基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

仕事をする必要がなくなった世界で、仕事とは何かを問う野崎まど最新SF──『タイタン』

SF

タイタン作者:野崎 まど発売日: 2020/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)今はGW真っ最中にコロナが重なって働いていない人もいるだろうが、我々の大半は働かなければ生き残れない。酸素を吸わないと生きていけないように、働かないと機能的に生き残れな…

人類にとって壁とはなんなのか──『壁の世界史-万里の長城からトランプの壁まで』

壁の世界史-万里の長城からトランプの壁まで (単行本)作者:イアン・ヴォルナー発売日: 2020/03/28メディア: 単行本「壁」は物語的にはそそる物体である。敵と味方をわける物であり、内部のものを閉じ込めるためのものであり、守るべきものであり、破壊される…

ペストから新型コロナまで──『人類と病-国際政治から見る感染症と健康格差』

人類と病-国際政治から見る感染症と健康格差 (中公新書 2590)作者:詫摩 佳代発売日: 2020/04/18メディア: 新書4月18日頃刊行の新書なのでなんともタイムリーな……と読み始めてみたが、コロナ騒動が持ち上がってから書き飛ばされたような新書ではなく、数年に…

なぜ事実は無意味になってしまったのか?──『嘘と拡散の世紀:「われわれ」と「彼ら」の情報戦争』

嘘と拡散の世紀:「われわれ」と「彼ら」の情報戦争作者:ピーター・ポメランツェフ発売日: 2020/03/24メディア: 単行本現代ほど嘘が出回りやすい時代もない。善意、悪意問わずみな自分の信じたいことをボタン一つでリツイート、シェアして拡散するが、多くの…

人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』

もうダメかも作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター発売日: 2020/04/13メディア: 単行本我々はウルトラマンに守られているわけではないのだから、死ぬときがきたら死ぬしかない。その事実は多くの人が認識しているだろう。が、…

生活にどれだけ深く砂が関わっているのかという視点から世界を捉え直すきっかけとなる一冊──『砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか』

砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか作者:バイザー,ヴィンス発売日: 2020/03/02メディア: 単行本砂なんてどこにでも溢れていて(都心に住んでいると砂と触れ合う機会はないが)いかにして砂が文明を変容させたか、と言われてもピンと来ないかもしれな…

全米図書賞受賞、あまりにも重厚に屈折した心情を描き出していく「親子」の物語──『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』

歌え、葬られぬ者たちよ、歌え作者:ウォード,ジェスミン発売日: 2020/03/25メディア: 単行本本の買い方にも種類がある。作家が好きなケースもあるし、SFだから、好きそうな題材だからといったジャンル買い、ジャケ買いなど。そういう意味でいうと、本書は圧…

『半分世界』の石川宗生による極上の奇想短篇集──『ホテル・アルカディア』

SF

ホテル・アルカディア作者:石川 宗生発売日: 2020/03/26メディア: 単行本この『ホテル・アルカディア』は、第7回創元SF短編賞を受賞し、奇想短篇集『半分世界』で東京創元社からデビューした石川宗生さんの集英社からの最新作。『半分世界』は、吉田大輔氏が…

CEOに就任して15年で時価総額を5倍に、ピクサーにマーベルといった超大型買収を次々成し遂げた凄い男の回想録──『ディズニーCEOが実践する10の原則』

ディズニーCEOが実践する10の原則作者:ロバート・アイガー発売日: 2020/04/04メディア: 単行本ロバート・アイガーは本当に凄い男だ。ディズニーCEOに2005年から君臨し、当時ヒットする映画を全く生み出せず低調だった組織体制を再編し、コンテンツ重視の質を…

自動運転車や囲碁解析、ネットフリックスのレコメンドの裏側では実際何が起こっているのか──『スマートマシンはこうして思考する』

スマートマシンはこうして思考する作者:ショーン・ジェリッシュ発売日: 2020/03/04メディア: 単行本この『スマートマシンはこうして思考する』は、smart machines、ちまたでAIといわれているものが実際どのような仕組みで「知能があるような」振る舞いをみ…

韓国作家チョン・セランによる、異能力を持った保健室の先生を軸にしたほのぼの学園もの──『保健室のアン・ウニョン先生』

SF

保健室のアン・ウニョン先生 (チョン・セランの本)作者:チョン・セラン発売日: 2020/03/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この『保健室のアン・ウニョン先生』は韓国でホラー、ファンタジー、SFと様々なジャンルの作品を横断しながら作品を発表しているチ…