基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

再生可能エネルギーを前提とした分散型インフラへと大転換するために──『グローバル・グリーン・ニューディール: 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う』

グローバル・グリーン・ニューディール: 2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う作者:ジェレミー リフキン出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2020/02/25メディア: 単行本『第三次産業革命』、『限界費用ゼロ社会』などの著作…

「錬金術」というファンタジィ設定ががっつりロジックと絡み合い、高いレベルで両立しているファンタジィ✕ミステリィ──『錬金術師の密室』

錬金術師の密室 (ハヤカワ文庫JA)作者:紺野 天龍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2020/02/20メディア: Kindle版この『錬金術師の密室』は『ゼロの戦術師』で電撃文庫からデビューした紺野天龍の早川書房からの刊行作。『ゼロの〜』や次作『エンドレス・リ…

格差から経済の長期停滞まで、現代経済の様相の原因を無形資産で説明する──『無形資産が経済を支配する: 資本のない資本主義の正体』

無形資産が経済を支配する: 資本のない資本主義の正体作者:ジョナサン ハスケル,スティアン ウェストレイク出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2020/01/17メディア: 単行本無形資産とは、文字通り「無形」、つまり形がない資産のことである。ゲームやwe…

誘拐された我が子を救うためには、別の誰かの子どもを誘拐しなければならない特殊な「連鎖誘拐」状況を描き出す一級のサスペンス!──『ザ・チェーン 連鎖誘拐』

ザ・チェーン 連鎖誘拐 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:エイドリアン マッキンティ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2020/02/20メディア: 文庫ザ・チェーン 連鎖誘拐 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:エイドリアン マッキンティ出版社/メーカー: 早川書…

神的存在を人格化せずにはいられないのはなぜなのか──『人類はなぜ〈神〉を生み出したのか?』

人類はなぜ〈神〉を生み出したのか? (文春e-book)作者:レザー・アスラン出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2020/02/10メディア: Kindle版人類はなぜ神を生み出したのか。神話の中にいる神はたいていの場合人間形態で、超越的な力を持っていながらも同時に歪…

「いま・ここ」にいる人たちに読んで欲しい、東京に核が持ち込まれた状況を描き出す、藤井太洋による緊迫の現代スリラー──『ワン・モア・ヌーク』

SF

ワン・モア・ヌーク (新潮文庫)作者:藤井 太洋出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2020/01/29メディア: 文庫この『ワン・モア・ヌーク』は、近未来サスペンス・SFの書き手として知られる藤井太洋の最新作。2020年の3月11日。日本人にとっては忘れることのできな…

自由は国家の成立過程の中で、どのように獲得されるのか──『自由の命運:国家、社会、そして狭い回廊』

自由の命運 上: 国家、社会、そして狭い回廊作者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,Daron Acemoglu,James A. Robinson出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2020/01/23メディア: 単行本自由の命運 下: 国家、社会、そして狭い回廊作者:ダロン アセモ…

年収が上がれば上がるほど幸せになれるのか?──『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』

幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか作者:ダニエル ネトル出版社/メーカー: きずな出版発売日: 2020/01/28メディア: 単行本(ソフトカバー)幸福とはほとんどの人にとっての人生の目標なのではないだろうか。「いや、自分は不幸になる権利が…

デジタルデバイスで読むことで「深い読み」は損なわれるのか?──『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』

デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる作者:メアリアン・ウルフ出版社/メーカー: インターシフト (合同出版)発売日: 2020/02/06メディア: 単行本文字を読む時、その時脳の中では何が起こっているのか。また、文…

『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』

荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:陳 楸帆発売日: 2020/01/23メディア: 新書この『荒潮』は中国のSF作家を代表する一人と言われる陳楸帆による初の(そして今のところ唯一の)長篇SF小説である。陳楸帆の小説は、日本でも刊行された現代中国SFアン…