基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

造語「メタヴァース」を生み出し、数々の起業家の世界観に影響を与えた伝説のSFがついに復刊!──『スノウ・クラッシュ』

スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF)作者:ニール スティーヴンスン早川書房Amazonこの数年メタヴァース=仮想現実が盛り上がっている。Facebookが社名を「Meta」に変更し、OculusQuestやVRchatが普及し、フォートナイトでのライブ・生活体験が当…

弾圧が行われているとされる新疆ウイグル自治区で、実際に何が行われているのか?──『AI監獄ウイグル』

AI監獄ウイグル作者:ジェフリー・ケイン新潮社Amazonこの『AI監獄ウイグル』は、近年弾圧が激しくなっているとされるウイグルで、実際に何が行われているのか、150人以上のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、元中国人スパイにインタビュー取材…

アルゴリズムを真の意味で使いこなすために重要な知識が書かれた『アルゴリズムの時代』からビル・ゲイツのSDGs本『地球の未来のため僕が決断したこと』までいろいろ紹介!

はじめに 本の雑誌 2021年11月号掲載分の連載原稿を掲載します。21年の12月号で連載は終了しているので、もうすぐ終わりですね。ちなみに本の雑誌の新刊めったくたガイド担当者は大森さんなど一部を除いて2年ごとに担当者を入れ替える制度をとっているようで…

地上とはまったく異なる常識が支配する海中洞窟の世界で、ダイバーが何を考え、見てきたのか──『イントゥ・ザ・プラネット』

イントゥ・ザ・プラネット作者:ジル・ハイナース新潮社Amazonこの『イントゥ・ザ・プラネット』は洞窟探検家、水中探検家の女性ダイバーであるジル・ハイナースによる冒険記だ。水中、それも誰も踏み入ったことがないような長大な洞窟の中では、地上とはまっ…

第一次世界大戦中にインターネットや携帯電話が発展し、高度な監視システムが構築されたIFのドイツを描き出す改変歴史SF──『NSA』

NSA 上 (ハヤカワ文庫SF)作者:アンドレアス エシュバッハ早川書房Amazonこの『NSA』は、ドイツを代表するSF作家アンドレアス・エシュバッハが18年に発表した、ドイツが舞台の歴史改変SF小説である。歴史改変ものとは、「もし歴史のあの時点で結果がこ…

はるかな未来から少し先のニューノーマルまで、パンデミック後の多様な世界を表現する韓国SFアンソロジー──『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』

SF

最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集作者:キム・チョヨプ,デュナ,チョン・ソヨン,キム・イファン,ペ・ミョンフン,イ・ジョンサン河出書房新社Amazonこの『最後のライオニ』は韓国の作家6人がパンデミック、感染症をテーマに短篇を書いたSFアンソロジ…

過激主義組織はどのように人を勧誘し、虜にするのか?──『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』

ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ作者:ユリア・エブナー左右社Amazonこの『ゴーイング・ダーク』は、12の過激な主義主張をかかげる組織に著者が潜入し内部を綴るルポタージュである。最近のこうした組織はオンラインで門戸を開いているものだか…

《ウィッチャー》ワールドの原点とその本質的な魅力を味わえる、入門にうってつけの一冊──『ウィッチャー短篇集1 最後の願い』

ウィッチャー短篇集1 最後の願い (ハヤカワ文庫FT)作者:アンドレイ サプコフスキ早川書房Amazonポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキによるファンタジィ小説シリーズ《ウィッチャー》は、小説も世界的なベストセラーであるが、本作を原作としたゲーム…

2020年の読むべき日本SF短篇が一冊であらかたカバーできる、竹書房文庫の年刊日本SF傑作選!──『ベストSF2021』

ベストSF2021 (竹書房文庫, お6-2) (竹書房文庫 お 6-2)作者:大森 望竹書房Amazon2020年に発表された日本SF短篇の中から、大森望が傑作をよりすぐったのがこの竹書房から刊行されたアンソロジー『ベストSF2021』である。2019年作品版の『ベストSF2020』が202…