基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

吸血鬼×スチームパンク×探偵譚 ──『血と霧1 常闇の王子』

血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)作者: 多崎礼,中田春彌出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/05/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見るかなり雰囲気/世界観が良い、というか手触りの良い作品である。いわゆる剣と魔法の世界ではないファンタジ…

「科学する人生」とは何か──『右脳と左脳を見つけた男 - 認知神経科学の父、脳と人生を語る』

右脳と左脳を見つけた男 - 認知神経科学の父、脳と人生を語る -作者: マイケル・S・ガザニガ,小野木明恵出版社/メーカー: 青土社発売日: 2016/03/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る著者であるマイケル・S・ガザニガは書名にも入っている…

数学が常に底流にある「ザ・シンプソンズ」──『数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』

数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/05/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るサイモン・シンの新刊翻訳といえばそれだけで買わないわけがな…

人間と機械の境界を探る──『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』

明日、機械がヒトになる ルポ最新科学 (講談社現代新書)作者: 海猫沢めろん出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/18メディア: 新書この商品を含むブログを見るSR(代替現実)、3Dプリンタ、アンドロイド、AI(人工知能)、ヒューマンビッグデータ、BM…

人間はどのように世界のことを知ろうとしてきたか──『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』

この世界を知るための 人類と科学の400万年史作者: レナードムロディナウ,Leonard Mlodinow,水谷淳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/05/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見るつい先日『科学の発見』という、過去の科学者にたいして「科学…

千年の時をかけた義経の視点から振り返る義経記──『ギケイキ:千年の流転』

ギケイキ:千年の流転作者: 町田康出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/05/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書『ギケイキ:千年の流転』は町田康によって書かれた義経紀である。時代/伝奇小説である。といえば、町田康の作風を知る人か…

今まさに創られていく神話──『罪の終わり』

SF

罪の終わり作者: 東山彰良出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/05/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る文明崩壊後の食糧難によって人肉食が当たり前になり、牛の遺伝子に人間の遺伝子を混ぜた「食用牛」を開発することでようやく飢餓から解放され…

暇と退屈の仕事論──『働くことの哲学』

働くことの哲学作者: ラーススヴェンセン,Lars Svendsen,小須田健出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2016/04/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る僕自身は働くということについて思い悩んだことはなく、「金は稼がなあかんのやから働か…

過去の科学者に現代の基準でマジレスする──『科学の発見』

科学の発見作者: スティーヴンワインバーグ,大栗博司,Steven Weinberg,赤根洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/05/14メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこれはまたけっこうヘンテコな──というか、あまりないタイプの科学史ノンフィクション…

世界はとても美しく、だけど破壊された過去で埋め尽くされている。──『パンドラの少女』

SF

パンドラの少女作者: M・R・ケアリー,茂木健出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/04/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る書名からどんな本だかさっぱりわからんなあと思いながら読み始めてみれば、近年まれにみる引きこみの強さであっ…

なぜ疑似科学が社会を動かすのか

なぜ疑似科学が社会を動かすのか (PHP新書)作者: 石川幹人出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2016/02/16メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」という書名だが、これ自体はそうそう不思議なものではない。何し…

お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』

貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで作者: カビールセガール,Kabir Sehgal,小坂恵理出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る貨幣の歴史について語った本は数多い。それ…

戯言シリーズがアニメ化ですってね。『人類最強の純愛』

人類最強の純愛 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,竹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る言わずと知れた西尾維新、そのデビュー作である〈戯言シリーズ〉のスピンオフである最強シリーズ第2作目である。とは…

一人の優れたエンジニアの物語──『χの悲劇 The Tragedy of χ』

χの悲劇 (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る森博嗣さんによるGシリーズ第10作目。ついに10作目まできた。とはいえここから『ψの悲劇』、『ωの悲劇』と続いていく(元ネタの『…

我らは納豆に選ばれし民ではない──『謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉』

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉作者: 高野秀行出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/04/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るなんと高野秀行さんの新刊のテーマは「納豆」である。なんと、と書いたがこれまで高野秀行さんは…

変身ヒーロー meets モンスターハンター──『生存賭博』

生存賭博 (新潮文庫nex)作者: 吉上亮出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/04/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『パンツァークラウン フェイセズ』三部作によって読者側からしてみれば新人賞をとったわけでもないのに「いったいぜんたいどこから…

未曾有の惨劇が展開する激動の第二巻──『セルフ・クラフト・ワールド 2』

セルフ・クラフト・ワールド 2 (ハヤカワ文庫JA)作者: 芝村裕吏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/22メディア: 新書この商品を含むブログを見るあの芝村裕吏が仮想世界ゲーム物を書くと聞いて(読んで)大興奮しながら1巻を読んだものだが、いやはやこ…