基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

データ分析の失敗が社会にもたらす害悪──『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』

あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠作者: キャシー・オニール,久保尚子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2018/06/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る個人の信用度、職務遂行度、性格診断、投資モデルなど我々は…

なぜギャンブルにハマってしまうのか──『デザインされたギャンブル依存症』

デザインされたギャンブル依存症作者: ナターシャ・ダウ・シュール,日暮雅通出版社/メーカー: 青土社発売日: 2018/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るギャンブル依存というと「依存するほうが悪い。とっととやめればいいんだ…

なぜ、宇宙を目指したのか?──『天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?』

天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/06/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る細胞を入れ替えることによって人間が寿命による死を乗り越え、人間とは…

サウス・セントラル・ロサンゼルスのシャーロック・ホームズ──『IQ』

IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジョーイデ,熊谷千寿出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る日系アメリカ人であるジョー・イデによる『IQ』は、黒人を主人公に据え、『ベイカー街の脳をサウス・セントラル…

皮肉と冗句と類まれなる洞察が横溢する、起業からFacebookまでの激闘IT戦記──『サルたちの狂宴』

本書『サルたちの狂宴』は、ゴールドマン・サックスでクオンツとして経歴をスタートさせ、シリコンバレーで起業した会社をTwitter社に売却し、Facebookにジョインした著者による激闘の日々を綴ったIT戦記である。起業し売却しFBに行ってとその経歴は華々しく…

ビル・ゲイツが絶賛しオバマ前大統領が楽しんだ本格宇宙SF──『七人のイヴ Ⅰ』

SF

七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: ニール・スティーヴンスン,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 新書この商品を含むブログを見るサイバーパンクの傑作として名高い『スノウ・クラッシュ』、ナノテクの発達によっ…

一篇の詩のような戦争文学──『奥のほそ道』

奥のほそ道作者: リチャード・フラナガン,渡辺佐智江出版社/メーカー: 白水社発売日: 2018/05/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る旧日本軍と大量の捕虜によって建設された泰緬鉄道は、コレラやマラリアの流行、休みなく続く過酷な労働状況と拷問…

ブラックホールに身を投げたらどんな最後を迎えるのか?──『とんでもない死に方の科学: もし○○したら、あなたはこう死ぬ』

とんでもない死に方の科学: もし○○したら、あなたはこう死ぬ作者: コーディー・キャシディー,ポール・ドハティー,梶山あゆみ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/06/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る身近な疑問を物理的に追求していくと…

創薬の歴史、その苦難──『新薬の狩人たち――成功率0.1%の探求』

新薬の狩人たち――成功率0.1%の探求作者: ドナルド R キルシュ,オギオーガス,寺町朋子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る風邪をひいたり精神を病んだりして病院にいくとお薬をもらうわけだが、その薬は…

科学とSFが交わる刺激的な場所──『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』

広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由作者: スティーヴン・ウェッブ出版社/メーカー: 青土社発売日: 2018/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見るなぜこの宇宙には我々しかいないのか。いったいみんなはどこにいるの…

自然界の凄い機構をパクる『生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から』

生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から作者: アミーナ・カーン,松浦俊輔出版社/メーカー: 作品社発売日: 2018/05/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る生物模倣、バイオミミクリーという用語がある。これは端的にいえばアリやハチが持っ…

信じがたい凶悪犯罪『花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生作者: デイヴィッドグラン,David Grann,倉田真木出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/05/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るまるで主題だけみるとミステリィ小説の書名の…

恒川光太郎が描く、終末へと向かう世界──『滅びの園』

SF

滅びの園 (幽BOOKS)作者: 恒川光太郎出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見るホラー、ファンタジィ、幻想といった要素の混交した特異な手触りの作品を書いてきた恒川光太郎だが、その中でも『金色機械』など…

飛浩隆がいかに読み、書いてきたか──『ポリフォニック・イリュージョン 初期作品+批評集成』

ポリフォニック・イリュージョン作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/05/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る作家・飛浩隆の文庫解説やら、書評やら、日本SF大賞の選評やら、本としてまとまっていない初期短編やらを集めた初…

ル=グウィンによるギフトのギフト──〈西のはての年代記〉

ギフト 西のはての年代記? (河出文庫)作者: アーシュラ・K・ル=グウィン,谷垣暁美出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (15件) を見る普段このブログでは比較的新しい本について書いているの…