基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

様々な宇宙の形、時空の形を知ることができる格好の時間入門──『時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて』

時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて (ブルーバックス)作者:高水裕一発売日: 2020/07/20メディア: Kindle版時間は逆戻りするのか。普通に生きていると時間は一定の方角に向かって流れていくので逆戻りなどするような感じはしないが、実は…

史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』

宇宙・肉体・悪魔【新版】――理性的精神の敵について作者:J・D・バナール発売日: 2020/07/17メディア: 単行本この『『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』』は、X線結晶構造解析のパイオニアであり分子生物学の礎を築いたと言われるJ・D・バナールによ…

地上で最後の一人となった女性による、美術と哲学と狂気の内面世界を描いた実験小説──『ウィトゲンシュタインの愛人』

ウィトゲンシュタインの愛人作者:デイヴィッド・マークソン発売日: 2020/07/17メディア: Kindle版デイヴィッド・マークソンによるこの『ウィトゲンシュタインの愛人』は、何らかの理由で地球上で最後の一人になった女性が、淡々とその生活と過去のことを記し…

ドーキンスによる無神論者のためのビギナーズ・ガイド──『さらば、神よ──科学こそが道を作る』

さらば、神よ 科学こそが道を作る作者:リチャード ドーキンス発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版この『さらば、神よ』はリチャード・ドーキンスによる無神論者になるためのビギナーズガイドである。原題は「Outgrowing God A Beginner's Guide」で「outgr…

フランケンシュタインからジキル博士にモロー博士、ホームズまでが混交するごった煮エンタメの傑作!──『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』

メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:シオドラ ゴス発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版この『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』はアメリカ在住作家のシオドラ・ゴスによる第一長篇に…

宮内悠介最新作にしてカジノでの勝敗がすべてを支配する特殊国家を舞台にした国盗り賭博小説!──『黄色い夜』

黄色い夜 (集英社文芸単行本)作者:宮内悠介発売日: 2020/07/03メディア: Kindle版『黄色い夜』は宮内悠介によるギャンブルものの長篇(というほど長くない)小説である。舞台となっているのは東アフリカのエチオピアと国境を接するEという国家。そこは産業がカ…

思考や人間関係も整理する森博嗣『アンチ整理術』から現代の諸問題を整理するハラリの『21 Lessons』などを紹介(本の雑誌2020年2月号掲載)

まえがき 本の雑誌2020年2月号に掲載された新刊めったくたガイドの僕が書いたノンフィクションガイドをここに転載します。連載2回目。1回目は楽勝だったんですけど2回目は「え、もう次の締切なんですか!?」と焦っていた記憶がある。そのせいもあってか文章…

『三体』読んだらこれを読めと手渡せる、現代中華SFを概観できるアンソロジー──『時のきざはし 現代中華SF傑作選』

SF

時のきざはし 現代中華SF傑作選作者:江波,何夕,糖匪,昼温,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,黄海,梁清散,凌晨,双翅目,韓松,吴霜,潘海天,飛氘,靚霊,滕野発売日: 2020/06/26メディア: 大型本最近中国SFが盛り上がっている。『三体』が売れてる(全部合わせて30万部突破。単…

我々はどこまで世界を作り変えるべきか?──『合成テクノロジーが世界をつくり変える: 生命・物質・地球の未来と人類の選択』

合成テクノロジーが世界をつくり変える: 生命・物質・地球の未来と人類の選択作者:クリストファー・プレストン発売日: 2020/07/07メディア: 単行本この『合成テクノロジーが世界をつくり変える』は、ナノテクノロジー、遺伝子工学、環境工学といった幅広い分…

監督作だけでなく脚本・原案作まで含めてタランティーノを解き明かそうとする評伝──『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』

クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男作者:イアン・ネイサン発売日: 2020/06/26メディア: 単行本この『クエンティン・タランティーノ 映画に魂を売った男』はそのまんま、書名に入っているようにタランティーノについての評伝である。生い立ちか…

アメリカの投票の公平性がいまもなお脅かされつづけていることを記した、闘いの歴史──『投票権をわれらに:選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い』

投票権をわれらに:選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い作者:アリ・バーマン発売日: 2020/06/16メディア: 単行本本書はアメリカにおける「投票権」をめぐる闘いを記した一冊である。これは本当にえらい本で、歴史的な流れとしてどのようにアメリカでアフリ…

リモートワークするならとりあえず読んでおくといい本──『リモートワークの達人』

リモートワークの達人 (ハヤカワ文庫NF)作者:ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン発売日: 2020/07/02メディア: 文庫この『リモートワークの達人』はソフトウェア開発会社の「ベースキャンプ」の創業者ジェイソン・フリードと同社の…