基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

わかっちゃいるけどやめられないを科学する──『悪癖の科学 その隠れた効用をめぐる実験』

悪癖の科学--その隠れた効用をめぐる実験作者: リチャード・スティーヴンズ,藤井留美出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2016/08/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る時間は充分にあったはずなのに、締め切り間際まで仕事がはじめられない。つ…

数学的原理に裏打ちされたファンタジー小説──『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』

精霊の箱 上: チューリングマシンをめぐる冒険作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2016/10/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会…

『銀河鉄道の夜』という「永久物語運動体」──『カムパネルラ』

SF

カムパネルラ (創元日本SF叢書)山田 正紀 東京創元社 2016-10-20 Amazonで物理書籍を購入Kindleで購入 「カムパネルラ」は、その名を聞けば誰もが宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』だ! と即答できるぐらいにはメジャーな作品とキャラクタではないだろうか。本書は…

天才を地理から理解する──『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』

世界天才紀行――ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで (ハヤカワ・ノンフィクション)作者: エリック・ワイナー,Eric Weiner,関根光宏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る天才はいつだ…

改変歴史譚×巨大ロボ──『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』

SF

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)posted with ヨメレバピーター トライアス 早川書房 2016-10-21 Amazonで購入Kindleで購入 海外SFとしては今年一番の話題作と断言してもいい『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン…

まだ見ぬ社会へ──『デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?』

デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/10/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る読みながら呆然としてしまった。こんなにおもしろい作品がこの世にあっていいのか……? …

小川一水氏 トーク&サイン会で聞き手役をやりますという告知文

天冥の標IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと(ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る天冥の標という生まれてからこの本に出会わせてくれるに至るすべての過程に感謝す…

"議論"か、さもなくば"死"か──『十二人の死にたい子どもたち』

十二人の死にたい子どもたち作者: 冲方丁出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/10/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る冲方丁さんといえば〈マルドゥック〉シリーズを筆頭としたSF小説か、あるいは『天地明察』に連なる一連の時代小説、または…

『その女アレックス』に続くカミーユ警部三部作完結篇──『傷だらけのカミーユ』

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)作者: ピエール・ルメートル,橘明美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/10/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るランキング一位や賞をとりまくり、日本では60万部を突破した『その女アレ…

押井守×笠井潔対談──『創造元年1968』

創造元年1968作者: 押井守,笠井潔出版社/メーカー: 作品社発売日: 2016/09/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの二人にいったいどういう繋がりがあったんだっけか?? と思いながら読み始めたのだが、かつて一度対談をしたことがあること、笠井…

きっちりと素粒子/量子物理学を理解したい人へ──『量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語』

量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語作者: レオンレーダーマン,クリストファーヒル,Leon M. Lederman,Christopher T. Hill,青木薫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/09/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見る量子物理学は「なにがなん…

幽霊を見るとき実際には何を見ているのか──『幽霊とは何か──500年の歴史から探るその正体』

幽霊とは何か──500年の歴史から探るその正体作者: ロジャー・クラーク,桐谷知未出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/07/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る書名だけだとどういう本なのか掴みきれず、おそるおそる読み始めたのだが、…

宇宙における生命の普遍的特性──『生命、エネルギー、進化』

生命、エネルギー、進化作者: ニック・レーン,斉藤隆央出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/09/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は『生命の跳躍』、『ミトコンドリアが進化を決めた』のニック・レーンによる「生命の起源とその…

善良な始末屋のジレンマ──『その雪と血を』

その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1912)作者: ジョー・ネスボ,鈴木恵出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/06メディア: 新書この商品を含むブログを見るわずか175ページほどだが、読者がすぐに惚れてしまうであろう魅力的な主人公…

物の声が聞こえる少年、物たちの世界──『堆塵館』

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/09/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る優れた本というのはたとえ読んだことのない作家であって…

音楽産業vs音楽海賊団──『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)作者: スティーヴンウィット,関美和出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/03/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る現代において、タダで音楽を手に入れるのはそう難しいことで…

過小評価されてきた進化──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』

進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来作者: マット・リドレー,大田直子,鍛原多惠子,柴田裕之,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る読み始めた時は、マット・リドレーによる…