになります。 ・りぽぐら!が文字数を制限して書かれて…
どういうものについて「実験小説」といえばいいのか、いまいちわからないのだが本書は100人に聞いたら100人が実験小説と答えるであろうまごうことなき実験小説だ。何しろ200ページを超える本なのに短い短編が3つしか入っていない。どうやってページ数を…
これは随分と読後感が不思議なノンフィクションで、お気に入りの一冊になった。タイトルがシンプルなのと、モノクロの表紙写真も素晴らしい。フリーマン・ダイソンなる著名な物理学者と、その息子でこれまた著名なカヌー・ビルダーであるジョージ・ダイソン…
『宇宙が始まる前には何があったのか?』というのはこの世で最も刺激的な問いかけだ。誰しも親があって産まれてくるわけであって、親の前にはずいぶんさかのぼると猿が(たぶん)いて、猿の前には魚がいて、魚の前には地球があって、地球の前には宇宙があっ…
もはや失われてしまった「外国人から見た時の古き日本」を描写していく。具体的な年代については幕末から明治にかけて。海外からやってきた旅行者、使者、立場も違えば目的も違い、触れ合った人も違うという人たちの膨大な日本体験記から、かつて存在してい…