基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

滅亡へのカウントダウン: 人口大爆発とわれわれの未来 by アラン・ワイズマン

本書は『滅亡へのカウントダウン』という書名だが、そのメインテーマになっているのは人口増加とそれによる地球環境の悪化に人類は耐えられるのかというテーマだ。もちろん人口問題の中には日本のようにどんどん進行する少子化が問題になっている国もある。…

音楽の進化史 by ハワードグッドール

音楽というのは我々の身近にあるものであって、なんだかずっと前から音楽は音楽として存在していたかのようにすら思ってしまう。ゆえに音楽がいったいいつから、どのように変化をしてきたのだろうと考えすらしない人がほとんどであろう。音楽技法がまだほと…

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス) by 大栗博司

大栗博司先生の本。出版社こそ違えど『重力とは何か アインシュタインから超弦理論』、『強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く』を最終的に総括するような一冊で、上記の二作を楽しく読んだ身としてはとても楽しく読めた。もちろん本書は上…

はてなブログに一旦移行させてみました

はてなブログに一旦移行させてみました。たぶんはてなダイアリーの方の記事に接続しようとしてもこちらに飛ばされてしまうはずです。ブックマーク、RSS情報などもすべて移行しているはずなので、システムの挙動を信じる限りにおいては特に何かを変更する必要…

ミッション・トゥ・マーズ 火星移住大作戦 by バズ・オルドリン

火星移住大作戦とかまたアホみたいな副題がついているから胡散臭い本だなと思っていたが、著者がバズ・オルドリンだった(ジェミニ計画及びアポロ計画に飛行士として搭乗。アポロ11号の人類初の月面着陸において月面歩行をおこなった。)生粋のエンジニアで…

記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門 (講談社選書メチエ) by 谷口忠大

これは素晴らしい。知能と呼ばれるあやふやな概念に対しての工学的な定義、作り方を教えてくれる一冊。人間は物をみて、言語を学ぶ時に様々な機能を使い概念を理解し区分けし、人間同士の会話の中では文脈を読み曖昧な表現を自分なりに解釈するというなかな…

GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

©Sony Computer Entertainment Inc. PSVITA初期のオリジナル傑作として評価もかたまり、もうやるべき人にはとっくに行き渡っているようなきもするけれども僕は最近クリアしたので感想を書く。というのもPSPが生産終了ということでろくに使わなかったPSPのこ…

Speculative Fiction 2013: The Year's Best Online Reviews, Essays and Commentary

WebのSF系レビュー(映画、小説、ドラマ問わず)にエッセイを集めた2013年傑作選版。特筆すべきはジェンダーの平等とは何かを論じたエッセイ、視点を多く盛り込んでいるところだろうか。フィクションの中での女性の役割、女性主人公のジュブナイルFの少なさ…

オール・ユー・ニード・イズ・キル

試写会で一足お先にみてきました。原題はEdge of tommorowなのに日本だとオール・ユー・ニード・イズ・キルなのは、日本の原作がこのタイトル(All you need is kill)だから。いやーしかしすごいですね〜、日本の小説がハリウッドで、しかもトム・クルーズ…

人類は衰退しました by 田中ロミオ

ゆるふわな絵柄を身にまとい、起こる事件はどれも超常現象、超常テクノロジーに支えられめちゃくちゃな事態に発展し、語り手である少女は翻弄される。ただしあらゆる要素が軽い、ユーモアあふれる文体に包まれている。文体と絵柄によりかわいく、ゆるく包ん…

バウドリーノ by ウンベルト・エーコ

エーコによる歴史小説。皇帝フリードリヒ二世の養子として数多の冒険に出かけ持ち前の嘘をもっともらしく語る能力によって自分たちの都合のいい事象を現実と混同させてきた男が最後に語る人生録が、この『バウドリーノ』という本になる。バウドリーノは歳を…

皆勤の徒 by 酉島伝法

SF

僕はまっとうな科学信仰のもとに勉強を続け、成長を遂げ、鳥山明がドラゴンボールを書き、孫悟空のような主人公を造形したからといって鳥山明が孫悟空のような人間だと信じるような人間ではないし、レイプ漫画を書いたエロ漫画家が実際にレイプをするような…

Sleep Donation by KarenRussell

中編の近未来世界を舞台にしたSF作品。突如発生した「身体に異常を引き起こし死者を頻発させるほどの不眠症」に侵された世界で「睡眠の寄贈と配布(献血みたいなイメージ)」が行われるようになっている。寄付者から集められた睡眠はSleep Bankに入れられて…

生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像 (講談社現代新書) by 中沢弘基

生命の起源。知ることができたらうれしい。あそこにいる犬も猫も、そのへんにいる雑菌もみんなみんな生きている。生きているとはまあいろいろ定義はあるがおおまかに言って自己増殖することだ。なんでこんなものが出てきたんだろう? こんな仕組みが勝手に出…

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー) by 川上和人

軽妙な語り口と大胆な仮定、鳥類を下敷きにした仮説の導き出し方が面白くてSFのような空想の広がりがある良書だ。 最近の研究では、鳥は恐竜であるとの見方が主流だそうだ。長年論争を続けてきたが最近いくつかの証拠があがってきたことでどうやら正しいら…

フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方 by 伊藤 洋志,pha

うん、これは面白かった。車にしろパソコンにしろ、普及が進んでいくと一家に一台から一人に一台になり、一人が何台も所有する、といったように一人が多様性を抱え込むように成るものだが、家もその流れをたどるんじゃないかな。つまり家族か、一人でも家を…

Neptune's Brood by CharlesStross

チャールズ・ストロスによる長編スペースオペラ。相変わらず時代はずっと先で、人間はsoulをチップに入れバックアップをとることができ、当然ながらsoulだけを情報として別の場所に送ることもでき、銀河系全体に人類が広がっているおかげで経済の仕組み自体…

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと by チャールズ・ユウ

SF

メタSFとして展開し、家族小説としてまとめあげてみせ、サイエンス・フィクションでもあり、リチャード・パワーズを思い起こさせる要素もある、その異質な個性がデビュー作から発揮されているのがこの『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』だ。語りはク…

好奇心の赴くままに ドーキンス自伝I: 私が科学者になるまで

ドーキンスといえば『利己的な遺伝子』の著者として知られ、今だと『神は妄想である』などでであまりに激しすぎる切込みをかけたりして、歳をとってなお精力たくましく活動している生物学者である。本書はそんなドーキンスの自伝であり、人生の転機ともいえ…

ムカシ×ムカシ (講談社ノベルス) by 森博嗣

古くから続く血統、お金持ちのお屋敷、探偵事務所、連続殺人……古典的な道具立てを現代的な感性で解体していくXシリーズ最新刊がついに出た。6年半ぶり。中学生だった子が大学生になり、大学生だった子はとっくに卒業して院生かサラリーマンかニートか自営業…

一人星雲賞 【コミック編】

一人星雲賞とは何か。いやそもそも星雲賞の説明からしたほうがいいだろう。 星雲賞とは公式サイト2014年 第45回星雲賞から引用すると下記の通りのものである。 星雲賞は、日本のSF及び周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を誇るSF賞です。 星雲…

S-Fマガジン 2014年 07月号 創刊700号記念特大号について

SF

SFマガジン700号である。分厚い……高い。584P! 2900円! 記念だからといって分厚くすればいいというものではない。 が、内容が詰まっているのはいいことだ。素晴らしくいいことだ。いやあそして肝心の内容は凄いぜ。1960年台前半からのSFの歴史がぎゅっ…

ゲーム・レジスタンス (GAMESIDE BOOKS) by 原田勝彦

良いレビュー、レビュー自体に価値がある文章というのは、レビュー対象に興味がない人間にとっても面白いものだ。僕はゲームはほとんどやらないし、やってこなかった上に、ゲームレビューの対象が大半は2000年代のものなので、「遊ぶゲームを探す」為には本…